「とっかえひっかえ子供産ませてるだけじゃない」ルディ・レイ・ムーア 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)

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5.0とっかえひっかえ子供産ませてるだけじゃない

津次郎さん
2020年7月11日
PCから投稿

ブラックスプロイテーションと言えば日本ではこまっしゃくれた映画愛好家が能書きをたれるカルトだが、この映画を観ると、かれの動機が切実で原始的なことがわかる。

カルトとは観衆が見いだすもの──である場合が多い。
ロッキーホラーショーしかり。The Disaster ArtistもTommy Wiseauが予期していなかったキッチュな楽しさを観客がThe Roomに見いだした話だった。

だがこの映画を観るとDolemiteが、巷の本物の熱狂で受け容れられたことがよく解る。つたなさを打ち破る躍動が伝わってくることが、この映画を観ることで、素直に理解できる。

もし私が1975年に居たなら、あまたの批評家のようにDolemiteを扱き下ろしただろう。Dolemiteに腹を抱えて笑う黒人たちの真意を、日本人である私が理解できるとは思わない。ただし、この映画Dolemite Is My Nameを観ると、それが、手に取るように理解できる。

素人集団が、一致団結して、金繰りにつぐ金繰りを重ね、買い手の保証もないのに、必死で映画をつくる。そこにあるのはまさしく情熱であって、誰にでもわかる真意だ。そして、その情熱は、Rudy Ray Mooreの醜父にたいする反骨心が原動にある──その普遍のペーソス。

良識人たちが低俗と見なす世界がじつはイノセントな夢の結実であることをこの映画は教えてくれる。てらいのないピュアなサクセスストーリーだと思う。

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津次郎
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