「後半になるまで辛抱です」尾崎豊を探して やまみねさんの映画レビュー(感想・評価)
後半になるまで辛抱です
レビューを見てから映画館に行きました。みなさんの言っていることが分かりました。
わたしは尾崎がこの世を去った歳と同い年になる26歳です。中学生の頃に尾崎に出会いました。尾崎豊と生きた時間を共にした方と比べれば知識も浅いと思います。ですが感想は皆さんのおっしゃる事とほぼ同じです。
一言で悪く言うなら「尾崎豊のMAD」
素材を与えられた人が自分の好きなように編集して楽しんでしまっただけの動画、って感じです。こんなに素材が素晴らしいのに何故こんなにも酷くなってしまったのか分かりません。
冒頭のインタビューはたしかにいらないです。友達と一緒に楽しく遊ぶような10代の子達に「尾崎豊って知ってますか?」って聞くのはどうかと思いました。知らなくてもおかしくない世代の子達にわざわざ質問をして耳障りな笑い声と音を聞かせ、観てるこちら側に憤りを覚えさせることが目的なら大成功だと思います。知らなくても別にいいんです。その表現の仕方がよくない。10代でも尾崎豊を知っていて、尾崎豊を好きで、生きる糧にしている人がこのインタビューを見たらとても悲しいんじゃないでしょうか。同じ10代という括りにされて。こんなに大胆に尾崎豊を社会の風潮みたいにしなくてもよかったのに。
他の方もおっしゃっているように後半に進むにつれて観て良かったかも、となれます。ステージ上では見れない、素の尾崎豊が感じられるのはどんな形でもやはり嬉しいので。
監督は尾崎豊を愛している方なのですよね?尾崎豊を知っている人間なのにこのような作品にしてしまったと思うと、悲しくなってしまいました。でも尾崎豊を感じられるのは確かです。すごくチカチカするので最初に注意のテロップが必要だったとは思います。
でも、どんなことを言ってもどこにも届かないのは分かっているので、これからも尾崎豊を愛している人達と、そして尾崎豊だけ分かってればなんでもいいと思います。
「俺を信じるやつはついて来い」
これに尽きます。