「ウルトラマンは味方じゃない」シン・ウルトラマン torasanさんの映画レビュー(感想・評価)
ウルトラマンは味方じゃない
シン・ウルトラマンは面白かったですね!
科学特捜隊や怪獣に変な当て字をするところはイヤでしたが、ストーリーが良かったので2時間が短く感じました。
テレビ放送でリアルに、初代のウルトラマンから見て好きだったので、シン・ゴジラみたいにエヴァンゲリオンになっちゃうのを懸念していましたが、エヴァみたいなのは怪獣だけでした。
今作は、怪獣は他星人が地下に眠らせておいた生物兵器だったり、光の国も他星人も星間国家として対等な立場であったり、政治的な駆け引きがあったりと、昔のウルトラマンの世界を面白く再構築していました。
そして、ゼットンに勝てないのは光の国の惑星破壊兵器だったから、と理由も明確にしてくれました。
それにしても、光の国は地球人の味方ではなかったんですね。地球人が生物兵器として有効だと知れ渡ったため、他の星に利用されないように滅ぼすことにするとか。そして、その兵器がゼットンだとか、昔のウルトラマンの常識を良い意味で覆してくれました。
SF作品のスタートレックが、最初はアメリカの常識を星々に押し付けていたのに、2作目から時代に合わせて、他星の文化の発達を妨げないように干渉しなくなったのと逆なのは面白いです。
あと、怪獣は裸らしいですが、ウルトラマンや他星人は裸なのか着衣なのか分かりませんでした。ウルトラマンのあの銀色は素肌なのか、はたまたバトルスーツなのか。
最初の場面で、ウルトラマンが飛来時の衝撃で神永を殺してしまい、身代わりとして地球に居着いて地球人が好きになって守ることにした設定はいいのですが、なぜ地球にやってきたのか、そこの理由を忘れてしまいました。もう一度、観に行ってみますか。
それにしても、ウルトラマンの正体が神永だと知れてしまったので、科特隊が窓口になってしまい、様々な依頼が殺到しそう。そして、私利私欲のために利用する輩が出てきそうです。正体不明で、来るのか来ないのか、どこに居るのか分からない方がウルトラマンとしては活動しやすそうです。そういう意味では、昔の設定の方がウルトラマンとしては良かったようにも思います。
続編が作られたらたぶん観ると思いますが、その時は「ウルトラマンが誰なのか分からない」ように設定を変更するのか、または正体がバレてもウルトラマンが自由に活動できるように何か設定がされるのか。そこも興味があります。