「「原作を最後までアニメ化した」という作品。」銀魂 THE FINAL はりさんの映画レビュー(感想・評価)
「原作を最後までアニメ化した」という作品。
2回見ました。
TVシリーズがあんな形で終わってしまったので(笑)、原作が最後までアニメ化されたこと自体がありがたい。そこを喜ぶ為の作品かなあと思います。
アニメとしてもエピソードの拾い方としても、TVシリーズ終盤の色々すっ飛ばしてたあの調子のまま映画になってます。
ポイントポイントではよく動く格好いいシーンなどもあります。しかし全体的に映画作品としての迫力や演出は物足りないと感じてしまうかなと。
原作を少なくとも2年後に入る頃まで追っていた人が、最後映像化されたのなら見てみようかな~くらいのハードルで見るのが良さそうな気がします。
ギャグや皆の活躍といった箇所の比重が妙に大きく、その分メインストーリーを半端にしたなあという印象が。でも、色々事情や考えがあってこうなったのでしょう。
全体的に色んな所に配慮した結果いずれも中途半端になってしまった、という感じでした。
映画部分の原作に思い入れのある人にとっては「違うそうじゃない…」となり、逆に原作の最後の方読んでない人にとっては「どういうこと…」となりそうな感じ。
原作からあちこちカットされた部分や多少の改変がされた所もあり、原作とは少々意味合いが変わってきているなという箇所も幾つか。
映画の中で筋が通っていればいいので、そこは一つの作品として受け入れればいいのかなとも思います。ですが原作のあのニュアンスが映画で見たかった!という願望に対して、個人的にはやっぱりちょっと残念だな~と。
タメや余韻、緊迫感やカタルシスといったものが丸っきり無かったのが、個人的には非常に気になる所でした。動きとしてもテンポとしても。そんなあっさり淡々と?という感じでなんとも没入しにくい。
あとは全体的なバランス感覚の悪さというのか、それ一番派手なのはあそこで良かったの?とか、もう全部あれでいいじゃんとか、そこそんなのんびりしてて大丈夫?とか、そういうのが気になってしまう。本当にエピソードを「消化している」といった感じでした。
けれどそこは冒頭に書いたように、映像化されたこと自体がありがたい、感謝すべきという前提に立ち戻らなきゃいけないのでしょうきっと。
実際最後だけアニメ化されないままだとしたら、最後までアニメ化して欲しかった、動くあのシーンを見てみたかったと思い続けることになるのでしょうし(笑)
良い所も色々あるんです。凄く好きな演出やシーンもありました。
そういう所を見つけて、良かったなあという気持ちで最後の銀魂アニメの思い出を〆たいですね。
多分もう1回くらい見に行くと思います。