「70歳になったらすること。それは、」HOKUSAI リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
70歳になったらすること。それは、
人生の勝負に出る。
70歳からでもまだまだやれる。
その前に脳卒中で倒れて右手に震えなどの後遺症が残っていても、
その不自由な体だから描けることがある、
今この老人と言える年だから感じられることがある。
倒れて生還した後の70歳でそう思えた感受性、
その精神力、そのやる気。
不自由な体での70歳で旅に出るとは。。!
衝撃でした。
仲間の芸術家が幕府の弾圧により捕まったり処罰(処刑)された時、「こんな時だからだ!」と、今日もまた絵を描き続ける、決して芸術は幕府の弾圧には屈しない、弾圧に抑圧されたままでいてたまるものか!という信念の強さに痺れました。
そして自分も、いつか70歳になった時、
「そろそろ引退してのんびり暮らそう」
ではなく、
「よし、勝負に出るか!」
と思ってそこから20年、目標に向かって生きていく老人でありたいと思いました。
。。。ただ映画そのものとしては、最後にナレーションを入れて、海外にも多大な影響を与えたとか、平均年齢40歳の時代に90歳まで生きた人だ、ということをもっとアピールしたら良かったのに、そこが残念に思いました。
でもとにかく70歳から世間に向かって勝負をしたいと思った彼の精神力を教えてくれたので、満点を付けました。
晩年の作品を老年期の彼が描いている時、途中から青年期の柳楽優弥さんがまた登場して、なんと青年期と老年期の2人が同時に出演するという見たことの無い表現手法により、
彼が80歳、90歳とかの老人になっても、心は若かった頃と何も変わっていない、あの尖った芸術家精神は、見た目が老いても心は若いまま、ということを表現していてとても良かったです。
「北斎」という名前は北極星から付けた、というエピソードもカッコ良かったです。
映画を見て北斎ノートという資料集を買ってしまいました!!
見に行って良かったです!!!