「新しいウルトラマン」シン・ウルトラマン アントラーさんの映画レビュー(感想・評価)
新しいウルトラマン
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今作のウルトラマン
ウルトラマンを追い続けてきた自分としては、今作のウルトラマン像というのは非常に新鮮であった。今作ではウルトラマンをヒーローとして描いていない。初っ端から過失で人間を死なせている上、原作ではハヤタを死なせてしまった贖罪として人間と同化したウルトラマンは、今作では理解不能な自己犠牲というものへの好奇心から神永と同化している。ウルトラマンは個人主義で合理的な考え方をする存在として描かれていた。ゾーフィが人類という存在を抹消するのを全く躊躇わなかったことも如実に冷酷さと合理主義を表していたように思える。
人間とウルトラマン
作中、ウルトラマンに頼りっぱなしの人間(滝)は情けなさゆえ闘いを投げてしまう。しかし、人間からすれば神に近いウルトラマンも今作では万能の存在ではなかったのだ。ウルトラマンは神永新二として生きていく過程で、人間への愛着を深めていき、最終的にウルトラマンはゼットンを倒し、自身の命を神永に与え死を迎える。これこそウルトラマンが人間に興味を持つきっかけとなった自己犠牲である。科学や身体能力において大きく劣る人間にあってウルトラマンになかったもの「自己犠牲」の意味を知ってはじめて、ウルトラマンは本当に完全無欠なヒーローとなったのかもしれない。
まとめれば、どんどん人間を好きになり、人間臭くなっていくウルトラマンがたまらなく推せる。
評価
自分的には星5だがオタクの自分だからこそ最高に楽しめたと思うし、客観的に見たら少し面白さが減ってしまうかなと思い4.5にしました。
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