「「間違っている」という一言を言う勇気」オフィサー・アンド・スパイ よしさんの映画レビュー(感想・評価)
「間違っている」という一言を言う勇気
スパイの汚名を着せられたユダヤ系フランス人将校を救うべく立ち上がる、フランス人情報将校の苦闘を描く物語。
実際にあったドレフュス事件を描いた作品ですね。スパイ映画でもなく、サスペンス映画でもなく、冤罪を生み出した当時の社会や軍の不条理を描いた社会派ドラマでした。
ユダヤ人に対する偏見や差別が世界的に根強いことはしっていましたが、フランスでもここ迄強い差別意識があったことに驚きました。ナチス時代のドイツを観ているようで、その根強さに空恐ろしくなります。
間違いを認めたがらない軍の頑迷さ、間違った仲間意識の強さ、そして反ユダヤの社会。そんな悪条件の中だからこそ、立ち上がることが出来た主人公に尊敬の念を持ってしまいます。そして、それに協力する弁護士、マスコミや文化人達の存在も羨ましく感じます。
映画としては、サスペンス色を期待した私としては、少々物足りなさを感じます。
また、かなり割愛した作品になっているので、薄味だったり、分かり難さを感じてしまいます。
私的評価は普通にしました。
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