「ウルトラ世代には堪らない!」シン・ウルトラマン parsifal3745さんの映画レビュー(感想・評価)
ウルトラ世代には堪らない!
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ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンを食い入るように見た世代には、堪らない作品。まさかウルトラQのオープニング、怪獣からウルトラマン初期の禍威獣を科特対が中心となって倒すところから、これ見たよねーって心を鷲掴みにされる。ウルトラマンと人類との関係性、人間は野蛮で未完成ではありながらも、自らの命さえも犠牲にして人を助ける素晴らしい部分をウルトラマンが信じるという基本姿勢がこのシン・ウルトラマンでも生きていて、良かった。
ネロンガ→ガボラの背後にザラブ星人がいて、ウルトラマンとの対立を利用する狡猾なメフィラスがいるという、込み入ったストーリーも複雑で現代的でよかった。「シン・ゴジラ」など、最近の日本映画に見られる国際社会を意識した安全保障上の制約、官邸の動きなども細かく描かれていて、より具体化されていた。
メフィラスが、ウルトラマンとの戦いで、ウルトラマンを殺してまで、この地球に興味がないという理由で手を引いたのは疑問符が残った。であれば、最初から戦う必要がなかったわけで、少なくても条件を提案し合って、妥協策を見出す等があっても良かったかも。
また、ゾフィーが、ウルトラマンの働きで人間巨大化計画を阻止したにも関わらず、その計画が地球外生命体の知るところとなったから滅ぼそうとするのは???余りにも短絡的すぎて、理解不能だった。
というように突っ込み所はあるけれど、よく練られたストーリーで、長澤まさみの巨大化、旧作品のオマージュ、再現性の高さ、ウルトラマンの犠牲的な精神と人類の未来と可能性への信頼等が組み込まれていて、ウルトラ世代には、やはり堪らない作品となった。
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