劇場公開日 2020年2月28日

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「NI(ハーケンクロイツ)ON」スケアリーストーリーズ 怖い本 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5NI(ハーケンクロイツ)ON

2020年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 1968年。ベトナム戦争真っ只中、大統領選にはニクソンが優勢。冒頭からこれだから、ちょっと普通のホラーじゃないぞ!と確信。よそ者として登場するラモンが現代の移民問題も反映させ、ベトナム戦争の召集令状から逃げていた男としても描かれているのです。さらに言えば、幽霊屋敷の家主は製紙工場を作った人物であり、工場から排出される汚染水の問題まで扱う社会派ホラーだと感じました。

 そんな序章から、ハロルドと呼ばれる案山子が最初の恐怖。なぜかアメリカのホラーにはよく登場する案山子ですが、不良少年のトミーが最初の犠牲者になってしまいます。ステラが幽霊屋敷から持ち帰ったサラの本に書かれたハロルドの文字がなぜだか血文字・・・そして、毎夜新たな物語が書かれていくのです。

 そのまま不良グループの兄ちゃんたちが次々と神隠しに遭うのかと思っていたら、ステラ、チャック、オーギーの仲良し3人組のメンバーも容赦なく犠牲者になっていく意外性。足の指が入ったシチューとか、ペール・レディとか、グロさと面白さを惜しみなく描き出していました。サラについてもっと調べなきゃ!と、ステラたちは新聞社や病院を懸命に調べることになり、やがてクライマックスでは時空を超えて・・・

 好きなシーンはチャックの姉ちゃんルースのシーン。『デモンズ』だったかで見た洗面所のシーンを思い出しましたが、ニキビor吹き出物を潰そうとするも、それが徐々に肥大していって、何かが出てくる!ニキビはつぶすもんじゃないよという、洗顔奨励映画だったのかもしれません。

kossy