ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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コメディとはいえ、中々ブラックでヘビィ
ネクスト・ゴール・ウインズを鑑賞して、ワイティティ監督の名前を知り、さかのぼってこちらを鑑賞。
のっけから15分くらいで視聴をやめようと思ったくらい、クラクラするほどのナチ礼賛と胸糞セリフの数々。いやいや、マジか。でもこれだけで終わるはずないから、まぁ最後までと思って観ているうちに、「アンネの日記?」と見紛うユダヤ人少女が出てきてからちょっと落ち着いて観られるようになった。
悪ふざけの度が過ぎている気もするし(特に監督自身の出自に関わるあたりは過剰なほど)、そこまで取り込まなくてもと思う程、おびただしい種類のヘイトを取り込んでいて、コメディといいながら中々にブラックでヘビィ。それに、ウクライナやガザの状況がリアルタイムで進行しているため、余計に笑えず、考えさせられてしまう。
指摘しておきたいのは、映像的な美しさ。
どこにもケチのつけどころがない。お金もかかっているだろうが、その場面にあった色彩、構図、どれも素晴らしかった。見覚えのある靴とメモの赤字。心をつかまれた
自分は、いわゆるハリウッド映画を積極的に観てこなかったので、ワイティティ監督のことをよく知らずにいたが、2作を観て、とても興味が湧いた。フリーガイも、この監督の作品ということなので、また鑑賞してみたいと思った。
大人も子どもも。
世界中の人達はなんだかんだいってヒトラーが好き
少女がベッキーみたいでなんか見ててイライラしました。クソガキのほうは母親やられてるのによくその原因の女と逃げようと考えたな。
ヒトラーは許されないことをした、ヒトラーは悪魔だ、ヒトラーのような人間を二度と産み出してはならないと誰もが言うけど、それならなんでNHKでヒトラー絡みの番組が毎年毎年これでもかってぐらいに製作されてるのか。放送させるなよ?テレビがヒトラーがー!と言わなければヒトラーの存在なんて誰もが忘却のかなただし、誰もヒトラーのようなことをしません。
ヒトラー物の映画も作らせるな。
作って見ておいて、自分の醜さを忘れるためにヒトラーを用いて利用しておいて、ヒトラーを否定するアホが多すぎる。めんどくせえ。
怪作
英雄夢語り
ラストのシーンで主演の男の子と女の子が、首をカクカクしたり、手を交差させて炎のジェスチャーをしたり、リズムがあまり合っていないステップを踏んだり、というのは全部デビッド・ボウイーの特長的なパフォーマンス。
流れてくる曲は名曲「Heroes」のドイツ語バージョン「Helden」。
ボウイーの曲で唯一ドイツ語とフランス語のバージョンがオフィシャルで発表された曲。
英語よりも、角張ったドイツ語の響きが絶叫ボーカルと相まって聴かせる曲。
ということは、ボウイーのファンでないと全然分からないネタだが、最後の1分間でのワンシーンで観れて、感激。
もちろん知ってて観たわけではないので、驚いてしまった。
でもまあ、これは個人的な感激ポイントだっただけで、映画の内容としては、普通。
主演の子役はいい味出してるし、旬のスカーレット・ヨハンソンは出てるし、グロいシーンやエキセントリックなところも無い、人畜無害ムービー。
面白いので2時間はあっという間に過ぎるが、それ以上のものはない。
基本的に、楽しい映画。
20200209 日比谷TOHO
ママのコンビの靴、ママとお揃いのパジャマ
くだらないというか、つまらないというか、ホントに無意味さ感じる
ナチスドイツをおとぎ話で包んだ名作
ポップなテイストにズシンとくる戦争の現実
心優しい、主人公のジョジョ
お母さんのスカーレットヨハンソンも美人で陽気で
反骨精神のある強い女性
ジョジョは合宿でうさぎを殺せずバカにされたし、ユダヤ人の女の子を匿ってて、見つかれば家族や自分も縛り首だけど、戦争が終わればそんな価値観も全部ひっくり変える。
本当にこの平和な時代に産まれて良かったと、心から思える作品でした。
ワイティティ監督自ら演じたヒットラーは、ポップで陽気で、子供っぽくて面白かった。
この作品を観てる間、大爆笑もしたし、大号泣もして、なかなか忙しかったです笑笑
サムロックウェル が本当に良かった!
サムロックウェル の映画観たくなっちゃいました!
こんないいやつの役もすれば、グリーンマイルみたいな最低な役もする、本当に名優ですね!
オカンがヨハ子っていいよな
国を想うにどんだけ捻じ曲がった思想でも
それがイイと思ってしまうんだよな。戦争って。
というか人間はそんなもんなんでしょう。
しかしジョジョは戦争反対!ではなく
ヒトが好き、動物が好き、オカンが好き
と戦争時代を背景にしながら
人間もいいとこあるよ、と。
ほんのりさせる作品でした。
70点
アレックスシネマ大津 20200123
ハイル・ヒトラー、ガイズ!
とても良くできた、いい映画でした。学徒動員されたナチス狂信者の少年の目から見た終戦直前のベルリンの物語。
コメディタッチで笑えるシーンは多いですが、内容は深く感動的です。
臆病な少年の心に去来する、ヒトラーへの忠誠心、戦地に赴いたという父親への想い、ユダヤ人への差別、反ナチの人たちが広場に吊るされた意味、母親への愛と軋轢、淡い恋心...うまく織り込まれていました。
ナチスに対しては徹底して風刺的に描かれていて、訓練の初めに教官がハイル・ヒトラー、ガイズ!なんて適当に軽薄にあいさつしちゃう。この設定も笑えていい。
母親(S.ヨハンソン)と教官の大尉(S.ロックウェル)のキャラクターとてもいいし、両俳優の演技が見事にハマっていて素晴らしかった。デブのお姉さんのキャラも良かった笑。ヒトラー役は監督自らが演じていて、これもよかった。
ジョジョがロボットの着ぐるみで鍋釜の供出を依頼しに街を回ってるシーン。ドイツでも鍋釜の供出があったんだなあ、なんて感慨をもって観ていたら、ジョジョは母親を見かけてしまう。母親はジョジョとは気づかない。ちょっとした伏線になっていて、うまくできてるなあと思いました。
独語版の「抱きしめたい(ビートルズ)」や「ヒーロー(D.ボウイ―)」も良くハマってました。
自分的には「クローンの散歩」と「クルミの意味」がツボで大笑いしました。
少年の淡い憧れと恋心の美しさ、戦争や迫害のバカらしさ
戦地が自分のすぐそばに迫ってくるまで、街ややりとりは戦時下とは思えないくらいポップに描かれている。
ユダヤ人の少女との出会いからの展開も、まるでおとぎの国の住人に出会ってしまったかのようなどこかほんわかとした空気感すらある。淡い恋心の描写も、蝶で描かれたりしていて、子どもらしくとても愛らしい。もちろん、警察が家に来て…のところのシーンはとても緊迫感があって心臓バクバクしたけど…!笑
終盤の合戦のシーンが結構良かった。自分もジョジョと一緒に、地獄の世界の中にいるかのような感覚になった。スローになる演出が効果的だったと思う。
軍事訓練も、ヒトラーの存在も、なんとなく絵空事のようだったし結構ポップだったので、見知った顔が次々と死んでいく現実を一気に見せられて、やっと戦争というものの実態を見た気がした。ジョジョもあれをみて、戦争万歳なんてとても言えなくなったのではないかな。
ホロコーストのことも、ジョジョにとっては絵空事や御伽話のような話だったけど、自分の目でみて実態がわかってたら、「ホロコースト万歳」なんてとても言ってられなくなったよね。
「制服を着ていないと仲間に撃たれるから」とドイツ軍の制服を着て、ドイツ軍が降伏したあとは「ここから逃げろ」とドイツ軍の制服を脱がされたのが印象的だった。
一瞬で立場が裏返る滑稽さというか、争いの馬鹿らしさみたいなものを感じた。
ユダヤ人かそうじゃないかなんて、たったそれだけの違いで虐殺までに至る、馬鹿らしさ。
私にとっては、ヒトラーってもちろんそんな身近な存在ではないけど、ジョジョや当時を生きたドイツの人々は、いつも眼にするし意識しているとても身近でクールなら存在だったんだろうなぁと。街の人やジョジョが、日常会話の中でヒトラーの名を出すのが新鮮で、そんなに当時の日常を垣間見れた気がして、面白かった!
子ども目線
子供主演映画にはハズレが少ないと勝手に思ってる。
今回も当たりだ。
最初は熱狂的なナチスかっこいいな、と雰囲気に流されて
憧れてるだけの純朴な少年が、
邪念に狂わされることなく
真っ直ぐな目で現実を見据え、
むしろ体制に迎合する大人たちより
しっかりと自分の頭で考えて判断している。
少女も難局を知恵で乗り切り
エンタメ(戦争を描きながら!)としても面白い。
見せしめ処刑は子供の目の高さでの
視界で、それがまたいい効果を生んでいる。
ラストもはっきりと言葉にしなくても
互いに通じる空気とノリ、
どれほどに二人が仲が良いかという証。
やたらと気持ちをセリフで説明するような演出とは
雲泥の違いで大変良い。
名作とまでいえないかもしれないけど
秀作である。
ドイツ版ポケットの中の戦争
ガンダムファンなら誰もがこの作品を連想せずにはいられないだろう。
少年の視点から見た戦争…という展開はまさにこれだ。
しかしポケットの中の戦争と異なるのは、現実に起きている終戦間際のドイツ領内の地獄絵図とは違い。その大半が少年の妄想が入り混じった"ポップな戦争"が描かれている点だろう。そしてイマジナリーフレンドのヒトラーと少年の掛け合いを軸に、コミカルに描かれている点も非常に個性的だ。
少年の目線を貫いているからこそ、現実のナチズムの残虐性はほどほどに、ポップで明るくストーリーは進んでいき、クライマックスまでスムーズに見ることができる。
この点は戦争を題材とした作品として賛否われるところであろうが、私は評価したいと思う。これは戦争を軽視しているわけではなく、あくまでもあの時代に熱狂した当時のドイツ少年に向き合っての演出だったのではないかと思う。
戦争を悲劇として扱うのは簡単だが、そうではない別の切り口で戦時下の日常を描いたことにこそ、本作の真の価値がある。
…などと小煩い事をグダグダ語ったが。
ようはエンタメ作品をとしても戦争映画としても非常にバランスの取れた作品なのだ。
単純に一本の映画として非常に面白く、それでいて見終わった後にしっかり余韻に浸れる。
これで十分だと思う。良作だ。
笑っていいのか…
魂が震える
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