「映画作りのエッセンス満載」映画大好きポンポさん odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
映画作りのエッセンス満載
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私も映画が好きだからタイトルに惹かれて鑑賞、アニメだから子供向けだろうとあまり期待していなかったのだが、観てびっくり、夢追い人への応援歌というコンセプトも好感が持てるし、映画作りの醍醐味、難しさの要素がびっしりと詰め込まれ、登場人物もセリフも良いし展開も映像も素晴らしい。
ジーンが主役と思っていたら金髪でイケメンのアラン登場、銀行員だと後で分かるが嫌な予感、案の定、映画のスポンサーがおりて資金不足、アランが助けるだろうと思ったら上司は反発、ネットを使った説得の様子も実に上手い、ナタリーに演技を教える大女優のミスティア、本来なら素人のナタリーでなくミスティアが出るべきと思ったが追加撮影で参加と納得、新人とベテランの織り交ぜ方、伏線の張り方、気の持たせ方が実に上手いですね。
役者ばかりかスタッフも大切、「映画はみんなで作ること」というポンポの名言、また、編集が大事で大変と言うことも納得、特に監督自身の編集ですと苦労してとったカットは切るに切れないだろうというのも分かります。本作のように尺が過剰なほど撮った上に追加撮影とは新人監督故の失策ですね。本作の監督平尾隆之さんは編集はベテランの今井剛さんに頼っており、絵コンテの段階で意思疎通を図っているとのこと。
タイトルのポンポさんは名プロデューサーぶりを発揮していましたが本作の製作プロデューサー松尾亮一郎さんも名作「この世界の片隅に」をプロデュースした巨匠ですからこの手の映画製作の舞台裏を創らせるのには打って付けだったのでしょう。
ニャリウッドとかニャカデミー賞とか猫語のようなおふざけはアニメらしいですが中身は映画作りのエッセンスが詰まった傑作でした。
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