映画大好きポンポさんのレビュー・感想・評価
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オタクに向けた感動ポルノ
引っ越しのバイトを1日で逃げ出したオタクが、布団のなかで考えたサクセスストーリー的な内容で、登場人物全て良い人、ご都合主義全開の展開、「バイトから逃げたけど、僕は悪くない」と呟きが聞こえそうだが、いやお前が悪いから
ともかく、引っ越しのバイトは体力に余程自信がない限り避けた方が無難である。
ただ、同じ日に観た「閃光のハサウェイ」と言う凡作アニメより数段面白いのは確かである。
いつも思うが、アニメでシリアスな演技をしたり、激しい戦闘を描いても、しょせん絵なんだから意味がない。
観客を話に引き込む事とリアルな描写はイコールでなく、それはそれ、これはこれである。
嘘をつくのが下手な言い訳が、リアル描写になって何年たつだろう。
その点「ポンポさん」は、アニメ調全開のリアル描写ゼロの映画だが、話に引き込まれたし、アニメーションを見る楽しさに溢れた作品だった。
昔似た様な妄想したなと、苦笑い半分、照れ笑い半分の微妙な表情で映画館をあとにするのも、たまには良いだろう。
今もしてると言う人は、そのうちポンポさんが後ろ席に座っているかもしれない。
わたしも映画大好きせつこさん。
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天才映画プロデューサーポンポさんの元で働くジーンが、ある新作映画の監督を任され映画を作る話。
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映画オタクとしてはもうこんな映画大好きなんてタイトルつけられたら見に行くしかないんですけど、今作どっちかと言うと映画ファンよりそんなに映画に興味無い、人生を変えるような映画に出会ったことない人に見て欲しい。
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映画の魅力をジーンがベラベラ喋ってくれるので、めちゃくちゃわかりやすい映画の指南書という感じ。例えば、カット割りの工夫とか映画は色んな人が一緒になって作ってるんだよっていうのがも説明されてたり。
私は、ジーンと映画内の主人公アリアが重なっているのを視覚的に表現してるシーンが好きだった。映画って監督の超個人的な話なのに観客1人1人がこれは自分の話だ!ってなるものなのよね。そこが良いの。
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ただ、この映画内映画が全く面白くなさそうなのが問題(笑)実写ならこういう話沢山あるし、それがさらに有名俳優がやってれば見たくもなるかもしれないけど、この話をアニメでやられても別に興味ない。
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あとは、ちょっと銀行のシーンもわざわざあの場を世界に配信しなくても最初からネットに公開するだけで良いと思うし、編集の時に女優にそばにいられるの絶対邪魔だろとか思っちゃった(笑).
全ての人に刺さる
素晴らしかったです。クリエイターだけじゃなく、どんな職種の人にも刺さるとおもいました。途中から「霧島部活やめるってよ」とかぶってきて、主人公が神木くんで銀行の営業の人が東出くんと重ねてしまった。
特に自分はものづくりの仕事をしているので、ここまで情熱を持って仕事しているかと自分を見つめなおしてしまう。
編集という地味な作業をめちゃくちゃスリリングにみせる演出はアニメじゃないと出来ないシーンで震えた。もっとみんなに観てほしいです。
ジーン君は日本人?
映画が好きな方には言うことない作品ですね。
私も期待大で観に行きました。
が、その中で一つだけ違和感が。
それは、それは、君のことだよジーン君!
君はどう見ても日本人じゃないか(^o^)。
他のキャラは、名前に合ったキャラデなのに、君だけ浮いているよ。
目の下のクマが更に日本人っぼいし。
え?ポンポさんも違和感爆発のキャラじゃないかって?
いえいえ、彼女は存在自体がファンタジーだから問題ありません。(^_^;)
危なかった…
コロナの影響で映画館に行く習慣が完全に途切れてしまいスクリーンで映画を見なくなっていた。
そんな中、重くなってしまった腰を上げ辿り着いたがポンポさん。
キャラクターデザインが足立慎吾さんということでマークしていたがあと少し腰を上げるのが遅れていたら見逃していたと思う。危なかった…
感想はパワフルファンタジー映画制作映画!!!
とにかくパワフル!!!!とんでもない密度の作画にぶっ飛んだ演出!!そこで流れる素晴らしい音楽!!!!
これはアニメでしか見れないファンタジー!!!!
なのにキャラ達がぶつかる問題は妙にリアルで感情移入しまくり
バランスタイプでパワータイプそんな映画だと思いました。
あぁ…スクリーンでみる映画ってこんな幸せなんだなと再認識させてくれたポンポさん
とてもエネルギーを貰いました。
確りと映画の製作を描いているスマッシュヒットな作品です。
以前から気になっていたのと、観た人の評価が高い事もあり、タイミングが合わなかったんですがやっと鑑賞しました。
で、感想はと言うと、うん。結構面白い。
大傑作!とまでは行かなくても、映画の製作工程を丹念に描かれていて、アニメーションの特性を活かしながら確りと「見せる」事を意識されています。
原作ありきの作品なので、ビジュアルはコメディチックですが、内容は結構シリアス。
ビジュアルで少し損をしている様にも感じますが、観るとそのギャップさにやられる感じが良いですね♪
年齢不詳で敏腕映画プロデューサーのポンポさんが主役かと思いきや、確りと縁の下の力持ち的に扮しているのが良い。また主にB級映画をプロデュースしていると言うのも素敵♪
ポンポさんのアシスタントで「目の輝きがない」ジーンが一応主役で、監督に抜擢され、様々な人達の力を借り、作品を作り上げていき、その間にアクシデントもありでテンポも良い。
ただ、確りと描かれている割に「ん?」と思うところもあったりします。
ポンポさんの下でアシスタントとして働きながら、映画監督を目指しているジーンが予告編の編集を任されてから、新作映画の監督に大抜擢されるまでの行程がちょっと早過ぎ。
プロデューサーのアシスタントなのでAPではありますが、監督になる行程は助監督から始まるかと思うんですが、それもすっ飛ばしていきなり監督ってどうなんでしょうか?
実績もない者がプロデューサーの肝いりで監督に抜擢はかなり周囲との軋轢を生むと思うんですよね。また周りの手助けがあったにしても、撮影がサクサクと進むのを見ると「映画好きと言うだけでなんでも対応出来るようにも感じるし、映画関係者は殆どが映画大好きな人たちじゃね?」と思うのは野暮なんですかねw
また、監督に抜擢された途端に帽子を被り出すのも、急に色気が着いた感じでなんか鼻につきますw
それと同じようなのがヒロインに抜擢されたナタリーにもなんだかな〜な感じがする。
女優を目指して日夜奮闘しているとは言え、上京してからアルバイトが週7日で演技レッスンは2週間に1回。と言うのは少な過ぎて「ホントに女優になる気あるの?」と言いたくなるw
生活の為にアルバイトに明け暮れると言うのはダメではないが、「演技レッスンはほぼ毎日でレッスン日を稼ぐ為に寝る間を惜しんでアルバイトと両立している」と嘘でも言って欲しかったかな。
ポンポさんの当て書きでヒロインに選ばれたにしても、その理由があまりにも不明瞭。
またミスティアの付き人として演技の勉強をさせるにしても、付き人としての責務を果たしていない感じでちょっと足手まといな感じもチラホラw
後半の活躍がちょっとフェードアウト気味なのも気になるw
ジーンが編集作業に苦戦し、追加撮影を言い出してからが怒涛の展開になって面白いんですが、全体的に映画業界の闇とかアクの強さとかが少ないし、みんな良い人ばかり。
なので、この辺りがどうにも学生演劇的なノリに感じるんですよね。
もう少し、ワガママでアクが強くても、個性的で映画の才能に溢れたキャラがいたら良かったかなと思います。
ホンワカした絵柄に口当たりはまろやかでも、セリフの一つ一つは名言や金言が多く、色々と突き刺さるだけに惜しい。
俳優をキャスティングしているのもそんなに気にならないが、本職の声優とのちょっと演技の温度感的な差は感じるかな。
映画を観る中で色々と知らない事や知っていたとしても気づかない事もあるので、この作品で映画を観る楽しさを倍増出来ると思うだけにちょっと惜しいのが惜しいんですが、個人的には割と「当たり」な作品かと。
映画が好きで、映画製作に興味のある方なら、是非如何でしょうか?
意外と真面目な映画だったw
絵柄からコメディ系の映画かな?と思っていたら、意外と真面目な映画でしたw
絵柄と内容にギャップがあるので、最初は戸惑うかもしれませんが、凄く面白かったです。
ただポンポさんの理想である90分の映画が理想というのには、異議あり!
私の理想は120分以内で、体感90分の映画こそが理想の映画だと思います。
この映画に「も」決定的に足りないものがある!
6月のアニメ映画と言えば毎年密かに楽しみにしているものがある。
ゴールデンウィークと夏休みの谷間。
行楽シーズンとは全くの無縁のどんよりとした梅雨曇のさなか。
いつしかこの時期の個性的な作品が密かな楽しみとなっている。
大型タイトルを避けるように粒ぞろいな秀作が集まるのもこの時期。
「ポンポさんにおまかせ!」そんなキャッチーなセリフとインパクトのあるキャラで予告編を見ただけで期待が膨らむ。
まさに雲の隙間から一筋の光のようにひときわ異彩を放つ作品である。
ムビチケと特典を手に入れ小雨降る中映画館へと急ぐ。
見終わった感想としてはとてもいい。
いい映画を見たな、見てよかったと思える作品だった。
興行的にも満足の評価が得られたのではないかと思う。
以下戯言。
ポンポさんから映画のうんちくを聞けたのはよかった。キャラとしては最高。こんな貫禄のある女の子が男顔負けに映画を語るのはアニメ特有の表現である。
しかし見終わった後ふと疑問に感じることがあった。
主人公は誰。
ポンポさんが映画を作るのではなかった。あくまでも「プロデューサー」。
物語を動かしたのは監督となったジーン。そして銀行屋のアラン。
この二人の活躍でハッピーエンドを迎えている。
監督として様々な困難を乗り越え、作品に情熱を注ぐジーン。
冴えない青年として頼りない一面がありながら、日々の努力は怠らない。好きなものには徹底的に取り組むタイプ。
このキャラ作りはとてもいいと思う。しかし、彼の才能を目覚めさせるきっかけが乏しい。
そのトリガーとなるのが主人公であるポンポさんの役割ではないのか。
そして彼に触発されて後半の美味しいところを全部持っていったアラン。
彼もまた勉強はできるが仕事ができないという欠点を持つ。会社に失望し仕事を辞めようかとすら考えていた彼がいきなり大仕事をやってのけるのも、本来はポンポさんがきっかけとなるべきだろう。
編集メイン。
銀行屋メイン。
ポンポさんはあくまで脇役
こんな絵面で、肝心の主役が誰なのかわからない。
どうしても角川が作るとオタクのコンプレックスみたいなものが前面に出過ぎてしまう。冴えない青年、仕事に悩む青年、うちの視聴者層はこんなタイプのオタクが多いだろうから、そういった人間が活躍する話にすればウケるに違いない。そう思ってはいないだろうか。
王道でいいのに。
冴えないオタクキャラが輝いて世に認められる、それはそれでいいし努力が報われるのは悪い気分はしない。しかしあくまでも脇役キャラが前に出すぎてしまうと物語のメッセージが変わってしまう。
あくまでもポンポさんが主人公で、ジーンが行き詰まってしまうところを喝を入れるとか、銀行を回って資金を集めるとか、ポンポさんに触発されて周りの人が変わっていく様がこの物語には必要なのではないのか。
せっかくこれだけカリスマ性のある輝いているキャラクターなのに、どこか霞んでしまったのがとても残念。
彼女はきっかけを与える重要人物でないと。
幼い女の子が世の中を動かす超ミラクルを起こす、というのが私の求めていたもの。
もちろん初監督に抜擢したジーンがいきなりアカデミー賞というのはミラクルである。しかしそこには彼のたゆまない努力の賜物であってポンポさんは存在しなくても変わらなかったように映る。
このシーンがなくても成立するんで……
むしろ映画が失敗してもみんなが頑張ったからよかった、みたいな展開でもよかったのでは。
この作品には決定的に足りないものがあるんです!
これはメタフィクションなのか。
とてもいい作品だと思ったが、これではジーンとアランのBL物語になってしまう。
とても恵まれたキャラクターから残念な脚本という、少し悔しい思いが残る作品だった。
映画は90分!
幼女プロデューサーのポンポさんなんて、地雷臭がプンプンしましたが、映画愛溢れる作品でした。
劇中映画も、多分良いできなんだろうな~という説得力があり、映画製作の楽しさと狂気が良く表現されていました。映画好きでアニメが苦手でなければお勧めです。
90分のチカラ
普段あまりアニメ映画は観ないけど、今まで見た中では断トツでおもしろかった。
リズミカルでシンプルなストーリー展開で最初から最後まで1秒たりとも無駄なシーンがなかった
そうか、これが90分のチカラか。
前々から個人的にも短い作品を好んでいたのは、少なからずポンポさんのセンスが自分にも宿っていたということで笑
72時間のフィルムを切って切って、それでも溢れてさらに切って極限まで削ぎ落とした90分。
人においても72年間の生涯のうち、その人として本当に輝いてる時間は18ヶ月しかないのかもしれない。
レビューを長く書けば書くほどこの作品を汚してしまうような感覚にさえ陥る為、最後に一言。
もれなく映画館で観てほしい。
以上。
モノ作る人の地獄と天国を
原作漫画をどこかでチラリ、読んだ程度。
いわゆるお仕事モノだと思われるが、
やはりモノヅクリ、それも映画となれば特殊だ。
そのアートな側面とビジネスとしての側面と、個人の能力とチームの力を
苦悩と成長の物語として
本当に分かりやすく、そしてエキサイティングに仕立てた作品だった。
これは「物語を作る人」ならまずもって、見るべき。
キャッチーな外見だからこそ耳にするり、と入ってくるポンポさんの名言は聞き逃せない。
(おそらく外見がオジサンだったらば高圧的、上から目線ばかりが強くなったに違いない)
初監督に縮み上がりながら奮闘する主人公には共感の嵐が吹く。
(私は監督する予定はありませんが)
中でも一番胸アツだったのは、編集パートだろうか。
選ぶということは、大事なもの以外を捨てること。
捨てる作業が編集なのだ。
それまでの情熱をここで一気に冷やし、
論理的に進める作業に宿る確信こそ、作品へ魂を吹き込む。
それにしても「バクマン」もそうだったが、
監督を務めた主人公はここでも大詰めで倒れている。
命を削るほどだからこそ、素敵な作品が出来るのかと思えば
見る方としては切ないな、と思ってみたり。
そして作中のセリフには監督、庵野さんがかつておっしゃっていた言葉とも被る所が多く、
そちらもやはり、と思ってしまった。
追記
のち、ピクシブで公開中の原作を読む。
スキだと上げた編集パートのほとんどが原作になかった。
(他にももうワンシーン、明らかにない部分がある)
後付けにもかかわらずそこが一番、アツかったというのは、
まさに映画化して「勝った」のだなぁとしか思えない。
アッパレ。
おしいんだよぉー!
そうですねぇ。
前半あんまり面白くない。中弛みがある。
後半は同級生の銀行員君が仕掛けてからがずっとストーリー楽しめた。
90分にまとめたのはいいのですが、なんかこうパッとしない映画なんですよね。
演出はとても綺麗で素敵でした。
しかしキャラ達がこうなんていうか生かされてない感じが微妙でした!
ヒロインの女の子もなんか凄い事をしたのでもなく
本を拾っただけの同級生もいきなりでてきて活躍し始めるしなんというかもっと過去の話とかあればまた面白い話になったかもしれないです。
何も内容を見ないで見に行ったので最終的にはなるほどとなりましたが一度見たらもういいかなぁ?という感じでした!
良かったところは音楽がどれも良かった!
あの作品に合ってました!早速ダウンロードしようとおもいました!
『切る』ってところの演出とキーボード打って編集しまくってるシーンと友達が銀行員と戦ってる所が良かったなぁ!
なんかポンポちゃん明るく元気でいいんだけどもっとこうガーっと意外性なキャラだったら面白かっただろうなぁー。
と偉そうな事語ってますが映画見た後そんな気分でした。
後半は良かったです!
キャラデザインとストーリーがチグハグ(T_T)
足立さんのキャラデザインがカワイイく、周りの評判も良いのでもしや… 掘り出し物?と思い観に来ましたが。
ストーリーとコミカルなキャラデザインがチグハグでストーリーに集中出来ず。
まずポンポさんが天才プロデューサーのデザインじゃ無いし、主要キャラのみアニメ顔で他はリアルな顔、TVならまだいいけど…
ストーリー自体も当たり前の方向にしか進まず意外性も無い。
映画館で観るほどの物ではありませんでした。
『映像研には…』的な制作ハウツー物にしたかったのかな退屈だった。
90分しか経ってなかった
制作現場を描いたアニメは、SHIROBAKOや映像研が思い出されますが、それらとはまた異なる感覚。
テレビシリーズなしの映画だけで魅せるキャラクター.
本編でもかなり力説されているメッセージ性、
没入感を上げる、アニメならではの特殊演出、
アクセントとなる主題歌、
そして何よりも、映画と作内映画がリンクし、さらに自分にも語りかけてくるような、不思議かつゾクゾクする感覚がたまりませんでした。
これらを90分で表現しており、タイトルに恥じない完成度でした。
今まで、2時間があっという間だった、という映画はあっても、これだけ満足して90分しか経ってなかった、という映画ははじめてでした。
今年見たアニメ、映画のなかでも、お気に入りになりました。
映画好きにはたまりません!
当初、ノーマークでしたが、気付いてすぐ予約しました。
とても面白かったです。
新人監督、偉大な脚本家、大物俳優、新人女優、銀行員とみんな大活躍でした。
映画を造る楽しさが伝わりました。
映画好きの方は、是非ご観賞ください。
誰のために作る。誰のために働く。その中に君はいるのか。
まずよく出来た映画だった。先日観たシンエヴァとの比較は適切じゃないかも知れないが、シンエヴァと同じ位良い映画だったと思う。
90分位の上映時間とは知ってたがそこにも意味があるとは思わなかった。なのでこのストーリーで90分以上はあり得ない。90分縛りでよく構成された映画だと思った。ホントに90分で終わったのかと思うくらい濃密な鑑賞体験だった。155分の映画と同じ位の充実感があった。
その要因の1つは劇中映画の充実感だったかも知れない。
アニメだから出来る表現が劇中映画と本編をうまく融合させていたし効果的だった。何に感情移入しているのかわからなくなる妙な効果が面白かったと思う。
後半に差し掛かる頃に「誰のため」という課題が突きつけられる。皆が監督と映画の為に働いているという事、それに支えられ映画を作る。しかし監督は最後に自分のエゴ、つまり自分の為が全面に出る。さらに展開しそれはポンポさんの為でもあるという、苦悩の奥の奥をすんなり受け入れることができた。
ラストシーン、やはり最後のセリフは大事だと感じた。授賞式、プレゼンターの質問に対する回答は、こう答えるかと思ったものよりハマるセリフだった。
更にエンドロールの最後の制作会社ロゴもニヤっとさせられた。
この映画の面白さを引き立てたのは映画を作る裏側をソフトに表現した事だろうと思う。奔放に見えるポンポさんが予算やスポンサーの事で苦悩する。それでも監督の意向に沿いたい。タイトルからここが本筋では?と思うくらいよく出来た表現だと思う。
ジーンの映画作り、ポンポさんの映画作り、劇中映画Meisterの3本をまとめて観たような充実感がこの映画にはあった。まさかの今期最良作。多くの人に観てもらいたい映画です。
(パンフレットにキャスト、制作陣の好きな映画コーナーがあるのもイイ!)
リアリティレベルの調整は見事
武道や芸事など「道」の修行において、我が国には「守破離」という言葉がある。
習い始めからそこそこ出来るようになるまでは「守」
先達が作り上げてきた「型」を守る事こそが効率的な最短の学びを得られる。
かろうじて、それなりの仕事が出来るレベルになれば次は「破」だ。
型を破ることで、様々な応用や試みを自在に利かせられるようになっていく。
プロを名乗れるのは、せめて「破」に到達してからだろう。
そして、数多のプロの中でも「一流」と呼ばれるレベルになる一握りの人間は「離」の段階に到達する。
型を離れ、完全にオリジナルの新たな流派を切り拓いていくのだ。
※(この先、酷評してますので、本作が気に入った人は、ここで読む事をやめるのをお勧めします。)
本作では、ポンポさんの台詞を始め、印象深いフレーズが多数登場する。しかし、それらはあくまで「守」の話である。
最近、明らかに「離」のレベルにある優れた作品達に対して「映画を知らない駄作」「王道を外し、捻り過ぎ」「セオリーと違う」と酷評するレビューを多々見かける。
守の型を振りかざし秀逸な映画作品の価値を貶める若者が、本作によって今後、益々増加したならば、その功罪は相半ばすると言わざるを得ない。
(しかもね。ポンポさんは全部が全部、正しいという訳じゃないよ?結構、独善や暴論も入ってるよ)
博識なレビュアー様が書いておられたが、ニューシネが嫌いなシネフィルがいるだろうか?(反語)
とすれば「90分」は鵜呑みにしてはいけないのだよ、決して!
(もし、原作者や監督が「本気で」90分に拘っているのならば、語るに足らん。一応、本気ではないだろうと良心的に思っておくけどね。
究極・至高への道はもちろん「ギリギリの限界まで削ぎ落とす」事で生まれるが、それは断じて「90分に収める為」ではない!)
素人ならばともかく、この映画を名作などと呼ぶプロレビュアーの評論は信頼が置けない。
星は辛くつけたが、もしも対象年齢が高校生・大学生以下限定であれば星4にしても良いかもしれない。
まぁ、NHK教育の「はたらくおじさん、映画を創る人々」ってとこだな。
(ジェンダー絡みで、→はたらくひとたち→みんなのしごと、に変わったんだよな)
学生の映研や、或いは大人でも盆と正月、年に2回くらいしかシアターに足を運ばない人達なら面白く鑑賞出来るかな?とは思えた。
本作で、唯一、褒められる点は「リアリティレベル調整の見事さ」であろう。
キャラクターは皆、基本的にリアリズムに寄せた描き方をされているのだが、ポンポさんだけが非常にアニメチックな非現実的キャラであるところがミソだ。
基本的にこの作品は面白くなる要素を悉く外している。キャラクターは深掘りされる事なく非常に記号的で魅力がないし、ご都合主義的過ぎるし、トラブルの予兆もないのでスリルもカタルシスもない。
だから、もしもとことんリアリズムに寄せて描いたとしたならば、多くの観客がこのようなノイズに気付き、違和感を覚え、評価を下げるだろう。
ところが、ポンポさんというキャラのみを「非現実的」に設定しておく事で、作品全体のファンタシー要素が強くなり、ご都合主義や予定調和も気にならなくなってしまうのだな。
実写に比べ、始めからリアリティレベルの低いアニメ作品は、リアリティレベルを上げる方が名作の評価を得られやすいが、本作は敢えてリアリティレベルを下げる事で、作品全体に生じる不協和音や至らない点をカバーしてしまっている。
美味しんぼに登場するハンバーガーの話ではないが「バンズのレベルが、パティのレベルに見合わず、かつ、バンズレベルを上げる事が出来ないならば、いっそパティのレベルを下げた方が、完成したハンバーガーとしては質が良い」という好例だな。
(誤解無きように補足しておくが、リアリティレベルは高ければいいってものでもない。高過ぎるとかえってアートに寄ってしまい、理解を得られにくくなる場合もある。重要なのは「バランス」だ。)
もし、この効果を原作者が「狙って」行ったのだとしたら、そのセンスは賞賛すべきだが、でも他の部分を見ていると「偶然、まぐれ」の結果という気がしないでもないんだな。まぁ、凄い事は凄いので、星一つ増やして2にしようと思う。(U-22じゃないからねぇ)
「90分」について言いたい事は山ほどあるが、2つだけに絞る。
まず「人間の集中力」というのはあくまで平均を指し、鑑賞者のターゲットを非常に広く取った場合。つまりA級映画の話になるが(本来のハリウッドにおけるA級、B級区分の話であって、日本でなんとなくB級グルメなどと使われるような格付けの意味ではないよ)ポンポさんが、これまで好んでB級作品と関わってきた事実と矛盾する。B級作品ならばこそ短尺・長尺に拘る事なく、もっと自由な表現が可能になるはずだ。
また「映画の中になるべく浸っていたい」「長ければ長いほど映画の中にいられる」という感覚もよくわかる。ニューシネ好きのジーンが「MEISTER 」を「90分だから気に入っている」というのは、どうしてもピンとこない。まぁ「ポンポさんが好むもの」を作ろうとする心情はわかるがね。
そもそも、原作そのものが90分も必要としないだろう。アランの絡み、要らんと思うし。削ぎ落とすんじゃなくて、無駄に引き伸ばし、引き伸ばししてるんじゃ、90分ピッタリに作るのも簡単だよなぁ。
削ぎ落としがクライマックスならば、いっそ45分程度に仕上げてもらいたい。
3月に観た「ネズラ1964」は53分だったな。「ダンボ」の64分も極めて優れた削ぎ落としだぞ。2歳児の集中力にはちょうど良い。
本作もそれくらいで充分だろう?
ともかくも「守の型」ならぬ「ポンポ節」に固執する「映画大好き」さんが増えない事を祈るよ・・・
ポンポさんは意外にアウトサイダー気質で○
ポンポさんの名監督のお爺ちゃんはプロレスも好き。ジーンに不沈艦スタン・ハンセン君か?とか、ロードウォーリアー・ホークとアニマル君か?とかムダなボケが好き。40年前のことはよく覚えている人間はほっとする。
ポンポさんの「青春時代を忸怩たる思いで過ごした目の死んでる奴がいい映画を作れる」とか、ポンポさんのそういうアウトロー的なセリフに萌え~
銀行員は嫌いだけど、アランのプレゼンに瞼がじんわりしちゃったよ。偉そうな役員がエビデンスを示せとか、自分じゃなんにもやらないクセに言いたいこと抜かしやがるのに対して、SNSの👍の数やクラウドファンティングでの集金額を示して、かましてくれるところがスッキリ。SNSのそういう利用の仕方はすごくありだね。あっぱれ❗
初監督のジーンが足りないシーンを取り直したいという勇気とポンポさんの男気あるセリフに泣けた。入院して、最後のほんの少しだけでも他人に任せたら、俺の作品ではなくなってしまうという気持ちに泣けた。
全271件中、121~140件目を表示