「真実はいつもひとつ、だが語られるとは限らない」オフィサー・アンド・スパイ BONNAさんの映画レビュー(感想・評価)
真実はいつもひとつ、だが語られるとは限らない
ドレフュス事件を下地に《明かされない真実》に対して焦点を当てた作品。
さすがはポランスキー作品。相変わらずの映像美ですね。当時の環境を最大限に活かしたセットにキャスト一同の佇まい。もはや絵画と言っても過言ではないです。その一方で『開かない窓』や『探すことすら面倒くさい鍵の束』など、ビジュアル重視すぎておよそ実用性に欠けた小道具(花形であるはずの陸軍の怠惰な生活が垣間見える)との落差がなかなかに笑えましたが。
これまでのポランスキー作品に比べ、非常に観やすかったと思います。基本は一本道。ヤマはエミール・ゾラ登場の場面でしょうか。
この場にコ◯ンくんがいたら「蘭姉ちゃん、この時代っていろいろと面倒くさいね」とぼやいていたかもしれません。物証もアナログであれば提示もアナログ。そこに偉い人達の胸先三寸が加わるので、もうどうしようもない。
単調ではありますが、ラストの内容を含めていろいろと考えさせられる良い作品でした。
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