「コメディとはいえ、中々ブラックでヘビィ」ジョジョ・ラビット sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
コメディとはいえ、中々ブラックでヘビィ
ネクスト・ゴール・ウインズを鑑賞して、ワイティティ監督の名前を知り、さかのぼってこちらを鑑賞。
のっけから15分くらいで視聴をやめようと思ったくらい、クラクラするほどのナチ礼賛と胸糞セリフの数々。いやいや、マジか。でもこれだけで終わるはずないから、まぁ最後までと思って観ているうちに、「アンネの日記?」と見紛うユダヤ人少女が出てきてからちょっと落ち着いて観られるようになった。
悪ふざけの度が過ぎている気もするし(特に監督自身の出自に関わるあたりは過剰なほど)、そこまで取り込まなくてもと思う程、おびただしい種類のヘイトを取り込んでいて、コメディといいながら中々にブラックでヘビィ。それに、ウクライナやガザの状況がリアルタイムで進行しているため、余計に笑えず、考えさせられてしまう。
指摘しておきたいのは、映像的な美しさ。
どこにもケチのつけどころがない。お金もかかっているだろうが、その場面にあった色彩、構図、どれも素晴らしかった。見覚えのある靴とメモの赤字。心をつかまれた
自分は、いわゆるハリウッド映画を積極的に観てこなかったので、ワイティティ監督のことをよく知らずにいたが、2作を観て、とても興味が湧いた。フリーガイも、この監督の作品ということなので、また鑑賞してみたいと思った。
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