「疑わしきは被告人の利益に」8番目の男 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
疑わしきは被告人の利益に
日本では2009年から始まった裁判員制度。2008年には韓国で国民参与裁判が始まった。韓国の場合は8人で日本は6人。それ以外にも違いはあるが、それはさておき、『十二人の怒れる男』にそっくりやろ!てな感じで、ちょっとしたことから疑問が生じ、ちょっとチャラ男的な8番目の男が有罪無罪を保留したことから全員が悩み始める。
6番目の男がいきなりの退廷、裁判官(ムン・ソリ)への金槌事件など、問題山積状態で裁判は進むのですが、自白を強要されたことや金槌に血痕がなかったことなど疑わしい点が続出する。被告人が母親のミスにより大やけどを負い、彼の人生においてもマイナスとなったことも大きかった。
10人の犯人を取り逃がすのと、1人の冤罪を作るのは・・・色々司法制度の問題点をえぐっているかのような社会派法廷劇でもあり、捜査の杜撰さや事なかれ主義的で「長い物には巻かれろ」といった矛盾をも感じる。11時から始まった裁判も、6時には帰れるかと思ったのに、現場検証までやっちゃうことになり、意見がまとまったのは朝の4時。初めての国民参与裁判がこんなに面白くなるとは!どこまで本当なんでしょ・・・
被告人の指がないところや、火傷の痕が痛々しくてたまらなかった。偏見を持たずに逆の可能性を常に考えることがいかに大切か痛感しました。
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