「シュワッチを言わないウルトラマン」シン・ウルトラマン さくやさんの映画レビュー(感想・評価)
シュワッチを言わないウルトラマン
庵野監督の映画なので、何かしらのメッセージがあるのだろうと気張って観ていましたが、途中からはただ楽しもうと姿勢を変えました。
もちろん、メッセージがないわけではありません。
・原子力や電力など、人間が生み出した文明を象徴する怪獣
・生きる欲求があるからこその死の許容という哲学
・人を信じる力
・人間という弱い存在の底力
などなど、過去のウルトラマンから引きついだメッセージは健在です。
でも、庵野監督オリジナルというか、今の時代にわざわざ「シン」を冠した意味はどこにあったのだろうかと。
ウルトラマンの活躍は爽快ですし、斎藤工の「ウルトラマンぽさ」も最高でした。
クールでクレバーで、一目置かれるバカがよく似合う山本耕史は、この映画ではまったくバカ要素がなく、それはそれでよかった。
ただそれを楽しめばいいのかなと思うんですが、ではなぜウルトラマンは、シュワッチだけでなく、デュワ!もヘア!!も言わないのだろう……。
ウルトラマンと言えばシュワッチじゃないか。
そこに庵野監督の言いたいことがあるのかもしれないなと、益体もないことをちらりと考えて帰ってきました。
面白かった。
でもやっぱり、シュワッチは聞きたかったなぁ……。
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