Redのレビュー・感想・評価
全43件中、1~20件目を表示
アラサー主婦からみた自由な感想
塔子は「自分から」この家にとっての良き妻になっていったんだと思う。
私が思う塔子の姿。
同僚が「一人で生きてるみたいだよ」と言った時
観客の私まで頷いた。
ずっと一人で生きていこうとしている。
少なくとも10年前に鞍田を好きになってからはずっと。
鞍田を忘れるために必死で「違う自分」になろうとしてきたのでは?
好きになるタイプも変えて、母親になって、
嫌だと思うことも全て受け入れて、何もかも正反対の世界に行ってしまえば
「鞍田を好きだった自分」を捨てられる。
そう思ってたんじゃないかな?
夫はある種、「鞍田を忘れさせてくれる」存在かな。
ラスト。
塔子はもぅ別の自分を生きることは無理なんだと限界になった。
鞍田に再会してしまったから。
この過程が丁寧に描かれていて、徐々に塔子が開放されていくシーンは見入っちゃいました。
映画のベッドシーンって個人的には苦手で
見ていて気まずくなるものがあるけど
綺麗でした。すごく意味合いのあるシーンだったと思います。
尺が長いのも良かった…
この映画でわかるのは
自己犠牲が大きい程その代償も大きいということ。
離婚して子供に恨まれ、愛する人は死に(勝手に死ぬ想定)それでも塔子は後悔しない道に走り出したんだろうな。
不倫ものにありがちな、純愛を貫く結末。
この物語ではそうではなく、自分を貫くことに意味があったのでしょう。
ここで塔子に関わる3人の男性について
個人的な見解…
鞍田…一番女が沼りそうなタイプ!「恋する」より「沼る」って言葉がこんなにしっくりくる人はなかなかいない。寛容で、影があって、寡黙で
でも内に秘めたる情熱があって…!!こんなの好きになっちゃいますよ。
同僚…チャラい同僚に塔子が一瞬怯んだようにみえたけど、すぐに心を開きましたね。ここで本当にチャラいのは塔子なんですよね〜。これくらいの男が一緒にいて一番気楽なんです。恋愛感情がなくても息抜きになる存在。ちょっと好意を引っ掻き回したっていいでしょ?って。同僚にとって塔子が「沼る女」ですね!
夫…気持ち悪い男でしたね(笑)けどこういう人、男女問わず多い気がします。気付けない人って、多いんですよ。現にこの映画のレビューをみていても
不倫して子を捨てる母親なんて最低…という感想をもつ人は必ずいて。無意識に他人に理想を押し付けちゃうんですよね。鞍田と対照的になるシーンがいくつかわかりやすく描かれていますが、誰がどうみても鞍田のほうがいい男ってわかるのに…なぜか夫みたいなやつが量産されてるのです。不思議〜
以上
平凡な主婦の初レビューにつき、何卒ご容赦ください。
ストーリーは良かったけど、建築現場のリアリティさがなくて物足りなかったので★3にしてます。
何も共感できない
私は建築学科を出て、建築設計をしている女です。
原作は読んでいません。
・もっとリアリティが欲しい
主人公たちが建築やインテリア設計をしていて、建築の要素がストーリーの中でとても大事な部分であるのに、いろいろと「?」と思うところが満載で、ストーリーに気持ちが乗らなかった。
妻夫木さん、夏帆さんが模型を作るシーンとか、家のできた模型があんまりカッコよくないところとか、鞍田の「あんな線引くなんて…」のセリフとか、「ないなー」ってことの連続だった。
極め付けが、ストーリーの鍵になってる谷崎潤一郎の陰翳礼讃で、私も好きな本だが、新書版や文庫版も出てる廃盤ではない本。鞍田が何で古い版でわざわざ読んでるか謎だし、その本を形見みたいに渡そうとさるのも全然理解できない。もっと、建築設計業界にヒアリングしたり、登場するデザインは建築事務所に協力仰いで、もっとかっこいいデザインにしてくれないとリアリティなさすぎる。
・共感できない
夫(間宮)も姑もそんなにひどくないし、なぜあんなに主人公が切羽詰まった感じになるのか理解できない。
正直、私も建築業界で働いていて、娘もいるけれど、あんなに何日も家を空けて、飲み会もいって、姑にお世話になりながら、夫からの「帰ってきてよ」の電話にあんなにヒステリックにこの世の終わりみたいになる意味がわからない。その後、タクシー呼ぶでも、レンタカー探すでもなく、雪の中歩き出してるのも謎。
雪の中の嫌いなシーンが撮りたかったんだろうな〜という感じで、リアリティ後回しで綺麗な画を優先してる感じが強い。
・セックスシーンがなんとも
他のレビュー記事で、女性目線のセックスシーンとあったので、期待してみたが、今一つ。。。
もっと、夫(間宮)とは感じられない人として認められている愛に満ちたHシーンがみたかった。鞍田からの「声聞かせてよ」の攻めも、何だかオラオラ系で好きではなかった。もっと本当のコミュニケーションみたいな一方通行でない愛のシーンだったら、鞍田に走る主人公にも少しは共感できたと思う。
最近は大根演技と脚本が臭くて嫌で、海外映画や韓国映画やドラマばかりみていて、久しぶりに期待してみたけど、こんな感じか〜っと思って、また日本映画から遠ざかってしまう。
もっと、背景まで作り込んだ気合の入ったものが見たい。
夫婦の双方からの歩み寄りが大事なのでは
塔子の夫は塔子に対して、家庭のことを担う妻、子どもを育てる母であること「だけ」を求めていた。
塔子は娘が小さい時、出産前の仕事を継続しようと保育園に預けようとしたが、叶わず、キャリアを中断せざるを得なかった社会環境もあった。
夫は塔子が復職しても、家庭のことに身が入っていないと塔子に圧力をかけた。一方で夫は子どもの世話をするために自分の仕事を調整するということはしなかった。自分の稼ぎがあれば生活できるので妻が働く必要はないと思い込んでいた。
---------
ここからは私の意見ですが、塔子は本当は自分の人生を生きたかったんだと思います。
もしかしたら出産前のキャリアをずっと継続していれば夫と同じくらい稼ぐこともできた可能性もあると思います。
それに、たとえ稼ぎが少なくても、家庭から出て外の社会と接点を持つ、誰かに貢献する、ということは心の安定のためにも必要なことだと思います。
しかし実際の結婚生活では夫の所有物のようになっていた…。
ここで塔子は持ち前の責任感からなのか、夫の圧力に耐えられず平和を望んでいたのか、ずっと自分の気持ちを押し殺してしまっていたのだと思います。
もし鞍田と再会しなかったとしても、塔子は自分に嘘をつき続けていたら、いつか思い詰めて自殺してしまっていたかもしれないと思いました。
もし、塔子の夫が途中でも塔子の気持ちに寄り添えていたら…。もし、塔子がもう少し小さくガス抜きして夫と話し合えたなら…。もし、お互い結婚する前から価値観をもっと共有できていたなら…。と色々と考えさせられる映画でした。
燃え上がり、燃え尽きる《愛》
妻夫木聡の色気。ダダ漏れでした。
いつも「良い人」の似合う妻夫木聡も好きですけれど、こんな役も素敵。
あと久しぶりに聴いたジェフ・バックリーの唄う「Hallelujah・・ハレルヤ」も凄く沁みた。
(ジェフが自殺してるのも何かを、暗示している・・・)
島本理生の原作を三島有紀子監督で映画化。
お金持ちでエリートの夫(間宮祥太郎)と園児の娘と暮らす塔子(夏帆)
10年振りに昔の恋人・鞍田(妻夫木聡)と再会する。
忘れられない人だった鞍田と会い、塔子の思いは再燃する。
間宮祥太郎の役が、悪意はないのに、妻(夏帆)を傷つける姿が、
見ていて身につまされる。
実母の煮物なら食べるけれど、妻のハンバーグは即座に却下・・・とか、
夫はすき焼きをご馳走するとき、嫌いな豆腐と春菊を塔子に渡す、
鞍田は自分も好きな里芋を塔子にあげる・・・この違いに、ささやかなことだけど共感する。
性愛シーンは多い・・・妻夫木くんが痩せてて素敵だった。
(相手役の夏帆さんは清純派なのに魔性を感じさせる好演。妬けるなあ)
次第に自己を主張して、母親としてより女として生き始める塔子を、
夏帆は「悩みと喜び」を上手く表現した。
鞍田は自分に降りかかった不幸(白血病にかかり自分の設計事務所を畳み、妻と離婚する)
そんな翳と闇・・・哀しい。
女ならついていたいと思う、切実に思う。
鞍田が白血病で弱って行く姿が、胸を打つ。
雪の新潟。雪道に浮かぶ電話ボックス。
暗闇を照らす車の赤いライト・・・光景が美しく、時折見入ってしまった。
音楽もHallelujah以外もセンスが良かった。
それにしても小学生になった娘を・・・
(悲しくてここでわたし、泣きました。)
(愛する娘を捨てて好きな男に走る・・・
(私には絶対に出来ないけれど、・・・)
願望としては、ありますね。
ひとときの夢を愉しみました。
ご家族さま、お気の毒です。
マザコン夫には吐き気はするものの、経済的に余裕あって、嫌味なお姑さんといえど子守してくれる親がいて、大きな家で、可愛い娘がいて、それでもぽっかりあいていた穴が埋まるように、好きな仕事を許してもらい自分の居場所を見つけたのだから、仕事だけに没頭しようよ。
100歩譲って愛している妻夫木とならわかるけど、好きでもない同僚とちゃらちゃら自転車乗って遊ぶ時間あるなら(バッティングセンターでの思わせぶりなジョークも男は喜んでも、私は引いたし)自分の「女」に酔ってないで、さっさ帰宅して娘を抱いてあげて。
そもそも「仕事をさせてもらうことに夫に許可がいる」事が時代遅れではあるのだけど、現実に、
逆に旦那から「家で専業主婦して遊んでないでパートでもいいから働いてくれ」って言われて切羽詰まってる友達も多くいるからね。生活のためではない仕事が出来ることに感謝しましょう。
夫に不満あっても「浮気」で終わらせるべき。
娘を捨てる選択にはとても共感できない。娘は一生トラウマになったね。
まあ、実際こういう母親もいるんでしょうね。
原作読了、単刀直入にいうと原作の良さは微塵もなかったです。葛藤やら苦しみが全然伝わりません。
ここまで感情が動かない映画も珍しい。
しかも、なぜ原作とエンディングを変えたのか。
6歳の娘をもつ身としては、到底理解に苦しむラストでした。
世の中のニュースで、子どもより男をえらぶ母親が少なからずいて、それが悲劇になることもおおいですしね。
みんながみんな、産んだら母になれるわけじゃないんでしょうね。
恵まれた環境でありつつ(義母はウザいとは思いつつ、子育て手伝ってくれるからまあいいやん)
鞍田さんにそこまで惚れる理由がわからんし、子どもより大事!ってなるもんかね。
何年も会ってなかったのに。まあイケメンだけどさ。
不倫の愛と、子どもへの愛は両立する、と言うか別物だと思ってるので(ていうか男性への愛と子どもへの愛ではもう次元が違うので)
子どもを捨てるのはあまりにもクズだなと思いました。
結婚したら添い遂げて欲しいと願う方だが...
塔子が離婚を決意し、よかったです。平成生まれの間宮祥太朗さんですが、プロとして、今どきめったにいなそうな夫を淡々と演じていましたね。お疲れ様でした。塔子と鞍田のキスいいですね。
やっぱり塔子には共感できない。
原作を読んだ時にも思ったんですが、やっぱり塔子には共感できない。
シングルマザーの母親への当て付けでお金持ちと結婚することが幸せだと思ったんだろうけど、いつもいつもうまく調和をとるために我慢してばかりで、幸せを感じたことはなかったのではないか。やっぱりカエルの子はカエル。好きな人と過ごすのが幸せということになったのかなーと思った。
キャストはピンとこなかった。妻夫木くんは大人の男に見えたけど。夏帆がなんか違った。柄本佑はこういう役にずばっとハマる。
どれだけ惚れて死んでいけるのか
内容は何も知らずに観賞。
映画のジャケット(サムネイル)、タイトル、赤い色合いからして、サスペンス調のドラマだと思っていました。主演の二人は共犯者か?なのかと。全然違っておりました。暗いタッチでしたが、耽美的な文学の匂いのする作品でした。そんなわけで、原作も読んでおりません。
夫は商社マンで、子宝にも恵まれ、何一つ不自由のない裕福な生活をしていると思われる主婦、塔子。10年前の恋人、鞍田に出逢い、再び心に火が付いてしまう。ストーリーだけ聞くと、「単なる不倫ドラマじゃん」ということになってしまうのですが、理性や常識やモラルでは割り切れないものを描いたんだろうなあと思いました。
結婚生活の居心地の悪い感じは描かれていますが、塔子は最初は、自分が「不満を抱いて生きている」とはそれほど自覚していなかったかも。鞍田に出逢って、身も心も潤っていき、水を得た魚(というのも変だが)のように、生き生きし始め、生きている実感を掴んだようにも思えます。
夏帆は好きな女優さんです。すごく可愛いかなと思うと、ぶさいくに見えたり、妙にエロかったり。眼で物を言うようなまなざし。今回も好演でした。妻夫木君は頼りがいのある家族のお兄さん的存在、正義に燃える熱い涙が似合う男、みたいなイメージを勝手に抱いていたので、クールで口数の少ない鞍田の役にはちょっとびっくり。でも、タバコ吸いながら、雪の中、塔子を待っている姿はそれだけで、かっこいいなぁ。
あまりエロティックじゃないという感じ方が多いようですが、塔子が鞍田の姿を見かけて、追いかけていくところは少しドキドキ。そして、壁ドンで、いきなり、むさぼりあうな、長いキッス。しばらくして、鞍田が「久しぶりだね」だなんて、自分には十分、刺激的でした。^^;
結末は残酷で、現実的にはありえないぐらい悲しい(子供にとっては特に)けれど、あれは二人の「愛の決着」ではなく、一人の女性がある意味「自らの魂を解放して」、人生を歩み始めるという意味が含まれているのか。子供が「ママ、ママ」と何度も叫んでいるのに、怖い顔して、顔を横に振った塔子。安易に共感はできないけれど、彼女はこれからどう生きるのか。
塔子の母親は「人間、どれだけ惚れて死んでいけるのかじゃないの。」と言ったけれど、改めて「惚れる」って、どういうことなのかと考えてしまいました。
ある意味感想を書きたくなった
原作を読んでいないので、話の流れが掴めず、
冒頭のシーンから、何から何まで時系列を追うのに戸惑った。ほぼ夏帆さんの洋服で、この日はいつの何の後でこの前の日がここにいた日か、、と判断した。
妻夫木さんがここまで口数の少ない渋い男の人を演じているのは初めて観た気がする。
鞍田さんはクールだけど、心根が温かい人だということがわかる。妻夫木さんのお顔がいつまでも童顔であどけない分、ベッドシーンもちょっとだけそのかわいいお顔が邪魔をしていた印象。。
夏帆さんは、妻にも母にもなりきれていない独身の感覚を持ったままの女性をしっかりと演じられていて、さすがだなと思った。
柄本さん演じる会社の先輩にキスをされかけ、「するならちゃんとして」とくりくりな目で言った塔子は、もともとそういう遊びたい気持ちが有り余っている、素質のある人なんだろうなということがわかる。
じゃないとほぼ初対面の上司と船には乗らないしそのまま夜遊びもしない。
何度も言うけど、原作を読んでいない
ので、鞍田さんが病気を告白するのは突然すぎた。し、その展開がきた途端に少し見る気が失せた。
なんでそんなありがちなストーリーになったの??と。
雪が頭に積もるほど降り頻る寒空の中、ふらっと入ったご飯屋さんのご夫婦との会話とか、奥さんとタバコを吸うシーンとか、あれ要ったかな?とおもう。
映像はとってもきれいで美しかった。
キスシーンはとにかく長くて、
これいつまでやるんだろう?とおもったし、
映画館で観なくてよかった、、といった感じ。
ベッドシーンは裸体を隠しすぎててほぼ顔アップだったので、長回しでこれは女優泣かせでは、、と演じる方の気持ちを察してしまった。
けど、夏帆さんはすごく素敵だった。
主婦の姿はどこにもない、ひとりの女だった。
レビューでは原作を読んだ方から、原作のおもしろさが全くないという声が多いなと感じたので、むしろ原作が読みたくなりました。
それからまた映画を観たら、
もうちょっとこの世界を理解できるかな??って。
おまえさぁ、本当になんで結婚したの?
映画「Red」(三島有紀子監督)から。
誰もがうらやむ生活を捨てて、愛を求める物語、
現実的には、その後の生活が気になることが多い。(汗)
古くは、ダスティ・ホフマン主演の「卒業」から始まり、
今までに、何度も何度も目にしてきたが、
毎回、エンドロールで余韻を噛み締めながらも、
どうして、こんな幸せを手放してまで「愛」に走るのか、
「ラブストーリー好き」の私でも、ちょっと理解できない。
「ハッピーエンド」も好きなだけに、ますます混乱する。
だからこそ、小説・映画のネタになる、と言えばそうだけど。
気になったのは、出張先の大雪で、自宅へ戻れない状態となり、
その旨を電話で伝えようとした時の夫婦の会話。
「とにかく塔子はすぐ帰ってきて。母親だろ」
「母親って、あなただって父親でしょ?」
「えっ、俺、ちゃんと仕事してるよね?、何か不自由させてる?
塔子の1番大切な仕事って母親だろ?」
「みどり(翠)の親は、あなたと私の2人でしょ?」・・
結局、問題解決できず、どんな方法でも帰ることになり、
その悔しさを、同僚の男性にぶつける。
「男の人は100年たっても男じゃないですか!」
そんな叫びを受けながら、男性がさらっと言い返す。
「おまえさぁ、本当になんで結婚したの?」
結婚の意味をあまり深く考えず、自分の思った通りにならなかったら、
前の上司と不倫に走る。だから、その後の生活が気になる。
家族を捨てて、不倫に走った後の結末が。
う~ん、ラストシーンは、辛かったなぁ。
よかったね 演技が
夏帆ちゃんはたまに綺麗でたまにブサイクに見える
これは女優としていいことだと思う
ブッキーはカッコいいね老けたけど
あまり期待してなかったけど良かったと思う
最後子供かわいそうすぎだよ 旦那も
こんな女性いたらほんとクソ
夏帆ちゃんはいい演技でした
原作と映画は別……。
以前、原作を読んです。最近、Netfleで観ました。
原作と映画は、結末もちがうし場面設定も違うので 似たような別々の物語の印象です。
原作では、どんなに男女平等と言われていても女性が社会で感じる不公平さや不満を上手く表現しているし、現実的に家庭を捨てられない背景もちゃんと描かれていたので共感出来ましたが、原作の鞍田さんは死を目の前にしてワガママと言うか身勝手な感じを個人的に持っていたのと、原作は性交表現が多くて、この性描写が私は苦手でした。
映画は、現実離れした結末ではあるけれども物語としては、映画の方がスッキリ観れました。鞍田さんの相手に対する愛情も映画の方が見えた気がします。愛人と家庭の間で揺れる橙子の様子も伝わりましたが、欲を言えばもっと揺れている感じを見たかったです。
この物語に共感出来る出来ないは人それぞれだと思いますが、私は まあまあ楽しく観れました。
狡猾な男と純情な女
どおにもやるせない不倫の話。
なんか赤裸々なベッドシーンが話題に上がってたけど、キスシーンの方が印象的だった。
女性の目線からだとどお映るのだろうか?
塔子に感情移入するのだろうか?
それとも嫌悪感を抱くのだろうか?
なかなかにセンセーショナルな幕切れではあったけど、時間軸が掴みにくかったなあ。
婚姻って契約に縛られた女性の話にも見えなくはないんだが…訴えかけるとこは他にあるような気がしてならない。
障害のある恋程燃えるなんて話あって、だからこそ不倫はのめり込むなんて話にもなるのだが、どおやらこの作品において、それは逆説のような位置付けで…婚姻という枷を引きずってまで貫く程の気持ちがあるから不倫なんて関係が存在する。ってとこだろうか。
元々、不倫してた過去のある2人がまた不倫を始める。男に家庭があり女は独りだった。
どおいった関係かは描かれないのだが、おそらくならば女の方は止められない気持ちを持っていたのだと思われる。だからこその再発かと思うのだけど…。
問題は男のシチュエーションだ。
彼は離婚して癌を患ってる。
…独りで死んでく寂しさもあったんじゃないか?
それを上書きする為の行為なんじゃないか。
男の本音は愛情に由来してないように思う。
女の純情と男のズルさ、みたいなとこだろうか。
そんな事を考えると色々しっくりくる。
最後まで女は信じていたかったんだろうし、信じていたかったからこそ家庭には戻れないのだろうし。
勘違いで人生を棒に振るような…そんな十字架は背負っていけないよなぁ。なんて思っちゃう。
いずれにせよ、純愛だろうと誤解だろうと、その先に祝福は待ってないって結末だった。
本能に起因する愛というものを秩序と理性で縛り続ける婚姻という契約。
…恋愛結婚なんて言葉もあるけど、今の状況を必死に正当化する為に使わざるを得ない言葉であるならば、それはとても不幸な事で牢獄にいるのと変わらないのであろう。
作品的にはかなりスローな印象で、ある意味退屈だった。というのも…結局は他人事なので。
どんだけドラマチックな内容であっても他山の石なのである。なるべく共感を得られるように丁寧に作られてもいるが、そもそもが実生活において関与出来ない事柄であり…つまりは感情移入のしがいがない。
「昼顔」を見た時はもっと引き気味だったから、今回は妻夫木氏に傾倒したのかもしれない。
結構面白かったのが柄本兄のポジション。
恋愛感情の絡まない異性ってポジションで、女が興味のない男にとる態度っていう側面があるわけなんだけども…あんなボリュームでいいのかしら?
彼を使って出来る事はたくさんあるように思う。
不倫なんてものは結局はSEXに終始するのだと思ってる。好きであるならば求めるのは当然の行為だし、好きが加速していけば不安にもなって、それをかき消す為にも行うのであろうし。契約が結べないからこそ実感を求めたりもするのだと思う。
今回のSEXも雄弁であった。
日本人はそろそろSEX=快楽って方程式から解脱した方がいいと思う。
まあ、そんな事に思いが至る程、今回の2人は熱演であった。
ただ、まあ作品のテーマとしては複雑で個人の価値観に左右されるとこが多大だろうなと思う。
聞いてみたいのは「この原作のどこに魅力を感じて映像化に踏み切ったんですか?」である。
小説ならばその全てを自らに投影できたりもするのだけれど、映像となればある種の強制を強いられる。
没入感が妨げられるというか…そお考えると、この題材は実に厄介な代物であると思うのだ。
何を描きだしたかったのだろうか…。
◾️追記
ワンコさんのレビューに問いかけの答えが載ってた。なるほどと霧が晴れたような気分だ。
学の薄い俺には分からない筈だと至極納得。
与えてもらうばかりで自分から何も与えようとしない人
大雪で交通機関が止まっているのに、どうしても帰って来いという夫。
同居のお母さんに子供の面倒を頼めば良いのに。
何のための同居なの?
私なら頭に来てそこまでいうなら迎えに来てよ!と言ってしまうだろう。
鞍田はそんな中、迎えに来る。
旦那は完全にこの時点で負けている。
不倫相手に取られても仕方ないよ。
鞍田の葬儀の後、娘を連れて迎えに来るけど遅いんだって。。。
そこから元サヤに戻ると思ったの?
無理だって。
ん〜これだけではなんとも…
原作未読。結婚生活を無理して作った自分で頑張っていた主婦が、昔の彼の出現から本来の自分に正直に生きようとする話、なのでしょう。
でも、情報量が少なくて感情移入はできなかったな~。
まず、結婚が打算だったのでは?と。
こういう女、結婚に向いていないと思う。母性も足りない。そういう人っている。そして、やはり ないものねだりでは結婚は続かない。今の自分をも認められなければ、どこを探しても満足は得られない。幸薄そうな未来しか想像できなかった。
出演者が好きな俳優さん達だったので、鑑賞して残念な作品でした。
映画みて救われた感じかな。
小説既読。
個人的には映画の結末のほうが断然好き。
小説の塔子には全然共感できずもやもやしてたから。
妻夫木さんの鞍田さん
もう若さだけじゃない年頃の、ある意味では汚れた男の女々しさ、狡さ、弱さ。
寡黙な男ゆえに表現に頼るところがたくさんだったけど実に良かった。
過去から続く塔子を想う気持ちがちゃんと存在していて、それが幼稚過ぎる夫といい対比だった。
言葉よりもひとつの深いキスで過去の愛の熱情まで伝わる、想像できてしまうところが
なんか良かったな。ふたりとも好演だった。
一瞬で当時に戻されてしまうあの感じ?経験者なら共感できると思う。
ある程度人生を積んだ大人向けの映画。
でも、現実ではあって欲しくない物語。子供が不憫過ぎる。
原作の映画かとは
とても映像的で感覚的で本能的な
秀逸な映画だったと思う。
開けた海で大きな棘を指し
閉ざされた車内でキスをし
真っ白な吹雪の中で人生に彷徨った
三島監督が映画というものとちゃんと向き合い、映像で表現するということと戦った良い映画だったと思う。
自分らしく
主人公塔子が自分というものを殺して、よき母、よき妻、よき嫁として暮らす毎日。傍からは幸せそうに見えるかもしれないが、その息苦しさはすごくよくわかる。そんな中鞍田に再会したときの塔子の気持ち、無音状態の中鞍田を懸命に探す塔子に共感して私もドキドキした。最後の塔子の選択は、私には真似できないかもしれないが、この映画を観て、自分らしく生きることの大切さを教わった。役者さん達の演技も素晴らしく、映像や音響のこだわりも感じられ見応えのある映画だった。
全43件中、1~20件目を表示