オルジャスの白い馬のレビュー・感想・評価
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西部劇的な
カザフスタンの下にあるウズベキスタンを旅したことがあるので、興味があって鑑賞しました。この辺りの文化を映し出した作品はあまりないので貴重です。馬がいるとどうしても西部劇的な感じになるのかな?森山未來が素敵でした。
カザフスタンの景色が主人公
森山未來が出てくるまで眠いの。「カザフの景色きれいだなあ」と思って観てるんだけど、動きが少ないから眠くなっちゃうのね。
森山未來でて来るあたりから、物語に動きが出てきて、目が覚めんの。
台詞が少ないのが良いんだと思うんだけど、感情の動きが、なんとなく解っていいの。気付かないけど、視線とか、こまかな演技が入ってるんだろうな。
最後の方は西部劇っぽくまとまって、ラスト直前の「夢なの? 夢じゃないの?」って感じも良いんだよね。
カザフスタンの景色が主人公という感じで、削ぎ落とされたストーリーが淡々と描かれてて良かったな。
8年もの間、何してたの?
夫をなくした女を、村の女は「疫病神」だという。
突然フラリと現れた男は、刑務所に入っていたという。
少年オルジャスは、その男の子供だという。
とると、オルジャスが生まれるか、生まれたかの頃に、男は女の前から去っていったのか。
犯した罪はなんだろう?
おそらく、村を巻き込んだ騒動があった。男は、その罪を負ったのだ。
おそらく、女に告げずに去った。だから、服役の事も知らず、拒んでいた女がそれを聞いてやや心を許したのだ。
おそらく、それは女を守らねばならぬことだった。そして、友人に後を託したのだ。
そこまで想像を膨らませたとき、止めどなく熱いものが胸に込み上げてきた。
犯人と対峙した時の度胸と冷静さは、すでに一度、似たような経験があるからこその手際良さか?
黙ってまた去っていくラストは、今度も女に(そして息子に)類が及ぶことを避けるためか?
なんか、カイラート、てか森山未來、カッコいいじゃないか。
まるで往年の時代劇か西部劇のヒーローみたいだ。
あれ、この映画、こんな短かったのか。それを感じさせない中身。お見事。
で、何やらかしたの?
鑑賞に際し出来ればあらすじも頭から消して起きたい、少なく共ネタバレオンパレードだから事前に公式サイト見たらダメなヤツ。
幸い忘れっぽい自分は、馬を売りに市場へ出かけた父親が帰らず、代わりに訪れた来訪者と共に出かけて行く母親というあらすじと、森山未来出演のヒューマンドラマということのみが頭にある状態で鑑賞。
カザフスタンの田舎の村の外れで暮らす馬飼いの父親とトマト畑で働く母親に、推定10歳ぐらい?のオルジャス少年と二人の妹という5人家族の物語。
頭にあらすじが入っていなかった自分でも、何が起こるかが読めるわかり易い導入。
かなりキツい立ち上がりだけど、その後の様子に悲愴感や絶望感は殆ど無く、何故か淡々と進行していく。
いよいよ森山未来が登場したら、唐突なぶっ込みが入るし、終始の急展開。しかもあっさり。
まぁちゃんと振りもあったし、判り易いしテンポも良かったし、更にはオルジャス君の心情とかもちゃんと描かれていたし。
呆気ない感じは否めないけど、個人的には嫌いじゃないかな。
まさかこんな話とは(笑)
ネタバレ満載の予告編も公式サイトも、事前に見るべきではないだろう。
自分は予備知識がないままに、カザフスタンの「広大な大地と、そこに生きる人々」の映像に期待して観に行った。
始まってすぐに、期待通りの映像が出てくる。
地平線が見えそうな大草原と、万年雪を頂く高山。湖畔では馬がいななき、女子供はトマト畑に収穫に向かう・・・。
出発前に「アーメン」と祈り、葬儀では「アッラーは偉大なり」と唱えるのは、よく分からなかったが。
だが、この映画は、そういうエスニックでドキュメンタリー的な作品では終わらなかった。
突然の事件。謎の男の来訪。ワケありの男と女。
舞台は、ネットも携帯電話も普及していない1990年代。ロケ地は、中国との国境付近らしい。
実際の事件をモチーフに描かれたらしいが、過激なシーンはNGという制約が、むしろ良かったのではないだろうか。さわやかな仕上がりである。
「平原」と「馬」と「銃」があるところには、世界中どこでも、“西部劇”が生まれるらしい。
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