「夫婦の双方からの歩み寄りが大事なのでは」Red あさんの映画レビュー(感想・評価)
夫婦の双方からの歩み寄りが大事なのでは
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塔子の夫は塔子に対して、家庭のことを担う妻、子どもを育てる母であること「だけ」を求めていた。
塔子は娘が小さい時、出産前の仕事を継続しようと保育園に預けようとしたが、叶わず、キャリアを中断せざるを得なかった社会環境もあった。
夫は塔子が復職しても、家庭のことに身が入っていないと塔子に圧力をかけた。一方で夫は子どもの世話をするために自分の仕事を調整するということはしなかった。自分の稼ぎがあれば生活できるので妻が働く必要はないと思い込んでいた。
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ここからは私の意見ですが、塔子は本当は自分の人生を生きたかったんだと思います。
もしかしたら出産前のキャリアをずっと継続していれば夫と同じくらい稼ぐこともできた可能性もあると思います。
それに、たとえ稼ぎが少なくても、家庭から出て外の社会と接点を持つ、誰かに貢献する、ということは心の安定のためにも必要なことだと思います。
しかし実際の結婚生活では夫の所有物のようになっていた…。
ここで塔子は持ち前の責任感からなのか、夫の圧力に耐えられず平和を望んでいたのか、ずっと自分の気持ちを押し殺してしまっていたのだと思います。
もし鞍田と再会しなかったとしても、塔子は自分に嘘をつき続けていたら、いつか思い詰めて自殺してしまっていたかもしれないと思いました。
もし、塔子の夫が途中でも塔子の気持ちに寄り添えていたら…。もし、塔子がもう少し小さくガス抜きして夫と話し合えたなら…。もし、お互い結婚する前から価値観をもっと共有できていたなら…。と色々と考えさせられる映画でした。
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