「燃え上がり、燃え尽きる《愛》」Red 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
燃え上がり、燃え尽きる《愛》
妻夫木聡の色気。ダダ漏れでした。
いつも「良い人」の似合う妻夫木聡も好きですけれど、こんな役も素敵。
あと久しぶりに聴いたジェフ・バックリーの唄う「Hallelujah・・ハレルヤ」も凄く沁みた。
(ジェフが自殺してるのも何かを、暗示している・・・)
島本理生の原作を三島有紀子監督で映画化。
お金持ちでエリートの夫(間宮祥太郎)と園児の娘と暮らす塔子(夏帆)
10年振りに昔の恋人・鞍田(妻夫木聡)と再会する。
忘れられない人だった鞍田と会い、塔子の思いは再燃する。
間宮祥太郎の役が、悪意はないのに、妻(夏帆)を傷つける姿が、
見ていて身につまされる。
実母の煮物なら食べるけれど、妻のハンバーグは即座に却下・・・とか、
夫はすき焼きをご馳走するとき、嫌いな豆腐と春菊を塔子に渡す、
鞍田は自分も好きな里芋を塔子にあげる・・・この違いに、ささやかなことだけど共感する。
性愛シーンは多い・・・妻夫木くんが痩せてて素敵だった。
(相手役の夏帆さんは清純派なのに魔性を感じさせる好演。妬けるなあ)
次第に自己を主張して、母親としてより女として生き始める塔子を、
夏帆は「悩みと喜び」を上手く表現した。
鞍田は自分に降りかかった不幸(白血病にかかり自分の設計事務所を畳み、妻と離婚する)
そんな翳と闇・・・哀しい。
女ならついていたいと思う、切実に思う。
鞍田が白血病で弱って行く姿が、胸を打つ。
雪の新潟。雪道に浮かぶ電話ボックス。
暗闇を照らす車の赤いライト・・・光景が美しく、時折見入ってしまった。
音楽もHallelujah以外もセンスが良かった。
それにしても小学生になった娘を・・・
(悲しくてここでわたし、泣きました。)
(愛する娘を捨てて好きな男に走る・・・
(私には絶対に出来ないけれど、・・・)
願望としては、ありますね。
ひとときの夢を愉しみました。
ハレルヤとジェフの自殺…
祈りの声は昔と同じかもしれませんが、選択できなかったジェフと選択したトウコに違いがあるのかもしれませんね。
クラタが死んでも娘と別れた彼女の意志の強さこそ、自分の未来を創造するという意味でしょうね。
こんばんは!
なんだかんだ言いながら、2回、観ました。負のイメージが強いですが、音楽も含めて、雰囲気に惹かれます。病気の妻夫木君も素敵でした。
私も劇場へは、あまり行かず配信ばかりですが、好きな時に映画が観られるので、しあわせです。😊
ロッキーが見当たりません。イイねコメントありがとうございました。本作はピンポイント エロ純文学作品の記憶があります。エロと言ってもエロ本のエロでは無くエロスのエロ。純文学 かつ 不可解ストーリーでした。ありがとうございました😊ロッキー最高です。
今晩は。
ジェフ・バックリーをご存じとは・・。
私のベスト100アルバムに入る、彼が生前残した唯一のオリジナルアルバム”Grace"はあのファルセットボイスも印象的な、名盤ですね。
捨て曲がないアルバムで「Hallelujah」も名曲だと思っています。
今でも良く聞きますよ。
でね。ひっそりと”淫靡礼賛”ではなくって、「陰翳礼讃」ですよね。ま、確かに谷崎潤一郎は淫らだったようですが・・。では。スイマセン・・。