「庵野は樋口真嗣の代わりを早々に探すべき」シン・ウルトラマン 今日は休館日。さんの映画レビュー(感想・評価)
庵野は樋口真嗣の代わりを早々に探すべき
『シン・ゴジラ』の総監督・脚本 庵野秀明/監督 樋口真嗣に対し、今作は企画・脚本 庵野秀明/監督 樋口真嗣というクレジット。
制作体制の違いを知る由はないが、同じ2人が統括的な立場にいるにも関わらず、今作はまるで『シン・ゴジラ』の廉価版、学生の真似事のような仕上がり。
まぁ庵野の関わりが浅かったんでしょ。仮面ライダーやってるし。『シン・ゴジラ』みたいに現場を掻き乱されたくない人達と、掻き乱す体力がもうない庵野と。結果、樋口真嗣の配分比率が高まってこの惨状。なんせあの『実写版 進撃の巨人』を世に放った監督ですから。みくびらない方がいい。
作品の足を大きく引っ張っているのが、宇宙人芝居の斎藤工を除く「禍特対」の4人。『シン・ゴジラ』が群像劇であったのに対し、今作はあくまで「禍特対」の5人が話の主軸。自然と室内での会話劇が増えるのだが、西島秀俊・長澤まさみ・有岡大貴・早見あかりの演技が全く足りてない。専門用語を連発する独特の台詞回しに対し、そもそも滑舌に難がある有り様で、芝居として「巨災対」の面々とのレベルの差は残酷なほど。もちろん監督の演技指導にも責任ありあり。人間の演技に興味がないんだか、見る目がないんだか、なのは相変わらず。
その他、カメラワークや編集においても終始『シン・ゴジラ』っぽいのだが、表層的になぞっているだけで、まるで及ばない。そもそも樋口真嗣は『シン・ゴジラ』で庵野秀明が何をしていたのかを、根本的に理解できていない。庵野のスタイルを強いた東宝にも責任はありますが、なぜ『シン・ゴジラ』でも何もできなかった樋口真嗣を再び監督に据えたのか……。
原作に準拠したネタやオタクが喜ぶ考察要素満載だが、その前に初見でもわかりやすい構成を詰めるべき。『シン・ゴジラ』とのマルチバース感とか、今後の展開を見据えるのもいいが、まずは目の前の作品をしっかり仕上げるべき。人形遊びをする前に、やることが沢山あるだろう。何も見えてないのか?
演出力の欠如、映画としての土台が脆いせいで「オタクがオタク向けに作った同人作品」に成り下がっており、期待感が大きかっただけにとても残念。この期待は『シン・仮面ライダー』に持ち越すことにします。まぁあっちは樋口ノータッチみたいだし。
あ、あと長澤まさみに対する視線の置き方。中年オタクのセクハラ体質って本当に気色悪いので、まじで反省した方がいいですよ。
ご丁寧にありがとうございます。
特技監督としての樋口氏はとても好きです。監督としての危うさは、もうローレライの頃から言われていたので。気のいい方のようなので、はまらない立場で批判されるのは可哀想な気もしたりしてます。
見事な御指摘です。
同感です。感服しました。
岡田斗司夫先生が以前、
「シン・ウルトラマンは庵野君じゃなくて樋口君が監督だから、あまり期待していない。」
みたいに発言していた動画を上げていましたが、
はたしてその通りだったと思います。
残念です。
これで「シン・仮面ライダー」がつまらなかったら、
もう庵野作品は見ないと思います。