劇場公開日 2020年1月3日

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「友人にオススメする際、安心して紹介できるコメディ映画」エクストリーム・ジョブ ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0友人にオススメする際、安心して紹介できるコメディ映画

2025年2月25日
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鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

普段、映画を観ないであろう知人や友人たちに、
彼らの知らない知名度の映画で、
面白いコメディ映画を1本教えてちょうだい、と尋ねられたら、
この映画を紹介プレゼンしておけば、まず間違いない。

彼らにとって、生涯最高の1本にはならずとも、
映画を好きになるきっかけの1本には、なっているはず。

そういう安心感が、この作品にはある。

まず冒頭から、主役グループの、
「コ班長グループの5人」が登場する場面から、
ポンコツで、ドジで、おっちょこちょいで、
出世街道から外れたお荷物集団、
という印象のフリを、入念に振り続け、
早々と掴みを獲得。

加えて、無能集団はなぜ署長に招集されたのか、
最大の伏線も張っておく。

序盤のうちに、効いたフリから、予想外の料理店への疑似転職へと大展開。

物語の中盤、ドタバタコメディで二転三転し、散々笑い転がした挙句、

終盤はしっかりと、刑事モノの本筋に話を戻し、伏線も回収。

ラストは、かっこ悪い奴等だったはずの主人公らが、
かっこ良い奴等に代わっており、
痛快さの極致に、観客を誘う。

テンポよくキャラを立たせながら話が進み、
最後の山場の頃には、
主役集団には、愛着しか感じなくなっている。

彼らは、サッカー選手でいえば、
戦術理解度に乏しく、
知能を駆使したテクニックは皆無だが、
最後の、全員スタミナ切れを起こした時間帯の、
フィジカルを活かした運動量や、
球際の競り合いには滅法強い、
体力お化けのエリート選手、といった所だろう。

個人的にこの作品の、一番好きだった箇所は、
普段は憎まれ口を叩くのに、
ライバルの強行犯係たちも、そういう「コ班長達」の、
体力お化けな面だけは、
ちゃんと認め、信頼しているのがわかる、あのシーン。

あの関係性は、「相棒」の特命係と、
捜査一課伊丹達との関係性に似ている。
とても気持ちが温かくなった。

韓国映画は、日本映画に比べて、なんとなーく下世話で、下品で、
汚い感じのする作品が、確かに多いのだが、
コメディだけでなく、全体を通して、こういう、
心が温かくなるような、ハートフルな終わり方をする作品が、
比較的に多い気がする。
そしてそれは、個人的にも相性がとても良い。
この作品も、大いに笑えて満足した。

ソビエト蓮舫