ラフィキ ふたりの夢のレビュー・感想・評価
全14件を表示
みずみずしく同性愛を描いたケニア映画
2018年作。
ケニア映画として初めてカンヌ国際映画祭に出品された映画です。
ケニア=アフリカの国
まったく知らない国と人々です。
いかにもアフリカと私たちが思い描いているカラフルな色彩。
澄み切った空にアパートに掛けられた洗濯物。
スケボー。路上のダンス。
室内は想像以上に色彩に溢れている。
主人公の2人の若い女性。
ケナとジキ。
ボーイッシュで贅肉0%のスリムなジキ。
ジキとは対照的にむっちりしてるし、顔も派手なケナ。
スティービー・ワンダーみたいなケナの編み髪は、レインボーカラーなのだ。
そんな2人は一眼見た瞬間から恋に落ちる。
ケナの瞳と唇。
ジキの瞳と唇。
2人ともクッキリした大きな目と、たらこ唇を持っている。
ケニアでは同性愛は違法、禁固刑もあり得る。
重たいテーマなのだ。
しかし映像は明るいし、スタイリッシュで可愛らしい。
乙女チックです。
そして、なんと2人の父親は国会議員候補で、対立しているのだ。
2人の恋愛は家族も政治も巻き込んでしまう。
映画は、ケナとジキが暴行を受けるシーンもある。
でもそんなに深刻に殺人が起こったり、警察に収監されたり・・・そんな展開はして行かない。
どこまでも、明るく可愛らしい映画だ。
しかし現実には、ケニアで一般上映は許可されず、市民は観る事も叶わない映画なのだった。
それだけケニアは同性愛への拒否感は根強いのだ。
女性監督のワヌリ・カヒウ監督が脚本も書きました。
「ラフィキ」製作の実現には資金調達を含めて準備期間が6年近く掛かったと聞きます。
ケニア映画としてはじめてカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、
本国ケニアでもたった1週間の上映がやっと実現しました。
そんな困難を感じさせないほど、映画は瑞々しく美しい。
「ラフィキ ふたりの夢」
その明るさに、ケニア映画の希望と可能性を強く感じる。
そして遠いアフリカのケニアの若い女性たちは日本の女の子たちと、
少しも違わないのだ。
(その事に驚く自分にも驚いた。)
アメリカ見たい
ケニア、ナイロビの中産階級のお話。
アメリカの地方都市の様で、まさか、ナイロビ(?)には見えない。ヨーロッパの映画の様で、あまり新鮮さがない。
シェークスピア見たくなるのかと思ったら、そうでもなかったので、折角の設定がもったいないなあと思った。
いいねー
ストーリーもキャラクターもいいなー。ゴシップ親子最初は憎めない奴らかと思ったら結構ひどいことしたね。あれ現実だったら投石で殺されたりするんだろうなと思いました。たまにネットニュースになってるやつなのね、と。ケナのお父さん浮気はするけど本質的に一番まっとうな人間だったな。こういう人が議員になったほうがいいよ。あとこれは絶対だけどジキがかわいすぎるね。バービーちゃんそのものだもの。
アフリカの世紀
カメラがポップでオシャレでした。10年前にケニアマサイマラに旅したことがありますが、マサイ族は身につけているものがカラフルで良く似合っていました。ナイロビは割と普通でしたが。
ケニアは多産の文化なので、セックス=子供を産む為という価値観が強く残っていると感じました。宗教的道徳的な価値観で同性愛が禁忌というよりも、子供ができない、つまり生産性がないから同性愛が悪のようです(日本のお爺さん議員も子供を産まない女性は生産性がないと発言したことがありますが)。
私の感動ポイントが、男性同士ではなく女性同士の恋愛をケニア映画が描いていたこと。先進諸国でもまだまだ女性同士の恋愛映画は少ないですが、今までよりも特に保守的な地域で女性が声をあげられる時代になってきたのだと嬉しく感じます。
マイノリティ
ほんと、国や地域によって差別される人達がいる
悲しくなるよな〜
やっぱ子供の時から教育の一環として、マイノリティに対しての差別問題を取り組まないとダメなんじゃないかと思います
先進国だけじゃダメと思う
それに、親が自分の子を信じてあげられなきゃどーすんの?
子供は所有物じゃない
自分の思い通りにしようとしても
子供を苦しめるだけ
惹かれ合う2人
純粋でとても素晴らしかった!
ケニア映画って何?!て思ってみてみた。昔の自分のあだ名ケニアだった...
ケニア映画って何?!て思ってみてみた。昔の自分のあだ名ケニアだったし。
なんかディティールが「?」なところがたまにあった。映像と音声があってなかったり、突然時が進んだり、、。全然物語には支障ないけど!
色彩がインパクト大!こーゆー色柄好きだな〜チャイハネとかでみるやつ。最近はビームスとかでもたまにみる。黒い肌にバッチリはえてて美しかった。あと色に関していえば、最後のエンドロールのロゴのカラフルさに笑った。流石ケニア!
内容は、ケニアでは世間的な障害の多いレズビアンのラブストーリー。割とゆっくり進んでいく印象。セリフもそこまで多くない。ちょっとボーイズドントクライを思い出す。
家とか狭いコミュニティのしきたりが馬鹿らしく感じること、強い意志が無粋な暴力でねじ伏せられるシーン、噂好きで人の心がないくだらん馬鹿供などなど、性的マイノリティ以外の人も共感できるところはたくさんあると思う。
最後は噂好きの意地悪ババアの噂で心が動かざるを得ないだけど笑まあそれもリアル。
気に入ったのはこんな感じのセリフ⬇︎
誰も私たちのことなんか見てない。
人の目なんか気にしてたら何もできない!
若くて青くて、尊敬できるふたり
音楽も映像もストーリーもほんとうに素敵でした。
特にファッション。ファッションがほんとうに素敵。オープニングもめっちゃめちゃ良かったです。
仕草、ファッション、話す言葉、間などでちゃんと自然に2人のスタンスや性格が理解できます。なので恋に落ちる2人がお互い、自分にない相手の素敵な部分に惹かれたのかなぁとにこにこしました。
狭い価値観に閉じ込められ、それを守れと脅され、守れなければ攻撃される。
理不尽でしがらみの多い世界で「私たちはほかのみんなみたいにはならないって約束しよう」なんて言葉を交わす若い恋人たち、こんなに尊いものがあるでしょうか。
おとぎ話みたいだとしても、こんなに爽快で勇気に溢れたおとぎ話、私は大好きです。
若くたって青くたって馬鹿じゃないぞ。ルールに縛りつけても、そんなものは無意味だとちゃんと見抜けるぞ。という、若者への敬意のようなものも感じられました。
私たちのいる現実世界に存在するLGBTQの映画であり、社会派ラブロマンスの映画です。
「ケニア」という看板を外してみれば
国内“上映禁止”に象徴されるように、かなりの制約のもとで制作された、社会的意義のある作品なのだろう。
ただ、ケニアの事情に知識が無く、かつ、LGBTが深刻な問題ではない自分には、あまり心に響かない映画だった。
2人が仲良くなる下りまでは良かったが、その後の展開が、淡泊だしゴチャゴチャしている。
本来なら作品の中心テーマとして描かれるべきはずの、“禁”を犯すスリルや葛藤、生臭い苦しみや歓びの描写が乏しい。
これでは、「適当に周囲から隠せば、LGBTは大した問題ではない」という印象さえ持ってしまう。
また、LGBTだけで十分なはずのに、“選挙の対立候補の娘たち”という構図を重ね合わせる意義が理解できない。
結局、LGBTというタブーが問題なのか、政治が問題なのか、よく分からなくなっている。
ケニア映画ということで興味深いのだが、「ケニア」という看板を外してみれば、スタイリッシュなだけで、掘り下げの浅い映画にすぎないように思う。
something
英語が分かるのではないが ~something to do?何かしない?とナンパ?して something to real 本物になろうって約束して 恋が始まる……けど その事が何でこんなに酷いのか 正直に生きる事がどれほどのことか? マイケルジャクソンの wanna be startin something 思い出した 何かを始めなきゃ だけど それは乗り越えるに高すぎて くぐるに低すぎて 真ん中で身動きがとれない 痛みは稲妻のよう
二人はもう真実を知ってしまった。 もう自分の魂を騙す事はできない。
話しはLGBTなんて許されない社会での事だが 二人のファッションとか音楽がおしゃれでよかった このような映画ができるくらいだから、ケニアでもLGBTの活躍も目立ってきてるのか と思いきや 国内上映禁止 実際の裁判ではLGBTは有罪という 映画の中の二人同様に監督並び制作側にも勇気のいるものだった…
私に恋してる目だよ
カラフルに溢れる街で生まれた恋と、残酷で頭の固い価値観。嫌な現実。
ラストカットがこの上なく至高。
ボーイッシュなケナとカラフルポップなジキがもうこれ以上なくお似合いで、焦れったくも可愛い恋模様にときめき、胸キュンの嵐だった。
選挙で対立する父親同士というロミオとジュリエット的な設定も悶えちゃうじゃない。
「完全に恋してる目」のケナには私もメロメロのメロである。あんな風に見つめられて惚れないなんて無理寄りの無理すぎる。
スケボーを走らせ、カチャッと止める仕草が好き。その撮り方も好き。
ロマンチックな車の中。
いそいそと準備したのかなーとか思うと愛しくて胸がキュッとする。
成績を見てキャーキャー言い合うシーンが好き。
はしゃぐ二人があまりにも可愛くて。
しかし、彼女と彼女。
その壁はロミオとジュリエットなんかよりも相当に高く厚い。
どこでもいちゃつきたいジキと現実を見るケナ、一緒に行きたいケナと現実を見て従うジキ、逆転の対比が面白くて切なかった。
そして周りの反応のなんと過剰なこと。恐ろしいわ。
「本物になろう。」
好きな人と一緒にいよう。なりたい自分になろう。
慣習や価値観に流されずにいよう。
さまざまな意味が込められている言葉だった。
簡単に言うけど、そうもいかないことばっかりで、どうしようもないもどかしさと辛さで胸が痛んだ。
日本でだって同じこと。
LGBTQを扱った最近の映画の中では、かなり直球かつ大胆に「同性同士」であることの厳しさを描いた作品だった。
ストーリーと構成には拙さや荒削りな部分もあるけれど、ポップに彩った中には鋭く悲痛な叫びが込められて感じる。
それだけ国や世間の価値観の固さ、理解の無さを訴えているのだと思う。
ケニア本国では上映禁止とのこと。
この映画を一番に本国の方々に観て欲しいものだけれど、まずは外堀埋めてこ、ということで日本でも海外でもたくさん上映されて欲しい。
ピンクを中心にした色遣いの映像がとても綺麗だった。髪型もファッションも最高に可愛い。
ビビッドカラーがこんなに似合ってて羨ましいな。
人を好きになるって美しい
ロミオとジュリエットのような運命的な出会いから、お互いの気持ちを確かめ合うまでのもどかしさにキュンキュンしました。
人を好きになるって、こんなにも美しいことだったのか。
好きな人に触れるって、こんなにも心が震えることだったのか。
二人の秘密の花園はとても小さくて、寄り添うだけで精一杯だけど、手作りの愛に満ちていて、お互いを思い合う気持ちがとても神聖に映りました。
教会や町の人々はそんな二人を認めないけれど、ソドムとゴモラ級に乱れない限り、純粋に人を愛するという行為を神様が禁じるとは思えない…。そんな気持ちが芽生える程、素晴らしいシーンでした。
『ムーンライト』が青なら『ラフィキ』はピンク。
とても素敵な色あいが印象に残る映画で、ポップでキュートなオープニングに続き、まず目に飛び込んできたのはピンク色のビル!
カラフルな街並みに驚かされます。
灰色だらけの日本と違って、こんな色彩豊かな街で育ったケニアの人々は、どんなにか豊かな心と感性を持っていることだろう!!
と思いましたが…意外ととっても保守的。
教会に通って神の教えを守り、女は家を守るもの。
離婚したシングルマザーも非難の目で見られるようでした。
トークゲストのブルボンヌさんのお話しによると、2019年5月にケニアの高裁は改めて、同性愛行為は犯罪だとの判断を下したそうです。
ちなみにスーダンでは死刑(゚д゚lll)
そんなケニアで女性の監督によって撮られた本作は、国内では上映禁止。
海外の映画祭へ出品する条件を満たす為に、かろうじて1週間の特別上映が許されたそうです。
ケニア映画として初めてカンヌ国際映画祭ある視点部門へ出品。ベネチア国際映画祭でもチッタ・デ・ベネチア賞を受賞。
その他の映画祭でも数々の賞に輝いているので、アカデミー外国語映画賞にもノミネートされるかもしれませんね。
宗教や文化の問題でもあるので、他国の価値観を押し付ける事は出来ませんが、それでも暴力を受けたり命を脅かす現状にはNOと言いたい。(T-T)
この映画をきっかけに、海外からの声が少しでも届いて欲しいと祈ります。
私の場合やっぱり親目線で見てしまうところがあり…。
父親は選挙戦のライバル同士ですが、生活レベルも違えば、娘に対するスタンスもとても対照的に描かれていました。
そして、女親の勘が鋭い!
娘の変化にいち早く気づきます。
私はかなり鈍感な親なので気づかないかもしれませんが(^-^;
確かにケナには、隠しきれない幸せオーラが滲み出ていて、そんな姿が可愛くて可愛くて。思わず私もニヤついていました。
そんな娘の初恋を応援してあげたい気持ちはあるけれど、愛を取るか?身の安全を守るか?の選択に迫られるなんて…。
それに噂話がすぐに広まるような狭いコミュニティで、シングルマザーの教師として世間の目に苦労しているケナの母親の立場なら、ヒステリックにならざるを得ないのかもしれない…。
様々な思いがよぎる映画でした。
全14件を表示