劇場公開日 2020年1月3日

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「度を越した痛快さに思わず泣けてしまう奇想天外な韓流刑事アクションコメディ」エクストリーム・ジョブ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0度を越した痛快さに思わず泣けてしまう奇想天外な韓流刑事アクションコメディ

2020年1月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

白昼に堂々と決行した売人逮捕を盛大に失敗したコ班長率いる麻薬捜査班の5人。別の班で功績を挙げた後輩が華々しく昇進したのを内心苦々しく思っていたコ班長は麻薬密売組織の大物が出所、犯罪組織のアジトで不審な動きがあるという情報を入手、アジトの真正面にあるフライドチキン屋に陣取って張込みを続けるがなかなか尻尾がつかめない。そんな折廃業するとこぼした店の主人から店を買い取って5人で切り盛りする家族経営のチキン屋の新規開業を偽装するが、実家が焼肉屋を営んでいるマ刑事が揚げたチキンがまさかの大ヒット。日本から観光客まで来る人気店になってしまい張込み捜査がどんどん疎かになって・・・からのポリスアクションコメディ。

まさかのコケコッコー!から始まる冒頭はユッルユルのコメディ調ですがそこに本気の街頭カースタントをブチ込むのはやはり韓流。その後ドタバタコメディにホンワカしたホームドラマと切れ味鋭い凄惨なアクションを散りばめながら進行。それだけでも十分に楽しいコメディとして成立していますが、後半ゴロンと作品トーンが変わりクライマックスに向けて物語が疾走する中で、実は吐き捨てるようにバラ撒かれていた伏線を一気に回収するハイテンションな展開が実に痛快。清々し過ぎて鼻の奥がスーッとして泣けてしまう、そんな作品です。

脚本がとにかく巧妙だし、様々なキャラを全部立てる緩急自在の演出とそれに応える俳優陣の演技力もスゴイ。2時間の尺にダレ場一切なし、どこにも死角がないとにかく完璧な娯楽作品。韓流なのでガンアクションはほとんどなく、とにかくナイフか角材かバットか鉄拳、そしてメチャメチャ痛そうな平手ビンタ。韓流なので女性たちによる格闘もバカみたいに痛々しくて美しい。また劇伴がバラエティに富んでるところも特筆すべき点。これは大音量で聴かないと魅力半減するかも。絶妙にズラしたと思しき選曲がオフビートな作風と絶妙にシンクロしていて、きっちりアクセントになっています。

これをスクリーンで観ないなんてもったいないお化けが出ると思いますが、火曜夜のレイトショーとはいえ、観客も5人と寂しい限りでした。ホントにもったいないです。

よね