「痛い死に方も出てきます。」痛くない死に方 osincoさんの映画レビュー(感想・評価)
痛い死に方も出てきます。
目黒シネマにて、『けったいな町医者』(長尾和宏先生本人出演)との二本立て。
宇崎竜童さんがひたすらチャーミングでした。
川柳がうまい。あとから高橋伴明監督のインタビューを拝見したのですが、この川柳にこの映画で伝えたい思いを込めていたそうです。「こういう死に方をしたい」という監督自身の思いも根底にあるそうです。
言葉の輝きぶりに、奥さまの阿木 燿子さんも協力してるのかしら?と妄想してたけど違いました。
柄本祐さんのダメ医者っぷり、上手でした。
あのダメさ加減から改心して成長していくのは、ドラマならではかな…とも思いますが、何かのきっかけで人生が大きく変わるってことはあると思います。
前半の典型的に辛い介護。
坂井真紀さん演じる娘が、父に対してとにかく献身的。なかなか身内でもあそこまでできないのでは…旦那さんも協力的だし、かなりの優良家族なはず。
なるべく痛くなくという願いも叶わず、本人も家族も心身共にボロボロに憔悴してしまう。
どれだけの人がこういう状況に置かれているのかと思うと、居た堪れないです。
実際に苦労なさった経験がある方には辛いシーンかもしれません。壮絶な演技でした。
この映画をどう受け止めて、どう変えていくのか…現場は今でも現在進行中なのですよね。。
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ここからは超個人的な蛇足レビューなんですが、先月『眠らない街・新宿鮫』(真田広之主演 1993)を観たばかりで、この作品にも奥田瑛二さん、余貴美子さん、田中美奈子さんも出ていて、まさか真田さんは出ないだろ〜と思ったら、役名で「サナダさん」が登場してました。
なんでしょう、こう言う、なんの役にも立たないシンクロニシティ。みなさまの30年前のお姿と、役のギャップも個人的に楽しんでいました。新宿鮫の時の奥田さんの怪演もオススメです。
そういえば、奥田さんの奥様の安藤和津さん(柄本さんのお義母さまですね)に、東京オペラシティで道を聞かれたこともあったな…
あと、ダウンタウンブギウギバンドといえば、15年以上前に、ギタリストの和田静夫さんのお店の外装のことで少し携わりまして、お店がオープンの際は宇崎竜童さんから花輪が届いていたのを思い出しました。
数年後、その静夫さんと、佐世保の山の公園の展望台でバッタリ出会ったのですが、スタッフらしき人たちと大勢でいらしたのと、本人か定かでないので恐縮して声を掛けられず。。
あとからネットで調べたら、長崎ライブの情報が出ていました。
まさか、あんなタイミングであんな場所でお会いするなんて、ひとこと声を掛けておけばよかったなぁ、と後悔しています。
そこから、やった後悔よりやらぬ後悔、を信条?にするようになりました。
映画って、こういう人生の棚卸しみたいなことが出来るのも楽しいなぁー。