「ど真ん中の世代ですが、楽しめませんでした。」シン・ウルトラマン じろーさんの映画レビュー(感想・評価)
ど真ん中の世代ですが、楽しめませんでした。
「シン・ゴジラ」の面白さを期待していると、悪い意味で裏切られます。
ウルトラマンファンのための作品であることは理解しましたが
それ以上に「ウルトラマン」というブランドの上にあぐらをかいた
うっすい作品だと思いました。
まず、ストーリーがありがちで起伏がなく、もしかしたらTVで良かったんじゃないのかな、
なんて思ってしまった。
それに、ウルトラマンが最終的になんとかしてくれるってわかってるから
緊張もなにもない。
早口で難しい台詞やカメラワークもあわただしくて、世界観がまるで入ってこない。
そのため、何が起こっているかがいまいちピンと来てなくて、迷子になっている間に
ウルトラマンがなんとかしてくれるのであれあれ?まぁ、いいかってなる。
映画の前半のセリフに「バディ」という言葉が何度も出てくるが
長澤まさみと斎藤工の関係ができあがっていくシーンが描かれていないため
その関係性の強さや深さをを観客の脳内で保管する必要がある。
また、その関係の中で出来上がる
恋愛要素を無理やり取り除いた分(もともとはあったらしい)、
いびつに高ぶった感情をぶつけあう長澤まさみと斎藤工の関係性が出来上がっていており
理解に苦しむ場面が多々ある。
もし、「2001年宇宙の旅」でキューブリックが科学的説明シーンを取り除き、
その世界観を観客に委ねる手法を真似ているのであれば、それは失敗している。
そこにあるのは、ただ単に観客を混乱させ、「ウルトラマン好きなら、それくらいわかってよ(もしくは、そこはサラッと流してよ、的な)」
という目配せ、もしくは、観客への甘えに近い。
いや、「わかってよ」って言われてもさ、そこまでこの映画に感情移入できないから、わからねぇし。
台詞が長い、台詞が難解、早口で何を言っているかわからない、見ずらいカット割りが多いし(オマージュなのかな)、
役者さんのアップが多くて、それが過剰に感じられたり、色々ありましたが
僕は「禍特対(カトクタイ)」の人たちは頭が良くて、難しい仕事してるんだなー
くらいに流してました。
(だって、最終的にウルトラマンがなんとかしてくれるから)
色々オマージュがあって、ファンを喜ばせようとしているのはわかる。
今思いつかないけど、良いところはあるし、それを確認する台詞はなかったにせよ
「シン・ゴジラ」とは地続きの世界なのかな、と思いました。
家に帰って「シン・ゴジラ」見直したらやっぱりよくできたいい作品って改めて思いました。
比べちゃだめだけど。
「シン仮面ライダー」に期待。
何が悪かったのかな、監督?脚本?演出?全部?
というか、今挙げたものが同じ方向を向いていなかった?
だから、こんなカラッポな作品ができちゃったのかな。
でも役者は悪くない、絶対。
色んな意見があっていいけど、僕は楽しめませんでした。
最後に・・・
ウルトラマンがどことなく、斎藤工に似てたのは笑った。