「下北の空気そのままに」街の上で 奥嶋ひろまささんの映画レビュー(感想・評価)
下北の空気そのままに
今泉力哉監督のファンなので一年間楽しみにしてました。
何か強い言葉で鼓舞してくれたり、背中を押すような事は
ないけど、なんとなく僕も今日からのんびり自分なりに
生きてみようかなと思えました。
東武練馬と言う知らない街で観たのだけど、
自分も自分の人生の主役なんだとなんかカッコつけて歩い
ちゃいました。
僕は漫画家をやってるのだけど、打ち合わせの際に
キャラクターを一言で表せるように、
ストーリーに明確な縦軸を!
と言われるのだけど、どんどん自分たちの決めた制約に
縛られて自由じゃなくなって行く窮屈な気持ちになるのだけど、
街の上でのキャラクター達は自由でとても気持ち良かった。
今泉力哉監督作品に共通する事だけど、
みな今日も下北沢で生きてるような気がします。
僕の感じる下北沢って、みなウェルカムだけど壁がある
と言うか、会って少し話すけど深くは付き合わねぇよ?
と言う冷たさも感じるので、
そんな空気感がキャラクター共にそのままパックにされてる
ような感じがしてとてもリアルでした。
青と言う青年は頼りないし、空気もあんまり読めるタイプではなさそうだし、どちらかと言うと気まずくさせる奴だけど
愛おしい友だちになりたい男だった。
愛がなんだの時に若葉竜也さんを知り、ファンになったの
だけど、今回は成田凌さんってこんな色気あってカッコ良い
んだ!と思いました。
脇役含めキャラクターが皆魅力的に描かれてて
今泉力哉監督の真骨頂だなと思いました。
ただの映画好きの僕はジャームッシュを連想させました。
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