「【旧帝国大学の寮は古くてボロくて建築基準法を満たしていないが、蒼き青年たちを育んだ歴史があるのだ!”人間の幸福にとって必要な何か”を有する「歴史的文化遺産」を守るのは行政の仕事だろう!】」ワンダーウォール 劇場版 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【旧帝国大学の寮は古くてボロくて建築基準法を満たしていないが、蒼き青年たちを育んだ歴史があるのだ!”人間の幸福にとって必要な何か”を有する「歴史的文化遺産」を守るのは行政の仕事だろう!】
ー私事で恐縮であるが学生時代、大学側との”団交”に臨むときには、決意が必要であった。
何故なら、その”団交”は午後6時から始まり、延々と夜を徹して続いたからだ・・。自分達の”城”を守るために・・。-
■物語は、”ある旧帝国大学の”地区100年を優に超える、吉田寮・・じゃなかった近衛寮が舞台となっている。
1.近衛寮の魅力というか、欠点というか・・を幾つか。
・寮生の多くが謎過ぎる人々である事。
-おじさんは誰ですか?という人が普通に生活している。何回、留年したのかな?-
-旧帝大生は、他の旧帝大の寮に泊まることが出来たという理由も有るかもしれない。”〇〇大学の方が来られました!”という、館内放送も懐かしい・・。-
・寮内に、色んな生き物が徘徊している・・。
・トイレは男女共用。しかし、”ある理屈で”清潔感はしっかり保たれている・・。
-時代より、50年は先駆けた思想と、建物構造。-
・一番、面倒なのは寮の規則を決める際、全員一致である事が大原則である事。で、ごみ捨てルールを決めるのに、延々と議論する・・。
-皆、大好き、延々と続く不毛な議論・・。-
・掃除をしない・・。気が付いた人がする・・。こたつの上、周囲の一升瓶林立状態・・。
・敬語禁止
2.そんな歴史ある寮に、大学側が突き付けた事。
・建築基準法を満たしていないので、建て替え。もしくは寮の撤廃。
-が、実は大学側の本心は・・。-
3.当然、寮生側は学生部に抗議に行くのだが・・、そこには幾つもの”壁”が・・。
-寮の代表者三船と大学の事務員(鳴海璃子さん)との関係性・・。-
<青臭い学生たちの、寮を守ろうとする”全然一致団結しない”姿。
だが、寮をそれぞれのスタイルで深く愛する学生たち一人ひとりの姿が、愛おしく感じる作品。
NHKBSにて2018年7月25日に視聴し、DVDにコピーし、時折見直していた作品が、まさかの劇場公開とは・・。嬉しき哉。>
■蛇足
・最近、気になっている、”千松信也さん”も、この寮に住んでいた・・。