劇場公開日 2022年6月3日

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「ロマン・ポランスキーの映画 ノンフィクションです」オフィサー・アンド・スパイ ころんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ロマン・ポランスキーの映画 ノンフィクションです

2022年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「戦場のピアニスト」で有名なロマン・ポランスキーさん。
ピアニストのタイトルに引かれて、戦場だけど素敵な話に違いないと思い込んだ若き日の自分。

映画鑑賞後は、これが現実に?、と信じられず。原作本ではなく、戦場のピアニスト本人が書いた本を日本語に訳したものを購入して読みました(翻訳本なので今はプレミア価格本になっています)。

そこには映画以上の恐ろしい現実が書いてありました。ちなみに戦場のピアニストの息子さんは日本人と結婚して日本に住んでいます。

そんなこともあり、何となく「戦場のピアニスト」繋がりで、今回のロマン・ポランスキーさんの映画もチェックしてきました。

ノンフィクションですが「戦場のピアニスト」ほど恐ろしい描写も無く、ストーリーが淡々と進みます。ユダヤ人迫害もですが、それ以上に冤罪の恐怖を感じます。

冤罪は日本でも普通に多くあるので、怖いな~と感じました。

取り調べで辛くなり「自白強要で有罪」となった人の多くの冤罪被害者は、「裁判で無罪が証明される」と思ったと言っています。

ですが、少なくとも日本の裁判は起訴された時点で99.9%有罪確定が前提です。

つまり、「有罪を確定するための裁判」となっています。そのため起訴された時点で有罪確定なんですよ。裁判は有罪を確定する場所なんですよね。魔女裁判か?という状況です。

最高裁判所の扉は重く、有罪の確定判決に対する再審請求は、ほぼ通りません。
再審を通してしまうことは「裁判官が間違った判決を出した」という事実につながるからです。再審を通す人は退官覚悟のようです。

ユダヤ人だから冤罪にされたという映画の背景ですが、冤罪というものを考える映画でもあります。

エンタメ的要素はありませんが、重厚な雰囲気もたまにはいいものです。
考えるということが苦手な旦那の教育も兼ねて二人で見てきましたが、なかな考えさせられる映画です。

ロマン・ポランスキーさんも週刊誌で色々書かれるような件もありましたが、彼の人生の背景にユダヤ人迫害という辛い経験があったことも影響しているのでしょうか。

辛い経験は人格を壊してしまいます。

人種差別や迫害、戦争などが無い世の中になってほしいですし。
冤罪なども無い世の中であってほしいです。

警察も、裁判所も、事件を終わらせれば仕事は1つ処理済みになります。
現在の日本でも冤罪が非常に多いことを、映画を見て思い出しました。

いい内容なので、ぜひ。

ころん