HOKUSAIのレビュー・感想・評価
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映画を長く感じた。つまり面白くなかった部分が多かった。
期待して見に行ったのだが、皆さんの批評通り冗長で眠くなった。阿部寛が出てる第一部は面白かったよ。だけど後がダメね。役者はハマリ役だったので悪いのは脚本なのかと。
蔦屋さん(阿部寛)を主人公にして映画作った方が面白かったんじゃないかと。
映像美は十分だし演技も良かった。役者も申し分ない。ただストーリーと演出がダメだったな。
素人意見でも「あと30分削って」って思うぐらいムダがあった。
褒めようと思えば褒められる点は色々あるのだが、通してみて、「エンタメ映像作品」としては落第一歩手前な作品。第一部があるから落第は免れたという評価。
第一部のテンションが最後まで持続できれば星4以上になったかもしれんけど、ま、それは言っても詮無きことですわな。
命がけの探究者
評価が難しい。評価なんておこがましい気もする。
単純に楽しいものではなく、華やかさより、泥くささが強い。
しかし迫力があり、作られた意味があり必要な作品だと思う。この北斎はこの2人にしかできないだろう。
また、天才としか見てなかった葛飾北斎が、葛藤や苦しみ、弱さを抱えながら闘う姿に、同じ人間なんだと親近感がわくし、勇気づけられる。
※この後ネタバレあります。
青年期を演じる柳楽優弥さんの何しでかすかわからない危うさ、猟奇的なところはこの方しかだせない気がする。
老年期の田中泯さんはまさに北斎。突風が吹いて喜々とするところや、雨の中で染料を浴びる姿には惹きつけられる。舞踏家として活躍していたからこその表現力なんだろう。
阿部寛さんも良かった。儲けることより、どうすればより良くなるか追求する姿勢。媚びず甘やかさず、自分の信念を貫いていてカッコいい。
この映画で学んだこと。
・人と比べて卑屈にならなくて良い。自分という個性が大事。
北斎と同じ時代に生きた絵師で、歌麿や写楽が登場する。分かりやすいようキャラを脚色してあるが、北斎にはない個性的な絵で売れていた。
それに比べ自分の絵は売れず、敵対心むき出しで勝負する北斎。
お前は勝ち負けで絵を描いてるのか?だったらさっさと辞めちまえ!と版元の主人に言われる始末。
何度も挫折し苦しみながら、たどり着いたのは幼少期夢中になって描いていた記憶。荒削りだけど、原石が輝きだした瞬間だった。
・何歳からでも挑戦できる。歳をとるからこそ楽しい。
70代になり、病気で半身麻痺状態になる。そうなると、もうダメだ。絵はもう描けない。となりそうだが、北斎は違った。
旅に出るわ!
???えっ?その体で!?
旅先で死ぬのも悪くない(笑)
いや、冗談じゃ。まだ死ねん!
この体だからこそ、描ける絵があると思うんじゃ!
1番印象に残ったシーン。そういう考え方はなかったので、衝撃だった。
・今は幸せ。感謝。
江戸時代の規制や罰則がそこまで厳しいと思わなかった。
本当に命がけで絵を描き、本を書き、物を売っていたのか。だからこそ、昔の絵が今でも見られるし自然と感謝もうまれてくる。
特に印象的なのは、生首の絵。頭にこびりついて離れない。無念さが伝わってくるし、小学生だったらトラウマものだ。
そんな昔を思うと、今は自由な表現が許されている。その弊害もあると思うけれど、今は幸せなんだと思う。
結果、観て良かったと思う。消化するのに時間がかかるけど、栄養豊富な映画だった。
くさい
江戸時代後期、巷に蔓延する享楽的風潮を危惧した御上(おかみ)は、アーティストの表現をも厳しく制限する。
そんな、いわば慢性的「表現の不自由」時代を生き抜いた、ガッツだぜパワフル魂の画狂人、葛飾北斎の反骨人生を描く。
〈一の章〉~〈四の章〉からなる本作、前2章が青年期、後2章が老年期という構成だが、僕は〈一の章〉をいちばん面白く観た。
遊郭、花魁、禿(かむろ)などが、“陰翳礼讃”という言葉を思わせる薄暗い光の中で織りなすちょっと不気味な世界。
その妖しげな舞台に、蔦屋重三郎、歌麿、写楽ら、江戸町民文化を彩る面々が登場し、北斎を刺激する。
若き北斎は、写楽の出現によって、いっそう奮起することになるのだが、僕にはこのあたりがこの映画のクライマックスのように感じられた。
よって、そのあとはなんだか退屈であった。
全編をとおして、「大袈裟だなぁ」と思うような演出が少なくなく、セリフが物語から浮いていると感じるところもあり、そのたびに「くさいなぁ」といささか興醒めした(ただし、雨中、主人公が藍の絵具にまみれて躍動する場面は、舞踊家、田中泯の面目躍如たるものがあった)。
それから、音楽もよくなかった。
和紙の上を滑る筆の音、バレンを使って版画を刷る音、墨をすりおろす音……それらの音はとても美しく表現されていたのに。
富岳三十六景は晩年の作品
ものすごく宣伝に力を入れてた映画だったので
楽しみにして観に行きました。
前半は若者らしいジタバタが主題なので
動きがあったのだけど
後半は老成した後なので動きは少ない。
そこは仕方ないのかな?
ただ、代表作の「富岳三十六景」は晩年の作だから
それを描くところをもっと見せて欲しかった。
例えば突風が吹いて町中の人々の表情が
老北斎の頭の中で絵になってゆくのだけど
それがこんな作品になったんだよ!っていう
実物の作品の画像をそこにインサートして欲しかったな~
もっと北斎の絵を観せて欲しかった!
「表現の自由を権力に潰させてはいけない!!」
その思いは最後の方のあるエピソードで良く解るのだけど
折角の映画なんだから、大画面で
「富岳三十六景」をもっと観られたら
もっともっと良かったのに~~
前半のキーマンである版元の蔦屋を演じる阿部寛が
イイ感じで重鎮感が出てきましたね。
ちょっと楽しみになってきました。
苦悩と葛藤の天才絵師
自分の画力を何よりも信じながら、苦悩し葛藤した天才絵師。
版元の蔦屋と出会い、歌麿と写楽の才能に感化されなければ天才絵師・葛飾北斎は存在しなかったかもしれない。
「芸術は不要な物」とされていた時代に「絵で世界は変わるのか?」と生涯をかけて挑んだ姿が印象的だった。
晩年の作品「生首の図」、「男浪」と「女浪」の肉筆画の演出は圧巻!!
やはり浮世絵は最高だ。
パンフレットも面白いので是非。
北斎じゃなくてHOKUSAI
実在の人物だけに、フィクション部分に違和感を持つ人は多いかもしれない。自分も少しそんな感じだったので、序盤のうちに頭を切り替えて、北斎をモデルにしたHOKUSAIという人物の話だと思うようにした。
浮世絵関連に詳しい人は、知識をリセットしたほうが楽しめますよ。
描きてえと思ったもんを描いただけだ。
なんか、うすい。いろんなエピソードがしっかりと伝わってこない。役者の熱意に脚本がついてきてない。要するに、つまらない。蔦重が「この絵はすごい」って言っても、少しも画面から凄さは感じないし、むしろ、妓楼のセットや衣装のほうが凄えって見入っちゃう。奢侈禁止令の摘発にあった耕書堂も、その後何事もなかった様子にみえて、どうも手ぬるい。不勉強ながら柳亭種彦って誰?と戸惑ったが、北斎を描くのに脱線したように思えた。死の真相も、独自解釈までならいいが、どうやら60歳まで生きてるじゃないか、ってガックリした。それならむしろ、蔦重の苦労を描けよと思った。晩年の小布施行きも物足りない。高井鴻山が何者であるかの描写も足りない。単に豪商でかつての弟子扱い。結構、裏の顔(活動家との交際とか)があるはずなんだが。小布施での業績も「怒涛図」もいいが、その絵が描かれた祭り屋台の豪華さ、そしておそらくその祭りの賑やかさも描かないことには、その情熱の根源が見えない。それにできれば天井絵「八方睨み鳳凰図」を取り上げもらいたかった。だいたい、北斎の狂人ぶりはただの絵キ●ガイとしか描かれていないのが不満で、なんで数十回も引っ越しを繰り返したのか、老齢になってからの小布施旅(史実では4回も)をしたのか、そもそも鴻山が呼んだのではなく(表向きは)プラっと立ち寄ったはずで。どうも、そこじゃねえんだよ、って気分に支配されたままだった。
まあようするに、個人的に期待した北斎像ではなかったわけだ。
製作者側が描きたいものを描いて、こちらが観たいものとは違ってただけだった。
ちなみに緒形拳主演の「北斎漫画」を予習していた。こちらは馬琴との友情が濃厚に描かれていたが、この時代の映画のせいか、どうも進行がダラけていて退屈だった。若き田中裕子と樋口可南子の裸体が拝めただけだった。
足るを知り、足らぬを知る
撮影も美術も役者も良かった。
折角の4章構成もメリハリがなく、それがラストのまったりに繋がってしまった感が否めない。奇しくも自らの手で「見た目は良いが魂が見えない」と、劇中の台詞同様の体をなしてしまったのは残念でならない。結構テイストは好きだったので。
任せず出たがり染めたがる日本のエンタメ界を代表する様な作品。
畑は変わるが、馬琴と北斎ならば山田風太郎の「八犬伝」が大好き。あれは見事だったなぁ。
IMAHITOTSU
絵画や美術が好きなのでこの映画の公開をとても楽しみにしていました。
どこまでが事実と同じかはよくわかりませんが、葛飾北斎が何を考えどのように生きていたのかを少し触れることができて良かったです(ついでに喜多川歌麿や東洲斎写楽も登場して萌えました)。
ただその割に評価がそこまで高くはないのは、脚本がいまひとつだったことと、絵師を描いた映画の割に映像に芸術性を感じられなかったことです(過去に観たゴッホやフェルメールの映画は映像も芸術的で美しかったので)。
葛飾北斎という題材だったので、ちょっと期待値を下まわってしまいました。
君は田中泯の怪演を観たか?
2021年映画館鑑賞48作品目
6月7日(月)フォーラム仙台
柳楽くんや玉木くんには申し訳ないが青年期は前フリに過ぎない
いなせな蔦屋役の阿部寛は良かったけど
本番は老年期になってから
田中泯の怪演が壮絶
特に強風が吹いた場面のあの顔
そして雨降るなか青の絵の具を自分の顔にかけるときのあの顔
凄いぜ田中泯
よく仕上げてきた
まるで麿赤兒みたいな顔つきになっていたけど声はやっぱり田中泯だ
名画が完成したときは感動して鳥肌が立った
役者さんの演技力 ハンパなくすごかった 演技力のみで成り立っている...
役者さんの演技力 ハンパなくすごかった
演技力のみで成り立っているような
ただ ワタクシハ北斎さんをよく知らないので
なるほどーと楽しめました
けどなんか 阿部寛さんと玉木宏さんは
テイストが何か違うなー でした
1章と4章は面白い
予告編から気になっていたので、見に行きました。
正直、北斎や、他の登場人物も、この人のこの絵は知っている程度だったのですが、
映画を見終えてから、インターネットでいろいろ調べるきっかけになりました。
俳優陣の演技もとても良いです。物語は4章編成で、1章と4章はとも見入ってしまいました。しかし逆に、2章と3章は少し退屈。それでも俳優さんの演技もすごく良いし、最後のシーンも印象深く終わりも良かったので、星4です。あと、せっかくだからエンドロールで作品とか紹介したらよかったのになと思いました。
印象深いのは田中泯さんの終盤の旅のところでの笑い顔でしょうか。役者さんはすごいなと思いました。
画家老いて、見目は変われど、精神は不変
普段、画家の伝記映画は手当たり次第に鑑賞しているので、
その流れで本作も鑑賞。
思えば、日本の画家に関しては、TVでドラマ特番が組まれるぐらいで、伝記映画って珍しい気がする。
北斎がその目で捉えたものを表現するというブレない軸。
これが映画全体の演出にも北斎のキャラクターにも反映されていた。
以前、Twitterで「ようやくカメラの性能が北斎の目に追いついた」
として
富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の波とカメラで撮影された波の
比較画像がバズってた。
(写真は北斎の画にそっくりでたしかに驚かされた。)
この北斎の目でしか捉えられなかった光景を
巧みに演出で表現しようとしているところがすごい。
ただ、演出は一部過剰なところもあったかなという印象。
風のシーンは良かったけど、ベロ藍、通称北斎ブルーのシーンは
そんなことするわけないでしょ!と思ってしまった。
(北斎ブルーって高価なのでは?と鑑賞中は勘違いしていたけど、
どうやら中国で量産が成功して価格が下がってきたあたりで北斎が使いだしたらしい。)
映画をきっかけに北斎の師弟関係やベロ藍の歴史とかを調べるきっかけにもなったので、研究心くすぐられ鑑賞後もたくさん楽しめる作品;)
余談
北斎の弟子として登場していた人物のうち何人かは名前など
明かされていなくて、誰なの?と気になって調べたけど、
明確な記録が残ってないみたいで、映画でもそこらへんは
「もしかしたら北斎に師事していたかもね」というスタンスで表現したのかな。
歌っていた男の子のモデルは誰なんだろうか…。
妖怪画を描いていたのは、北斎季親かな?
制作陣の皆さんに答え聞きたい!!
たぶんこうだったんじゃないか劇場
チコちゃんに叱られるを観ておられる方はご存知かとおもいますが、たぶんこうだったんじゃないか劇場を思い出しました。
ハッキリとわからない部分をどのように想像で埋めるかで、歴史物は随分変わりますね。
諸説あるでしょうけど、たぶんこうだったんじゃないかというひとつの説ですね。
前半のキャストが豪華すぎて、柳楽優弥も玉木宏も阿部寛も、もっと長く観ていたかった。
他の画家の末路も追いかけて、赤ん坊が育つ過程も含めて前後編の2作品にして欲しいなと思って観ていたかったのですが、ラストシーンを観てわかりました。
前後編にするとダメな理由が。
あれが監督の描きたかった絵なんだなと。
それがこの映画の全てで鮮烈なシーンでした。
顔に墨で落書きの柳楽優弥の北斎と、顔に青の顔料をかぶる田中泯の北斎のシーンの対比も前ふりだったのかと。
永山瑛太の顔の赤と田中泯の顔の青の対比も。
ナレーションや主人公の独白がなかったのは良かったです。
そうすると、ウォン・カーワイのイップ・マンみたいになりそうで比較してしまうかな。
言葉でグダグダ語らず、あくまでも映像と色の絵で魅せる作品でした。
こんな日だから絵を描く
絵師・北斎の人生を柳楽優弥と田中泯が演じた映画。全4章構成で、前半2章を柳楽が、後半2章を田中泯が演じている。
第一章では歌麿・写楽・北斎の三者三様が、第二章では馬琴との才能の才能のぶつかり合いが、第四章では戯作者柳亭種彦の死に絡んで老境に至った北斎の魂の有り様が、それぞれ描かれているが、第三章の、特にいわゆる北斎ブルーとも呼ばれる藍との出会いのシーンなど、もはや顔芸かと言っても過言ではない強烈な表情をいくつも重ね、いかにその出会いが画期的であったかを描いていて、流石に代表作と目される「富嶽三十六景」誕生のシーンだけに、画も演技も熱が籠もっていた。
ただ、たしかに良くできた映画だとは思うのだが、相手が北斎というメジャークラスな人物であるだけに、色々工夫はあってもやや通り一遍なストーリー展開と描写に留まったきらいはある。北斎の奇天烈さに負けないくらい奇想天外破天荒なストーリーが見たかったというのは贅沢にすぎるだろうか。
ただ、作中で2度語られる「こんな日だから絵を描くのだ」という北斎の台詞は、心に留めておきたい良い言葉だった。なんとなくではあるが、北斎ならたしかにそんなことを言いそうではある。
精神性を強調し過ぎで、脇役が目立つ
若い頃見た「北斎漫画」は、あのタコの絵にインスパイアされたクセのある映画だったが、こちらは逆に北斎の精神性を余りに強調しすぎているような気がした。「北斎漫画」だってフィクションだろうけど、これは買い被りすぎというか、こんなに求道のストーリーにしていいのかと。だから後半の田中泯はインパクトがあるのだが、前半の柳楽優弥は手練れの脇役たちに食われている気がした。それは柳楽優弥のせいではなく、脚本からそうなるのだと思う。あの波の絵にまで無理につなげている環境映画みたいになってしまっている。絵自体はキレイで、お代の価値はあると思う。
この映画のメッセージは、御禁制もなく自由に絵を描きたいということのはずで、だったら、もっと破茶滅茶でもよかったのではないかと思う。
波‥☆
前評価がそれほどではなかったので、あまり期待せずに行ったがなかなか面白かった。
やはり、役者が揃っていて なかでも期待通り田中泯。
青年期のエピソードは創作が多く場面がくるくると変わりわかりにくさもあるが、それでも
蔦屋や歌麿、写楽等の関わりが描かれ、後半になると北斎と種彦を中心にして一気に
加速していく。
他のレビューにもあるように、やはり北斎への知識があると数倍は楽しめるのではないかと
思う。
北斎が病後、放浪の末 富嶽三十六景を描き始めるが 北斎好きの知人はもっと
彼が描いた肉筆画が見たかったと言っていた。
しかし、波と富士があまりに有名なためこの選択は仕方がないかも・・。
場面の色彩も豊かで、吉原のシーン(天井や襖絵など)も豪華で見応えがあった。
ラストシーンの波、小布施に行ってみたい。
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