劇場公開日 2020年1月17日

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「ライフイズビューティフル感があるのはなんでだろ」ジョジョ・ラビット 西の海へさらりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ライフイズビューティフル感があるのはなんでだろ

2024年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

知的

Amazon Primeで鑑賞。感動的、いい映画。そう、これはいい映画だ。皮肉たっぷりでナチスについて、第二次世界大戦について、誰かが誰かを支配することについて、人と人について描かれている。ナチス側からの『ライフイズビューティフル』感あり。

この笑いを入れたかったんだろうという部分が、映画のなかで「突拍子もなく」ではない。
つまり、ごくごく自然な演出として「笑い」が映画に組み込まれている。

人生のなかで、深刻なシーンほど笑いに変えるなんて難しい。
それが映画だとうまくいくのは、映画にするほどの状況がそろっているから
だと思う。

映画はそういう意味では僕たちの非日常をどう描いているかで、惹かれる度合いが
ぐんと変わるものだ。

ジョジョのいる世界は、彼にとっては現実だが、過去にも現実としてあったはずだが
今の時代、そして日本から観ていると、それはフィクションのように見えてくる。
そう見えたらダメなんだけど。フィクションじゃないから。

だけども、その俯瞰的距離感で映画を眺めていると、その深刻なシーンは
笑いに変えられることに、何ら違和感を覚えない。

そう見えた映画は、すごい名作なんだといつも思う。
こむずかしくてゴメン。

演者と脚本と演出とメイクも、衣装も大道具小道具CG周りも
よくできている。

ありていだが、最後のシーンに余韻と余白を残している。
そこから先は観る人が想像していい領域にしてくれているのが
監督のやさしさなのかなと、思う。

西の海へさらり