「あと1時間欲しい」シン・ウルトラマン よもぎさんの映画レビュー(感想・評価)
あと1時間欲しい
シン・ゴジラやシン・エヴァンゲリオンに続く庵野監督の「シン」シリーズ最新作。ゴジラを見て育った私もシン・ゴジラにはとても満足したので本作の庵野監督版ウルトラマンにも期待していました。
ノスタルジーを感じる単語や演出と現代の技術が融合した本作は一言で言うならば『「こういうので良いんだよ」おじさん』ご満悦の作品。
ヤケクソ気味なトンデモ単位の数値に、よくわからないけど何か凄い雰囲気の単語が並ぶ技術は聞いているだけでワクワクします。こまけえ事は良いんだよ。
本作のウルトラマンの特徴と言えばやはり「カラータイマーが無い」事。
初代ウルトラマンのデザイナーさんの元々のデザインではカラータイマーは無かったという話をリスペクトしてのデザインですが、カラータイマーのウルトラマンを見て育った世代としては正直「気持ちは分かるがカラータイマー無しはやっぱ寂しくない?」と思っていました。
しかし実際見てみると「確かにここにカラータイマーは蛇足だな」と思う構成で納得してしまいました。
なのでカラータイマーの件は心配しなくて大丈夫だと思います。
不満を挙げるとすればやはり色々な禍威獣や星人が出て来るため、1体1体への対処は結構あっさり終わってしまうところ。
特に最後の敵に対してはシン・ゴジラのヤシオリ作戦のようにあれこれ総動員した作戦展開を描いて欲しかったですね。
本作の上映時間は112分。シン・エヴァンゲリオンやスパイダーマンのように150分前後あればその辺りも詳しく描けたでしょう。
あとは、禍威獣それぞれのトンデモ能力についてもう少し分析や解説が欲しかったですね。「なんかよく分からないけど凄そう!」という設定を聞くのは特撮の醍醐味なので。
この辺りは設定はあるものの尺の都合で端折られた感じがあるので、詳しく書き足された小説版とか発売して欲しいですね。過去の禍威獣との戦いを描いた前日譚とかも欲しいです。
次回作のシン・仮面ライダーにも期待しています。