「素晴らしい作品にはもれなく成田凌がついてくる⁈」街の上で グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい作品にはもれなく成田凌がついてくる⁈
今泉監督は、毎回私の個人的な期待を上回ってきますが(『あの頃』はまだ観てませんけど)、今回もまたやってくれました。
〝嫉妬〟という感情を、負のイメージではなく、コントロールなどできない恋心のひとつの表象として、こんなにも愛おしく描くことができるなんて、本当に凄いと思います。
私が前から感じる今泉監督の凄さ。
絶妙な会話や台詞で唸らされ(本作ではユーモアまで卓越)、次は決めの一言かな、というところで、えっ⁉︎、とか、うん?と一瞬戸惑ってしまうような微妙な〝間〟を入れてきてから、場面転換をします。
まるで〝次の一言〟に当たる部分は観ている私たちそれぞれの感性でその先を想像(時には選択)してください、そう言われているかのようなのです。
それでいて、なんの破綻も違和感もなく次の展開へ引き込まれていく。
例えば、雪が自転車に乗って去っていった後、残された4人の会話について映画では何も語られないけれど、観ている我々自身がそれぞれのお気に入りの人物になりかわって、自分だったらどうしてるだろう?などと知らず知らずのうちに想像してるのですね。
ラスト近く、城定イサが古着屋にやってきて、小さな嘘(カットされてなかった)をついた後、何か言いたげな表情と間をおいて、すぐに場面転換されましたが、私は監督の術中にハマり、イサが青と雪の関係に遂にただの友達を超えた〝嫉妬〟の感情を覚えてしまったことを伝えにきたのだと想像しました。
主要登場人物の一人ひとりに、映画で描かれている以上の膨らみや背景を想像させる手腕は、名人芸の域に達していると思います。
『まともじゃないのは君も一緒』以上の作品はしばらくお目にかかれないと思っていましたが、早くも少しも引けを取ることのない素晴らしい作品に出会えました。
本当にありがたいことです。
【追記】
上記で、主要登場人物の一人ひとりに、……
と書きましたが、訂正します。
主要でない端役の人物の一人ひとりについても、普段はどんな人なのだろう、どんな人たちに囲まれているんだろう、と想像をたくましくしてしまいます。
試着の彼と彼女、ぶっきらぼうな元関取、お巡りさんと姪っ子……
週末、また観に行かなきゃ❗️
抱き枕良いですね〜!
私は若葉竜也がチーズケーキの歌を歌ってくれるのが欲しいです^^*
先月、下高井戸や池袋で今泉監督のトークショーあったんですよね。行きたかった💧公開時にやったインスタライブは見たんですが、人の良さが滲み出てました(天然w)。だから演者さんが自然な演技なんでしょうね。
「まともじゃない〜」も登場人物1人ずつに味があって、観る度に色んな感じ方が出来て私もとてもお気に入りです。
共感ありがとうございます(^^)
なるほど!ラストのイハの行動は青への好意を感じましたが、「嫉妬」でもあるんですね! どなたかが 雪は また浮気しそうだから嫌い!と 書いてらして、もし そうならイハとの物語を続編で観たいなんて思ってしまいます(笑) 田辺さんも気になる存在です…。
サンカヨウについては私のレビューの方で書かせて頂きました。
コメント失礼します。私も微妙に噛み合わない会話で作られる間とその後の空気がいいなと思ってました
イハの小さな嘘は今後の青とイハを繋ぐ糸になるのではないかと感じております。
とても素敵な作品でした
良太さん、実験4号のこと、知りませんでした。
阿部和重との合作『キャプテンサンダーボルト』の他にもそういうのがあったのですね。
また、楽しみが増えました。
貴重な情報をありがとうございます。
伊坂幸太郎といえば 山下敦弘との「実験4号」も衝撃的でしたね
小説と映像のコラボ
映画ではないですが ステキな映像作品で 小説とともに味わい深い良作でした
良太さん、ありがとうございます。こちらこそ毎度楽しく拝読させていただいてます。
そういえば、『アイネクライネナハトムジーク』の原作者、伊坂幸太郎さんも群像劇が得意ですよね。
登場人物の個性や立ち位置、ユーモアと何気ない会話のあのひとこと。それらが混ぜ合わさって、見事に収斂していくのは、本当に心地良い映画体験でした。
いつもレビュー楽しみにしています
私も最近の成田凌の怪演にハマっております
「くれなずめ」の期待値が爆上がり中です
「あの頃。」は 個人的に ん?今泉監督どしたの? 商業ベースだから? となってしまい心配でしたが 本作でその不安をぬぐってくれて ほっとしてます