「決して満点ではないが、胸に残る不思議な作品」シン・ウルトラマン 新人学生さんの映画レビュー(感想・評価)
決して満点ではないが、胸に残る不思議な作品
自分はウルトラマンの大ファンで、一応全シリーズをひと通り見ました
今回の作品は大いに期待していましたが、見終わった後失望でもなく、かといって素直に良かったわけでもない不思議な印象を受けました。
良かった点、悪かった点でレビューさせていただきますが、個人的には悪かった点に関して見ていただきたいです。(皆さんがどう感じたかも含め)
良かった点↓
アクションシーン
これは予告から期待していましたが、それよりも1、2段階も上の迫力でした。とにかく巨人を目の当たりにしているアングルや美しくも、派手すぎないエフェクト、劇場向けの重い重低音の効果音が流石といった感じで満点です。
スペシウム光線には度肝を抜きました。
これだけでも観に行く価値は大いにありです。
怪獣デザイン
こちらも予告の時点で気に入っていましたが、シークレットキャラに当たるゼットン、メフィラスがかっこいいななんの。CGだからこそのデザインだったのでその判断も吉だったと思います。
また、ザラブ星人の背中も美しく表現されててよかったです。
全体の空気感
もし今の日本に怪獣や異星人が現れていたら‥
が緻密に表現されていてよかったです。
異星人に対して無力だと感じたり、それでも希望を捨てずに何かやれば変わるかもしれない
滝をはじめとした人物表現も良かったと思います
ラストゼットンとの衝突演出
個人的に1番お気に入りのシーンです。ウルトラマンが異空間を彷徨い、不規則な動きをしていたのが、どこかミニチュアを使ったような不気味な演出で、リスペクトが込められていると感じました。
悪かった点
長澤まさみさんのくだり
正直、お尻を叩いたり、巨人になって下アングルから撮られたりするサービスショット的なのはいらないと思います。あそこだけ、空気感と違くて違和感や不快感がありました。
匂いを嗅ぐシーンも、匂いで場所を突き止める発想は良かったのですが、嗅ぐシーンが長すぎたかなと。丸々カットの方が良かったです
また、1番ウルトラマンに近い存在である彼女が、結構軽い感じなのも、うーん。責任感をあまり感じませんでした。
長の立ち位置
1番板挟みで苦しい立場のはずなのに、こちらも
「やっとくよ」といった感じであっさりとしてて残念でした。もっとウルトラマンを疑ったりして、最後に信じるという熱い展開も見たかったです。
一般市民の扱い
ここが個人的に1番引っかかる点です。今までのウルトラマンは人間、地球を守るために、戦ってきました。今回のウルトラマンも劇中の発言、行動からそうだと思います。ただ、直接的に市民を守るシーンはどこにもなく、あくまでも特捜隊を守る存在でしかないのかという印象を受けました。
ただ、これはもし本当に現実世界に現れても、案外人間はあのようにあくまでも人ごととして見続けるといった解釈も受けるので一概にも悪いとも言い切れないのも本音です。
総評
少し評価は割れるかもしれませんが、映画館で見る価値は大いにあると思います。
シンゴジラよりもわかりやすく、ラストも一応綺麗にしまっています。
一概にひどいと言い切るには惜しく、また、考えれば考えるほど評価が上がるそんな感じでした。