「ごめんなさい無理です」映画大好きポンポさん フレンチクローラーさんの映画レビュー(感想・評価)
ごめんなさい無理です
この映画、原作を映画の体裁にするための試みが大体滑っている。起承転結のあるサクセス・ストーリーの展開部分に説得力がない。困難の提示>解決のプロセスを、登場人物の「僕は映画が好きなんだー!」(ここでJPOPがガンガン鳴り響いて、画面が七色になったりする)という絶叫演出だけで済ませてしまうのは、物語性を馬鹿にしていると言われても仕方ない。アニメーション専門学校のCMならこれで十分、しかし映画であれば語るべき物語があるはず
作中、主人公の心境と劇中劇を重ねる演出に結構な尺が割かれているが、こういった技巧的な事をやる前に基本をちゃんとしてほしい。またアランという映画オリジナルキャラクターがストーリー上のわかりやすい粗になってしまっている点も残念。想像するに、脚本を兼任している監督が文芸面に関してあまり明るい方ではないのではないか。アニメーター出身監督や演出屋監督が陥りやすいパターンだと思えば、この映画の全体像に合点がいく
ポンポさんという超常的なキャラクターを中心に据えている分「何でもあり」な筈なのに、それでも許容ラインをはみ出してしまう杜撰な作劇。映画大好きな私としては、これを好意的に評価するのは難しかった
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