「私の場合、鳥の唐揚げよりも焼き肉が食べたくなりました」エクストリーム・ジョブ 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
私の場合、鳥の唐揚げよりも焼き肉が食べたくなりました
『パラサイト 半地下の家族』を観て以来、何だか韓国の徴兵制のことがとても気になってしまい、またも想像を膨らませてしまいました。
韓国の肉体派の役者さん達はみな、随分とガチに鍛え上げてきたように見えたのですが、徴兵されていた期間、或いはその前の準備期間も含めて実際的に身体を鍛えた経験のある若者が多いからではないか、
みたいなことをあれこれと考えてしまったのです。
アクションシーンに出てくる俳優さんたちはみな、見せかけの筋肉ではなく、鋼のようにシッカリと硬質に仕上がっていて、パンチもキックも本物の格闘家のように重そうに感じました。だから、格闘シーンでは心の中で何度か、イタっ❗️と吹き出しの文字が浮かんでしまうほどでした。
そのアクションのガチ度との落差がお笑いシーンを一層効果的なものにしているのだと思います。
考え過ぎかもしれませんが、(もしかしたら日本以上の)学歴社会と経済格差だけでも韓国の若者は大変なのに、徴兵制があることで、体格や健康面でまた別のストレスや劣等感に襲われることもあるのではないでしょうか。
ネットで調べてみたら、韓国の徴兵制についてこんなことが分かりました。
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【以下に要点を抜粋】
1~4級判定者(※)は、満20歳~28歳の誕生日を迎える前までに入隊しなくてはなりません。検査の結果、下記の身体基準と学力ともに基準を満たした者
※参考として…1〜3級までの内容
1級:身長が161~203cmで、BMI指数が20~24.9の者
2級:身長が161~203cmで、BMI指数が18.5~19.9または25~29.9の者
3級: 身長が159~160cmで、BMI指数が17~32.9の者。身長が161~203cmで、BMI指数が17~18.4または30~32.9の者
2019年4月1日から、全ての兵士に日課後の携帯電話使用が許可され、電話やインターネット、メッセンジャーアプリでの連絡などが自由に行なえるようになりました。
(引用と抜粋は以上)
→2019年3月末までは家族や恋人への連絡は、基本的には軍隊からの一方的な電話しかできなかった、ということになります。
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等級は体型やそれに基づく数値で差別化しているのではなく、単なる分類だとしても、人間ですから、そもそも〝等級化される〟だけで色々と考えてしまうはずです。
痩せ過ぎや肥満気味の人は一級に入れないんだ…、そっか。
困ったことに、劣等感だけでなく、勘違いした優越感を持ってしまう人だって必ず出てきます。
実際に徴兵中は外部から遮断された環境(学校と違って家にも帰れない)なのでイジメや自殺者も少なからず発生しているとの報道も過去にはありました。
『パラサイト』をみた時と同じようなことを書くことになりますが、韓国の若者や勤労者世代の抱える社会的なストレスは、徴兵制が加わることで、我々日本の社会におけるそれよりも平均的に高いような感じがしています。だから、韓国の映画界、K-POPやスポーツの世界での成功者たちが背中に感じる自国民からの期待、羨望、憧憬、嫉妬、その他様々な感情の圧もさぞかし大変なんだろうな、と勝手に想像してます。
日本と韓国。
外交では色々と上手くいかないことばかりですが、そういう社会構造的なストレスの違いへの想像力を働かせることも決して無駄では無いと思います。
ていうか、映画でこんなに楽しませてくれるのですから、まずはそのことへの敬意と感謝の気持ちを大事にしたいですね。
マ刑事の得意技がテコンドーでなく柔道だったり、繁盛店が日本からの観光コースに選ばれたりしていたのは、民間レベルでは仲良くしましょうよ、というメッセージだったのか、普通に韓国の日常に溶け込んでることで珍しくもないのか、ご存知の方がいらっしゃったら教えていただけると嬉しいです。
それと韓国でも野球は〝耐える〟スポーツに分類されていたのが意外でした。
琥珀さん、以前の「9人の翻訳家」に続きオススメ頂いてた本作やっと観ました。楽しかったです!
自分はホント単純に映画を楽しんだのですが、琥珀さんの深いレビューに目から鱗な気分です。流石です!
Rosaさん、ありがとうございます。
韓日とも政治家の方々が、何につけてもお互いの主張を認める前に認めさせようという姿勢がつよすぎるのですね。
一般人同士は既に、そんなにあらたまった理屈で考える前に融合が進んでいることが多いということなのですね。
とても暖かな気持ちになれる情報、嬉しいです。
私は、韓国大好きなので、しょっちゅう行きますが、「居酒屋」と書かれた店も沢山ありますし、普通に溶け込んでると思います。
ガイドブック片手に道に迷ってたりすると、「どうしたんだ?」と声かけてくれたり、レストランで注文に戸惑ってたら助けてくれたりと、韓国の人々は結構、日本人に親切だし、興味もあるようですよ。
お気遣いありがとうございます。お金を出して映画を見れるということ、映画を見る心のゆとりがあること、映画館に行ける健康があることを感謝しなくてはなぁと思いました。
琥珀さん、遅くなりましたがあけましておめでとうございます🙋🙋
私は韓国に住んでいるわけではないですが、溶け込んでる部分が多いように感じます。日本のスーパーに当たり前にキムチが何種類かあったりするのと、ジャンルは違えど、同じ感覚かなと。
私は韓国人の友人とこの映画を見ましたが、野球部は彼女の中でも一番のツボだそうです(笑)野球が耐えるスポーツなのか、今度聞いてみます。
なんと!
あまり韓国映画を鑑賞されていなかったとは意外です。
コミカルでテンション上がるものと、暗くキツくじっとりと体温上がるものと、両極端なものが多い気がします。
そして、概ね警察は無能だったりポンコツだったり、あまり良い描かれ方していませんw
10年強前の作品ですが「チェイサー」はじっとりと系ではかなり私の好みです。
当日予定していた映画を全て鑑賞し帰宅途中、無意識に自宅近所の焼肉屋に寄ってしまいました。
入ってからそういえば!となりましたけど洗脳されていたのかも知れませんねw
ハイカロリーな一日でしたww