「勢いアリ」シン・ウルトラマン pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
勢いアリ
作品の勢いを感じた。観客を一気に引き込んでいく手腕はやはり大したものだと思う。彫刻にたとえると、小さな彫刻刀でこせこせ彫るんじゃなくて、でっかいノミでガンガンと大胆に攻めていき手際よく作品をつくり出していくような感じで痛快だった。
ラストまでほとんどダレることなく、面白く鑑賞できたが、あえて言わせてもらえれば、もう少しシンプルに作っていただきたかったかな。
終盤までは、リアル・ウルトラマン世代のおっさんからZ世代、さらにちびっこまで楽しめる内容だと思ったが、ゼットンの件(くだり)あたりからちょっと冗長な印象を受けた。さらに複雑さや難解さも加わったように感じ、わかりにくいところがあった。庵野さん特有の理屈っぽいセリフ回しもファンにはそれが魅力になっているのかもしれないが、いささかくどいような気もした。
それにしても、あの、ロン・ミュエック的な長澤まさみの登場には意表を突かれた。
多用される、どアップに耐えられる長澤は日本映画界にとって貴重な存在である、と賞賛したい。ステキだよ、まさみ♡
それから、室内のシーンでの、ふつうならありえないような独特のカメラ・アングル。これが妙に決まっていて、カッコよかった。
何はともあれ、これだけの、楽しめる大作を作ってくれたことに感謝です。
ウルトラマンは、現代にあわせてか、先代たちより、ちょっとスリムになっているようだったけど、気のせいかな?
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