劇場公開日 2019年11月1日

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「【"疑わしきは、被告人の利益に" 「12人の怒れる男」韓国コミカルバージョンであるが、見事な法廷劇でもある。】」8番目の男 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【"疑わしきは、被告人の利益に" 「12人の怒れる男」韓国コミカルバージョンであるが、見事な法廷劇でもある。】

2020年7月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

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-被告人、カンは母親をベランダから突き落とした尊属殺人犯として、韓国初の"国民参与裁判"に掛けられる。法曹界のトップを狙う男は"簡単に"処理し、自ら韓国の法曹界に民意を入れた事を手柄にしようとするが・・-

・ 2008年、韓国で初めての裁判員裁判が取り入れられたが、最初の裁判には様々な疑念があった。

・幼き頃、母親の瑕疵により顔面と手に大火傷を負ったカン。状況証拠も十分である。更に韓国の儒教思想から尊属殺人は死刑が妥当。だが、少し天然な"8番さん"は、ひょんな事から勾留中のカンと会った際に気付いた事に拘る。
-この辺りのコミカル的な見せ方が絶妙に上手い。何故なら制度上、裁判員と被告人が直接会う事は出来ない。-

・裁判員の"遺体清掃30年の6番さん"は被告人が金槌で母親を殴ったなら、血痕の付き方がオカシイと主張するが、退廷させられる。
-韓国、法曹界の従来の姿勢は変わっていない・・-

■ だが、被告人が書いた"家族解体理由書"の真偽に疑念が生じる所から流れが、変わる。早く終わらせたい裁判員達の心が、変化していく様、徐々に明らかになる事件の真実。そこには、被告人カンの母親の深い息子に赦しを求める想いがあった・・・。

〈白鳥事件をテキストに学生時代、嫌という程叩き込まれた"推定無罪"をテーマにした、実に面白い韓国法廷映画である。〉

NOBU