「映画とアニメ、どっちかでも好きな人には刺さりまくるであろう一作。」映画大好きポンポさん yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
映画とアニメ、どっちかでも好きな人には刺さりまくるであろう一作。
一見平面的で「アニメ風」にデフォルメされたキャラクター造形だけど、上映開始わずか数分で、画面の隅々にまで最高級の作画と映像技術が投入された作品であることが分かります。
特に特筆すべきは光の表現で、キャラクターの輪郭を縁取る反射光から、光源が映り込む際のフレアやゴーストまで、光学的な現象をちょっと過剰なまでに取り入れていて、光の表現は実写的なのに、画面はアニメ的表現を追求しているという、非常に不思議な感覚に襲われます。画面の切り替えにワイプ手法を使っていますが、それもまた一つひとつ気が利いています。『プロメア』(2019)に続く、『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)への日本アニメの一つの回答であるように思えました。
物語は、映画制作を経営面も含めて見せるという、職業映画としての色彩を前面に押し出しています。中には過重労働を称賛するような描写もあるので、テーマ的に気になる人もいるかも知れませんが(物語上の必然性はちゃんと説明されています)、数々の名言(というかパワーワード)はしびれます。
作品をなぞるような制作裏話も含んだパンフレットは必読!
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