「"When in doubt, consider the defendant's interests" ユースティティア」8番目の男 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
"When in doubt, consider the defendant's interests" ユースティティア
2008年から韓国では、「国民参与裁判制度」が始まり、日本で言う裁判員制度とは似ているところもあり、似ていないところもあるが、一般の市民が裁判に参加することは基本同じと考えられる。
この映画の主題である母親殺しの裁判。日本では、昔、殺人罪のほかに独立して尊属殺人罪と言うものがあって、刑罰は、無期懲役と死刑しか存在していなかった。日本は、フランスの刑法を参考にしたらしいのだが、儒教を重んじる韓国は、刑の重さは推し量れるものと考えられる。
この映画のシナリオは、映画の題名通り、第8番目の陪審員に選ばれた発明家の青年ナムウ。初めて陪審員裁判という 裁判が民間人を前例のない方法で参加させたことにより、国民の注目を集めているため、キム・ジュンギョム裁判長(ムン・ソリ)には確かに多くの期待と圧力がかかっているが、彼女の終始一貫して冷静な冷淡ともいえる面持ちが、この映画を引き締めている。ただのコメディ色を前面に出した裁判劇には成り下がってはいない。
ある人が、こんなことをサイトに載せていた。シドニー・ルメット監督、ヘンリー・フォンダ主演の密室劇の金字塔映画「12人の怒れる男(1957)」を連想させる映画だと....シチュエーションや映画の中でのイベントがインスパイアされているところが散見するためか?
You said the law doesn't exist to punish people.
Would it be right to punish people without any standard?
They could be wrongfully charged!
To avoid punishing people unjustly and to set a standard,
you said that's the law.
被告人の真意がわかった時、最高裁判所やテレビドラマ「逃亡者(1963)」の冒頭のシーンでご登場のLady Justice ユースティティアが、掲げる「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」不偏の人の罪と法の理念が象徴的に表現されている。
そうは言っても、後半のフラシュバックで描写された真相を知った時、涙腺が解放状態となっていた自分がいた。韓国映画恐るべし。
真剣に見ていた自分に対して、ご褒美のような1カットでクスっとできました。映画館では最後まで見てとはいえないぐらいのクスっと加減です。
Finally パチパチ