「だれでも自分の好きなように生きたい。」ザ・ピーナッツバター・ファルコン ku-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
だれでも自分の好きなように生きたい。
この映画の好きなところはZak ( Zack Gottsagen) の夢をもっている強い生き方とTyler ( Shia Labeouf )のZakの対する公平評価だ。うまく言えないが、タイラーにとってザックは友達なんだ。
2019年の映画で新しいのでネタバレしないように書くつもりだ。ザックはみても分かる通りダウン症で周りのものは彼をダウン症として扱い、身障者に対する哀れみを与え、保護したがる。時には、バカ扱いする人もいる。施設で働く人たちもそうだ。ザックは自分の夢があるからそれに向かってなんど失敗しても行動に移す。
個人的なことだが、ある家族の息子パウロが22歳でダウン症でザックと似ている。一つのことを執拗にやりたがり力がとてもある。そして、夢がある。でも、その家族は彼の夢を聞いてあげないし、それには付き合ってあげない。そのうえ、その夢はたわ言だと思っている。ザックの周りもそうであるが、タイラーだけはちがって、ザックを励まし、力になる。かれの夢を聞いてあげるだけじゃないんだよ。手伝うんだよ。タイラーは映画の最初で傍若無人な悪人のようにえがかれているが、彼の家族背景を理解するとちょっとわかる。彼は ザックを自分の分身のようにダウン症に違和感(ダウン症がどうした?)なくつきあう。ザックの方に甘えがあり、自分はダウン症だと言葉で表す。ザックの夢を成し遂げるにはダウン症が問題なのかどうかより、その人自身の問題。やる気のある心だということなんだ。障害、弊害、差別を乗り越えていく心だというんだろうけど、それにも関わらず、タイラーの荒々しい言葉、行動一つ一つから、ザック思いが感じられて(過去の経験と重なり合い)ザックの良き理解者でもあり、また、ザックとの関係を思いっきり楽しんでいるのが、微笑ましい。また、切なく悲しく涙が出た。
この監督はダウン症のZack Gottsagenを主演に使ったが、かれのダウン症は私の知り合いの息子パウロほど悪くはない。パウロは食欲のコントロールが難しく、台所の食べ物のある場所は鍵をかけて開けられないようにしているし、食欲が旺盛の時は食べ物の代わりダンボールもかじるそうだ。
場所はノースキャロライナからフロリダ方面に向かっているが。出発点がどのまちかは私は知らない。Outer Banksといってノースキャロライナの大西洋沿いを歩いているようだ。景色がいいところで、南の島にいるような気分だね。