「女性版グッドフェローズだが、根底にあるのものは真逆」ハスラーズ バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
女性版グッドフェローズだが、根底にあるのものは真逆
クリックして本文を読む
多くの人が指摘しているように、確かにこの映画には『グッドフェローズ』女性版の趣きがある。アウトローの痛快さが宿ったピカレスクロマンだ。しかし友情と連帯がやがて裏切りの連鎖に変貌していく『グッドフェローズ』とは、根本的に違っている。この映画の主人公たちにも疑心暗鬼や裏切りはあるが、根底では社会から踏みつけにされた同性同士という連帯で繋がっている。この違いが、単に性差の問題なのか、それとも社会的立場から生まれているのかはまだわからない。わからないのだが、なにがあっても相手を思いやれる気持ちを失わない彼女たちの関係性はすごく羨ましいし、やはり男は『グッドフェローズ』の殺伐に引き寄せられる愚かな生き物なのかもと思ってしまう。決して痛快なだけの話ではない。むしろ、転落劇に転じる後半が映画の印象を決定づけている。そして失敗の話だからこそ、彼女たちの優しい側面が胸に沁みるのである。
コメントする