劇場公開日 2020年10月9日

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「PRIJEO TESIPRO ME 迎えに来て。」異端の鳥 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5PRIJEO TESIPRO ME 迎えに来て。

2022年8月12日
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鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

寝られる

内容は、イコジー・コンシンスキの同名の原作小説を11年の構想の末に映像化に結びつける事が出来た映像作品。時代背景と場所は特定されない様にナチスドイツ下の東欧の何処か。10歳程の少年が親から離れ国を跨いで生き延びるスペクタクルでエキセントリックな作品。好きな言葉は『はい!叔母さん!』唯一無二の言葉は人に対して主人公少年がそれ以後口を塞いで、心を閉ざす始まりとなる。『怖がらないで、僕が助けてあげる』馬に対して話し掛ける言葉は、ある種主人公が死ぬ事は救いだと心の奥で望んでいる様にも見えた。非常に静かな映画の中は白黒で表現されていて、カラーだと生々しくて見てられないと思うほどの良い判断だと感じました。ひたすら逃げ惑う少年が段々とこころを閉ざしていく様は観ていて見応えがあります。好きな場面は、冒頭で叔母さんにエリーゼのためにを🎹弾いて聞かし、叔母さんは幼くして子供を置いていかざるをえなかった夫婦と残された子供の事を芯から共感し悲しんでいる様に見えました。だからまだ言葉が喋れ意思表示が出来てたのだと思います。迎えに来てと両親に向けて出す帆船型の帆には自分を含めた家族と空からのバイオリン🎻とも言われる日差しが描かれて希望を期待している所がとても複雑。インタースラーヴィク語と言う人造語を初めて取り入れた画期的作品は、随所に静かさ・無常観・寂寥感・閉塞感が言葉無い映像と息遣いから伝わってきます。英題『the printed bird』自由の象徴である鳥も自由でなく色分けされたこの世界の構造を上手く表してるなと感じました。ハリウッドの三幕構成とは違う作りになっているので観る人は退屈するかも知れませんが美しく残酷で激しく穏やかな素晴らしい作品に出会えて良かったです。実際の所は、何回か寝落ちしてしまいましたが…。

コバヤシマル
コバヤシマルさんのコメント
2023年6月11日

コメントありがとうございます。確かに戦争ものへの熱い熱量を感じます。戦争と平和について数々の作品あれど、まだまだ解釈に新展開あり歴史は面白いと感じます。

コバヤシマル
iwaozさんのコメント
2023年6月11日

レビュー同感です!^ ^
個人的に「動くな、死ね、甦れ!」を思い出しました。あれもエキセントリックな話でしたが、監督の実体験を映画にしたらしいので、
これに近い事はたくさん実際にあったんだろうなと思ってます。
戦争って本当に思いもつかないような悲惨な状況を作り出す恐ろしさを改めて感じました。(T . T)
まあ戦争が無くても、人間が生きていく限り、悲惨な状況はいくらでもあると思うのですが。。(><)

iwaoz
コバヤシマルさんのコメント
2022年8月14日

コメントありがとうございます。他の人のレビューは非常に面白く勉強になります。異端の鳥は、ホントフルカラーだと観るに耐えなかったでしょうね。淡々と進む残酷展示会みたいな進行は、白黒でしか無理ですね。ホントゴツいモノ見せられてしまいました。

コバヤシマル
琥珀糖さんのコメント
2022年8月13日

今晩は。
古い映画のレビュー、読んで下さって感謝です。

この映画は衝撃的でしたね。
本当に黒白画面だから、凝視できたのでしょうね。

琥珀糖