「国が違えど、社会背景は変わらず」少女は夜明けに夢をみる ミツバチば~やさんの映画レビュー(感想・評価)
国が違えど、社会背景は変わらず
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イランの女子少年院といったところでしょうか。更正施設ならば、社会との繋がりの中間点だから、もう少し福祉的かなと。
日本と大きく違うのは、かなり自由ということ。少女同士が同じ境遇の仲間と距離を取りつつも、ピア的な関わりをしているところ。赤ちゃんも同室というのは、驚きです。
少女たちが自分の言葉で、今の心のうちを明かすほど、インタビューができているのは素晴らしいエスノグラフィーだと思いました。
どの子も「誰からも愛されていない」と感じていて、そして誰かに「必要とされたい」と願っている。
「生まれてきたのは、私の罪ですか?」と訴える叫びが刺さります。
出所するときに、家族が迎えにきてくれたときの、嬉しそうな表情。たとえその先に
闇が待ち受けていたとしても、頼らざるを得ない、信じるしかない束の間の喜びにしか見えないのは、私だけだろうか?
大人は嘘つきだ。対面を保つために、その場しのぎの嘘をつく。悪気なく。
親だからとか、教師だからとか、仕事だからとか、自分の立場を正当化して美しい嘘をつく。
イランの施設の職員は、「ここを出たら、あなたが自殺しようと私たちには関係ない」と言い放ちました。
ある意味、正直なのかもしれない。現実を突きつけることも必要なのかも。
どの家に生まれたかで、自分の人生が決まる。痛い現実を、子どもの力ではどうにもならない現実を、社会はどう受け止めるのか。
どの国も抱える問題なんだろう。
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