「確りと映画の製作を描いているスマッシュヒットな作品です。」映画大好きポンポさん 松王○さんの映画レビュー(感想・評価)
確りと映画の製作を描いているスマッシュヒットな作品です。
以前から気になっていたのと、観た人の評価が高い事もあり、タイミングが合わなかったんですがやっと鑑賞しました。
で、感想はと言うと、うん。結構面白い。
大傑作!とまでは行かなくても、映画の製作工程を丹念に描かれていて、アニメーションの特性を活かしながら確りと「見せる」事を意識されています。
原作ありきの作品なので、ビジュアルはコメディチックですが、内容は結構シリアス。
ビジュアルで少し損をしている様にも感じますが、観るとそのギャップさにやられる感じが良いですね♪
年齢不詳で敏腕映画プロデューサーのポンポさんが主役かと思いきや、確りと縁の下の力持ち的に扮しているのが良い。また主にB級映画をプロデュースしていると言うのも素敵♪
ポンポさんのアシスタントで「目の輝きがない」ジーンが一応主役で、監督に抜擢され、様々な人達の力を借り、作品を作り上げていき、その間にアクシデントもありでテンポも良い。
ただ、確りと描かれている割に「ん?」と思うところもあったりします。
ポンポさんの下でアシスタントとして働きながら、映画監督を目指しているジーンが予告編の編集を任されてから、新作映画の監督に大抜擢されるまでの行程がちょっと早過ぎ。
プロデューサーのアシスタントなのでAPではありますが、監督になる行程は助監督から始まるかと思うんですが、それもすっ飛ばしていきなり監督ってどうなんでしょうか?
実績もない者がプロデューサーの肝いりで監督に抜擢はかなり周囲との軋轢を生むと思うんですよね。また周りの手助けがあったにしても、撮影がサクサクと進むのを見ると「映画好きと言うだけでなんでも対応出来るようにも感じるし、映画関係者は殆どが映画大好きな人たちじゃね?」と思うのは野暮なんですかねw
また、監督に抜擢された途端に帽子を被り出すのも、急に色気が着いた感じでなんか鼻につきますw
それと同じようなのがヒロインに抜擢されたナタリーにもなんだかな〜な感じがする。
女優を目指して日夜奮闘しているとは言え、上京してからアルバイトが週7日で演技レッスンは2週間に1回。と言うのは少な過ぎて「ホントに女優になる気あるの?」と言いたくなるw
生活の為にアルバイトに明け暮れると言うのはダメではないが、「演技レッスンはほぼ毎日でレッスン日を稼ぐ為に寝る間を惜しんでアルバイトと両立している」と嘘でも言って欲しかったかな。
ポンポさんの当て書きでヒロインに選ばれたにしても、その理由があまりにも不明瞭。
またミスティアの付き人として演技の勉強をさせるにしても、付き人としての責務を果たしていない感じでちょっと足手まといな感じもチラホラw
後半の活躍がちょっとフェードアウト気味なのも気になるw
ジーンが編集作業に苦戦し、追加撮影を言い出してからが怒涛の展開になって面白いんですが、全体的に映画業界の闇とかアクの強さとかが少ないし、みんな良い人ばかり。
なので、この辺りがどうにも学生演劇的なノリに感じるんですよね。
もう少し、ワガママでアクが強くても、個性的で映画の才能に溢れたキャラがいたら良かったかなと思います。
ホンワカした絵柄に口当たりはまろやかでも、セリフの一つ一つは名言や金言が多く、色々と突き刺さるだけに惜しい。
俳優をキャスティングしているのもそんなに気にならないが、本職の声優とのちょっと演技の温度感的な差は感じるかな。
映画を観る中で色々と知らない事や知っていたとしても気づかない事もあるので、この作品で映画を観る楽しさを倍増出来ると思うだけにちょっと惜しいのが惜しいんですが、個人的には割と「当たり」な作品かと。
映画が好きで、映画製作に興味のある方なら、是非如何でしょうか?