8番目の男のレビュー・感想・評価
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人間ドラマとして面白い
韓国の陪審員制度、第1回が元になっているフィクション。
事実が元ネタで、なかなかのドラマ。
8番の陪審員である主人公は、納得いかないことを
なんとか調べようとする。
初対面の8人は年齢も性別も属性もバラバラで、
そりゃやる気のない人も、早く帰りたい人もいるよね。
素人なのに、現場検証までさせて、
証拠資料も読み込んで判決を出そうとする姿勢にちょっと感動。
法は国民の常識…
果たしてどこまでそうなっているだろうかと考えてしまう。常識も時代と共に変わるし、法もそうなっているだろうか。冒頭は少しコメディ要素もあり、グダグダ感があったが、8番目の男の分からないから有罪無罪を判断できないと言う一言から、他の陪審員も事件を今一度見直す方向へ。法は冤罪を作らない為にある、疑わしきは罰せず、と言う理念がラストは叶い、感動劇へ。思い悩み、真念に従う裁判官ムン・ソリが好演。結局掃除婦はなんだったんだろう。
裁判員制度
韓国では2008年から。日本では2009年から始まった裁判員制度。
法律のプロだけでは解決できないのかしらと思ってましたが、人間、力や地位を手に入れると冷静な判断、基本的なことができなくなることもありますからね。
今回、この作品を見て、やはり麻痺してしまうんやなぁーと感じましたが、最後の最後に裁判長が、法のプロとして、納得の行くラストで締めてくれたおかげでスッキリできた。
他のレビューを読んでいると、"十二人の怒れる男"という映画のパクリだとの意見もありますが、私はそっちを見たことがないので、この映画を見て十分楽しむことができました。
自分がもし、裁判員に選ばれたら、、、と想像せずに鑑賞できなかったけれど、人一人の人生がかかっているんですからね。
8番の彼は、たまたま偶然被告人と接触してしまいましたが、実際にこんなことあったんだろうか、、、
そこの出会いが無ければ、あんなラストになったかどうかは怪しくはあるけれど、あそこまで真摯に向き合えるでしょうかね一般人の私達は。
とにかく、内容は重たいのに、ちょいちょいクスッと笑わせてくれる要素があって、そこと裁判長の堅物な雰囲気がギャップとなって楽しめました。韓国映画の実に得意とするところだなと感じた。
パク・ヒョンシクはなんか心がピュアな雰囲気があるので、この役もとても似合っていたと思う。どの役者さんも個性的で演技がうまくて、これだから韓国映画はやめられない。
陪審員の役目は何処まで
第一回陪審員を採用する裁判
初めての陪審員8人
解らないまま裁判に望む
もう有罪確定で刑務所の任期を陪審員の意見を参考にすると言う
硬い裁判劇かと思ったら意外と
笑えて軽く観られた
韓国🎬は演出が上手くて
エンタメ性がある
陪審員6人は直ぐに有罪としたが
8番目の男が異を問いかけた事により
事件を現場検証することで
…もしかしたら
違った見方をしたために判決が
証拠不十分となり無罪となった
(もの凄く感動)
陪審員の意見が通ったのだ
日本ではあり得ないかなと思った
中盤で陪審員たちの自分達の判断で無罪有罪が決まってしまうことに
心のケアも必要な事と言っていたのが
…印象的でした
陪審員の責任は決して軽くない
オモシロ~かった
法は誰のためにあるか?韓国版「12人の怒れる男」とも呼べる名作。
映画の内容に関する事前知識はほとんどなく、レンタルDVDのパッケージに書いてあった説明を読んで「面白そうだなー」とジャケ借りした作品です。陪審員を主人公にした作品ということで、私の大好きな「12人の怒れる男」を想起しつつ鑑賞いたしました。
結論。めちゃくちゃ面白かった。個性豊かな陪審員の8人だけではなく、韓国初の国民参与裁判に挑む裁判官や官僚、そして容疑者の男やその娘など、多くの人々の思惑や考えが絡み合い、裁判は思わぬ方向へ転がります。ラストシーンで現れるテロップも衝撃的で、思わずハッとさせられる映画でした。
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2008年に韓国で初めて実施された国民参与裁判(陪審員裁判)をモチーフにした作品。韓国初となる国民参与裁判はメディアの注目を集め、母親殺しの罪で起訴された男の裁判でいよいよ実施されることになった。目撃証言・動機・自白が揃っている量刑を決めるだけの簡単な裁判だったはずなのだが、裁判中に被疑者が突然嫌疑を否認し始めたために有罪無罪を決めるという難しい内容に変わってしまった。注目を集める裁判である故に中止にすることもできず、8人の陪審員たちは情報を洗い出しながら、事件の真相に迫っていくことになる。
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主人公である陪審員8番の男は非常に優柔不断で、陪審員控え室で最初に行われた有罪無罪の投票で有罪無罪を決めることができず、有罪7票無投票1票という状況に。事件の資料を漁ってみると、ところどころ当初予想されていた事件概要と矛盾する箇所がいくつか見つかってきて、最初は有罪派だった人々も、段々と事件に疑問を持ち始めるようになる。
概要だけ聞くと、それこそ「12人の怒れる男」です。「怒れる男」でも、最初の投票で唯一無罪に投票したのはヘンリー・フォンダ演じる陪審員8番の男でした。ところどころ「怒れる男」のオマージュのような部分が見受けられたので、この作品の監督も意識していたのだと思います。
しかしながらストーリーに関しては、「怒れる男」とは全くの別物。今作は8人の陪審員以外にも厳格な女性裁判官とか、世間体を気にする裁判所のお偉いさんとか、そして事件の容疑者の男とか。様々な人々の思惑や価値観が交差するストーリーになっており、その辺は12人の陪審員だけで成り立っている「怒れる男」とは大きく異なります。
最初は有罪だと信じていた陪審員たちが8番の主張を受けて事件の資料を再度吟味し、段々と考え方が変わっていく描写は本当に素晴らしかった。何をきっかけにして有罪から無罪に主張が変わるのか、そこに陪審員8人の個性が出ていて、非常に見応えがあります。
脚本のプロットも見事で、冒頭に登場した台詞が後半の重要なシーンで使われたり、何気なく登場していた証拠品が事件解決の糸口になったりして、一時も目が離せないストーリー展開でした。
ほどよいギャグシーンも差し込まれてて、どうしても難しくなりがちな裁判モノですがギャグシーンで緊張が緩和されるため、あまり肩肘張らずに観ることができるのも良いですね。
そして、ネタバレになるので詳細は伏せますが、最後に流れるテロップ。裁判も終了し、「良かった良かった」と観客が胸を撫で下ろしている時に、不意打ちの如く現れるテロップ。あれを観て、「本当に良かったんだろうか…?」と思ってしまう人は私だけじゃなかったはずです。
実に面白い作品でした。
国民参与裁判の良い点と悪い点。「法」とは何か・誰のためにあるのか。真実はどこにあるのか。
笑って感動して、そして考えさせられる素晴らしい映画です。オススメです!!
陪審員制度に真摯に向き合った作品
実際に行われた陪審員裁判をもとにした映画。
日韓の司法に対する考え方の違いかもしれないが、共感しづらい部分もありました。
まず、法律のプロである裁判長が有罪の判決を陪審員の意見によりその場で無罪にするというのはフィクションかもしれないが、果たしてそれでいいのかという違和感が残りました。
また、陪審員裁判では無罪の率が通常の裁判の3倍であると素晴らしいこととして語られていたが、劇中でもムン・ソリがいっているとおり、心理的に有罪にはしづらいものだと思います。冤罪はもちろんあってはならないが、本当は有罪の人も含まれているのではないかとも思ってしまいました。
一方で、深夜に陪審員が現場検証をしたいと申し出たら、消防車まできて協力してくれるというのは、しっかりと民主主義が守られているんだなと感じました。あと本筋とは関係ないですが、陪審員裁判へのマスコミの注目度がすごい。それだけ人々の関心が高いということだと思うが韓国の人は意識が高いな感じました。
色々書きましたが映画としては、法廷ドラマでありながらも、被告人が本当に殺したのかというミステリー要素もあり楽しめました。あとムン・ソリの演技がよく、映画をよりよいものにしていると思いました。
"When in doubt, consider the defendant's interests" ユースティティア
2008年から韓国では、「国民参与裁判制度」が始まり、日本で言う裁判員制度とは似ているところもあり、似ていないところもあるが、一般の市民が裁判に参加することは基本同じと考えられる。
この映画の主題である母親殺しの裁判。日本では、昔、殺人罪のほかに独立して尊属殺人罪と言うものがあって、刑罰は、無期懲役と死刑しか存在していなかった。日本は、フランスの刑法を参考にしたらしいのだが、儒教を重んじる韓国は、刑の重さは推し量れるものと考えられる。
この映画のシナリオは、映画の題名通り、第8番目の陪審員に選ばれた発明家の青年ナムウ。初めて陪審員裁判という 裁判が民間人を前例のない方法で参加させたことにより、国民の注目を集めているため、キム・ジュンギョム裁判長(ムン・ソリ)には確かに多くの期待と圧力がかかっているが、彼女の終始一貫して冷静な冷淡ともいえる面持ちが、この映画を引き締めている。ただのコメディ色を前面に出した裁判劇には成り下がってはいない。
ある人が、こんなことをサイトに載せていた。シドニー・ルメット監督、ヘンリー・フォンダ主演の密室劇の金字塔映画「12人の怒れる男(1957)」を連想させる映画だと....シチュエーションや映画の中でのイベントがインスパイアされているところが散見するためか?
You said the law doesn't exist to punish people.
Would it be right to punish people without any standard?
They could be wrongfully charged!
To avoid punishing people unjustly and to set a standard,
you said that's the law.
被告人の真意がわかった時、最高裁判所やテレビドラマ「逃亡者(1963)」の冒頭のシーンでご登場のLady Justice ユースティティアが、掲げる「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」不偏の人の罪と法の理念が象徴的に表現されている。
そうは言っても、後半のフラシュバックで描写された真相を知った時、涙腺が解放状態となっていた自分がいた。韓国映画恐るべし。
真剣に見ていた自分に対して、ご褒美のような1カットでクスっとできました。映画館では最後まで見てとはいえないぐらいのクスっと加減です。
Finally パチパチ
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