「あんまり国土を破壊せんでくれ」シン・ウルトラマン 木花咲耶さんの映画レビュー(感想・評価)
あんまり国土を破壊せんでくれ
これまでマーベルとかでアメリカ本土に壊滅的な被害出ててもあんまり復興とか被害額とか気にならんかったけど、どこかで見たような風景の場所やら施設が破壊されてると嫌でもそれによる税負担とか気になって困る。そもそもなぜか(説明はある)日本にしか怪獣(禍威獣って逆にうそっぽい)が出ない中、どう考えても日本経済が破綻しそうな状況で海外からの軍事介入されそうなネタはフィクションでも辛い。それこそメフィラスに利用されてるとわかってても海外に対してアドバンテージというか自衛力をとりたくなる選択は正義ではなく政治であるとは思う。そのまんまのセリフあったしね。とはいえシンゴジラは政治な上でも抵抗力はあくまで国民だったのに対して今作だとウルトラマンという超常の存在だしなあ。シンゴジラがあくまで人間の所業なのと対照的。そういう見方だと政治家ではなく現場の人間と在野の科学者による対策とかでも対照的ではある。
単純に作品としては怪獣に外星人に辻褄を合わせた上で人間側のドラマに落とし込んでるし、あまり都合のいい嘘がなくて、リアリティを感じさせるところとわざとだとは思うがあえて古い見せ方で安っぽい絵面とか色々と目を惹く工夫がある。しかしながら自分の中で一番この作品の良さを感じたのは、観てた回で子供がウルトラマン!と声を出して喜んでたという事実だと思っている。こういうワクワク感があることこそ空想化学シリーズの存在価値。
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