劇場公開日 2022年5月13日

「銀色の巨人」シン・ウルトラマン takaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0銀色の巨人

2022年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

庵野秀明によるシン・ユニバース、3作目ともなるウルトラマン。
ウルトラQから始まるウルトラマンへのタイトルバックを彷彿とする
シン・ゴジラからシン・ウルトラマンへのタイトル導入。

前半、ダイジェストのように流れ突如現れるウルトラマン。
ザラブ、メフィラス星人、ゾーフィ。
人間との共存や支配を目論む外星人たち。

本作では複数の敵サイドがいるが全員、魅力的。
また本作品内ではメタ要素もたくさんあり
怪獣の着ぐるみを使いまわしていたこと(ゴジラからも流用あり)
カラータイマーを後付けしたこと、ゾーフィは解説の誤植をそのまま使用など。
ED曲の「M87」(M78じゃないの?と思いますが本来M87が正解らしい。)
そのネタはマニアックすぎるよ、庵野さん。
と言いたくなる狂った愛情っぷり。

実写映画としてシン・ゴジラとの比較もされがちですが
本作の大きな違いは主人公たちに意思を感じたこと。
シン・ゴジラは官僚や役人が主役のため、あくまで仕事の一環の中の
対ゴジラ戦でしかなく人間としての行動原理がピンとこなかった。

シン・ウルトラマンにおいて主人公、神永は外星人から地球人を守るという意思で動き
科特隊のメンバーはあくまで神永をサポートすることに徹する。
主人公にその行動をするという動機の意味がないと
こちらのモチベーションや興味が維持できないです。

また監督は樋口真嗣さんですが総監修は庵野秀明。
どこから見てるの?というような画角や早いカット割り、
主人公たちのPCはパナソニック製のレッツノートだったり
エヴァから見てきたファンにもニヤリとする演出もあります。

元々、3部作の予定で始まった企画とのことですが
サンダーバードが好きなキャラがいるということで
セブンへの伏線では?という方もいます。

taka