「“シン”シリーズの躍進が続く」シン・ウルトラマン 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
“シン”シリーズの躍進が続く
総監督=庵野秀明&監督・特技監督=樋口真嗣「シン・ゴジラ」(2016)の成功を受けて、監督=樋口真嗣&脚本=庵野秀明という役割を変えた再タッグで作られた「シン・ウルトラマン」。半世紀以上前の円谷特撮作品を21世紀の視覚効果と社会風刺感覚を加えて再創造する意欲的な取り組みが引き継がれ、変身&巨大化ヒーロー物のレトロ感も込みの魅力と、いかにも日本的な政治や組織の“あるある”のシニカルな描写で楽しませてくれる。
人物の表情を仰角でとらえる寄りの画の多用は、なにやら神話的な雰囲気さえ漂わせる。筆者はあいにく配信での鑑賞だったが、映画館の前方の席で観たら見上げる鑑賞姿勢との相乗効果が大いにありそうなカメラワークだ。
配役で特に面白かったのは、山本耕史が演じるゼットン。信用できないキャラクターが大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での三浦義村役と奇妙にシンクロしていて笑えた。
3月公開予定の庵野秀明脚本・監督作「シン・仮面ライダー」も楽しみだ。
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