「お願いなので原作を読んでください。+脚本家への怒り。」都会(まち)のトム&ソーヤ ショババさんの映画レビュー(感想・評価)
お願いなので原作を読んでください。+脚本家への怒り。
俳優の方々はきちんと原作を読んでくださり、演技に落とし込んでおり、俳優さんに対しては星5の気持ちです。
中学生組は初々しさがあり、はしゃいでいる姿はやはり本当の中学生といった感じで微笑ましく見れました。大人組も、ビジュはかけ離れていても性格の写しが素晴らしかったです。
美術もよかったですね、鍵のストラップとか、砦とか。
ただ、脚本と構成が本当に最悪でした。原作の「in塀戸」あたりを参考にしているんでしょうが…。下位互換です。本当に脚本のお仕事をされているのか、甚だ疑問です。
10年以上原作のファンで、全て所持し、読み直してから映画を見ました。
もちろんただの一読者ですので、ある程度解釈が違うのは当たり前ですが、あまりにひどく感じました。
原作を見ていない方で、映画を見て溜飲を下げるためにレビューを見ている方いましたら、どうか原作を読んでください。100億倍面白いので。
★下記からネタバレ含みます★
簡単にまとめると、ストーリー(脚本)も悪いのにキャラの解像度が低すぎる。10年前に原作読んで、そのまま朧気な記憶で書いたの?と聞きたくなります。
せめてどっちか、キャラへの理解が深いか、キャラ改変していてもストーリー面白いかのどちらかあればよかったのですが…
細かく書いたのが下記です。
①内藤内人について
転校生設定は気になりませんでした。2時間程にまとめる以上、それくらいの調整はあって当たり前でしょう。
内人の強みは、その場にある物・貰ったもの拾ったものでピンチを切り抜けること。おばあちゃんから教えてもらったことを基に切り抜ける。
映画ではチラッと序盤に触れたのみで、あとは「少し機転が利く子」の域をでませんでした。
2年間おばあちゃんと山で暮らして〜とセリフはありましたが、殆ど活かされず。
②竜王創也について
同級生を見捨てるシーンはありえない。原作の彼なら「ここでプレイヤーが減るのは忍びないからね」と言って助けるシーンでしょう。ただのプライドが高い高慢ちきなゲームオタク、というキャラ付けをされていて、非常に不快だった。原作のようなドジもなく、竜王創也と名乗るこの人は誰なんだ?と思う場面がいくつもありました。DOUBLEかな?
エンディング時に同級生と、親指をグッと突き出すシーンがありますが、子供の世界を舐めてるなと思いました。はやみね作品はその辺しっかりしている印象なので、なおさら映画の杜撰さが際立ちました。
補助輪付きの自転車に乗ってきたのは良かったです。
③卓也さんについて
車…こんなに違うの?!というのがファーストインパクト。黒塗りじゃないんだ…。
車種同じは難しいかもしれませんが、似せることはできないのか?オープンカーで護りにくくない?と衝撃を受けました。
創也に「邪魔をするな」と言われた時に、会場から数キロ離れているであろう砦の前で待ってるのも疑問。アホちゃんなの?会場の近くでお護りするのが卓也さんでは?読んでる雑誌、良く見えませんでしたが、保育雑誌に見えず…(テレビ欄に見えました)。
④栗井栄太について
ジュリアスのゴリ押しにびっくり。(玉井詩織さんは全く悪くないと思います)
原作では小6の男の子なので、ポスターとかの顔出しは神宮寺さんが許さないと思うけどな…日常生活に支障をきたすので。
あと二重人格の説明もないので、女装シーンいる?と思いました。後述しますが、全体的に「これやっときゃいいんでしょ」というような形で映像だけ出して、全く説明がない事が多すぎる。取捨選択できないのでしょうか?
1番おかしいのは、プログラミング担当で運動神経も良くはないジュリアスが、卓也さんから不審者の身柄を引き渡されたシーン。いや完全に逃げられるでしょ!そこは柳川さんでしょ、と思わずにいられません。
出番に差がありすぎて、違和感を感じるほど。
⑤謎のピエロについて
恐らく、プランナを出したかった…のかな…?唐突に出てきて、正体を明かされないまま終わったので、何?以外の感想がない。普通に映画を見た人からしたら、尚更だと思います。酔っ払いながら脚本を書いて、ネームのまま通したのでしょうか?
このピエロシーン出すなら、その分キャラを掘り下げればいいのにと思いました。本当に、思いついたまま脚本書いて精査していないんだろうなと思います。
★ネタバレ終わり★
他細かい部分、「そうは言わんだろ」というセリフを沢山言わされてましたね!
脚本を変えて、原作のお話を映画化して頂きたいです。
脚本家の方には、あと100周原作を読んでから仕事して欲しいですね!こだわりを感じられず、本当に原作へのリスペクトがない、侮辱すら感じました。
脚本は星-5ですら足りないです!
もう一生この脚本家の映画、ドラマを見ることはないでしょう。